ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

台風 1998.11.1

1998-11-01 15:38:36 | 嫩葉
台風
今年の台風はおかしい。8月までは例年の半分以下で、今年は台風は一つも日本列島に上陸しないのかと、むしろそのことの方が心配であった。ところが、8月の末、園では夕涼み会や一泊保育の時になって、台風8号が接近し、はらはらさせられたが、台風の合間をぬうようにして無事に済ますことが出来て、ホッとした。ところが、8号より先に誕生していた7号が遅れて日本に接近してきた。しかし、7号に対しては不思議なことに誰もあまり関心を寄せてはいなかった。が、この7号はそういうわたしたちの心を見透かすように、その存在を主張し、日本列島を縦断し、特に奈良県の各地には30年来という被害をもたらした。 幸い、当園では屋根のトタンが3~4枚飛んだ程度の被害で済んだが、問題は10号である。今、この原稿を書いているとき、ラジオでは沖縄を通過し、間もなく九州を直撃すると報道している。当園では明日、運動会が予定されている。さぁ、どうするか。もちろん、台風が来たら、運動会はしようと思っても出来ない。どの時点で出来るとか出来ないとか判断するのか、タイムリミットは明日の朝、7時であるが、運動会はその時になってから、出来るものではない。今日は、予定ではテントを張ったり、万国旗の準備をしたり、白いラインを描いたり、荷物を運ぶ段取りになっている。そのためには多くの人々の協力がなくては出来ない。 運動会はすべての園児にとって1年のハイライトである。どの子もどの子も真剣に取り組んでいる。各ご家庭でも同じであろう。みんなが楽しみにしている。そのために遠方から祖父母がやって来ているご家庭もある。そういう熱い思いが園長の肌にひしひしと迫って来る。何とか運動会だけは予定通りしたい。台風の被害は屋根瓦や床上浸水だけではない。この様な熱い思いを無惨にも押しつぶしてしまう。 近頃の天気予報はもはや予報ではない。逃げ回る自動車をヘリコプターで追跡するように、その進路と速度とが計算されている。聖書の中に、「風は思いのままに吹く。あなたはその音を聞いても、それがどこから来て、どこへ行くのかを知らない」(ヨハネ3:8)という言葉があるが、近頃の天気予報は憎いことにそれを知ってしまった。これも、禁断の実を食べてしまった人間の不幸の一つか。(牧師・園長 文屋善明)

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