ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

つげ 1998.4.1

1998-04-01 15:00:54 | 嫩葉
つげ
幼稚園の門が出来上がった。思ったより立派な門になった。卒園式に間にあってホッとしている。おそらく卒園式や入園式の日には多くの園児が家族の人たちと一緒に門の前で記念写真を撮ることでしょう。そこで、園長は考える。何か西大和双葉幼稚園を象徴するような植木が門の前に欲しい。さっそく出入りの植木屋さんに相談した。わたしは一言、写真写りが良くて、「ゆっくり育つ木」と注文した。 「せんだん」も「もみじ」も「どんぐり」も、昨年切った「ポプラ」も、とにかく育つのが早い。これらの木々には早く育って「立派になり役に立つ」ということが要求された。そして、これらの木々はそのような人間の思いに応えてくれた。 門の前には「ゆっくり育つ木」が欲しい。ゆっくり育つということは、樹形があまり変化しない、ということを意味する。門を巣立っていった子どもたちが10年後、20年後にいろいろな思いを持って、ここに戻ってきたときに、あの時と同じ形をしている木が、1本ぐらいあってもいいではないか。激しく変化する門の外と門の内との間に立って、いつも同じ姿勢でじっと見続ける。成人した卒園児が幼稚園に帰ってきたとき、門の前で「ゆっくり育つ木」を見出し、あの頃の自分と出会ってくれたら、きっとすばらしい力になることだろう。 植木屋さんは「つげ」の木を植えてくれた。とっても形がいい。小ぶりではあるけれども、力を感じる。しっかりと根付いて欲しいと思う。「ゆっくり育つ」から、木目が細かく、緻密で、櫛や将棋の駒に向いているという。それよりも何よりも、「つげ」という言葉の響きがいい。「告げる」という言葉に通じる。華やかさはないし、威圧感もない。しかし、存在しているということが、そのままでメッセージになっている。わたしたちの教会も、幼稚園もそういう存在であって欲しいと思う。(園長・牧師 文屋善明)

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