今日も、船を出すかどうするかで、迷っていた。
しかし、海の状況を知るには、天気の変動の合間に、船を出すことでしか分からない。
「午後からは、風が出る予報なので、その時点に改めて判断します」
と、出船を決める。
沖に行くにしたがって、北東からの高いウネリが残っている。
風は、北寄りの風が吹いている。
強くて、風を避けなくてはいけない様な、風ではない。
船を走らせている途中で、ベイトの塊が出て来た。
「こんなところで、反応が出るのは珍しいですね」
直ぐに、声掛けして、竿を出してみる。
ベイトの正体は、丸鰺の群れの様だ。


エソと合わせて、針掛かりしてくる。
しかし、ウネリが高いのが気になって、一端、内場へと移動する。
満潮の潮止まりを過ぎるまで、内場で我慢して、再び沖合に出てみた。
最初のアタリは、アオハタが来た。


放流を考えたが、目玉が飛び出していた。
ベイト反応は少ないが、ヒットして来る鰺は良型だ。



鰺の小気味よい引きが、楽しい。
この鰺に、青物が付いていないかな…と、思っているのだが…。
この鰺の群れに付いていたのは、ニベだった。

ニベの引きは、真鯛に似た引きをすることが多い。
真鯛かもと思って、期待してしまった。
一度は、下り潮の様相を見せた潮が、上り始めた。
潮色も、青みが濃ゆくなってきた。
この潮に変わって、大当たりが来た。

ドラグ音を響かせて、ラインが真下に出て行く。
「底走りしています。リールが巻けません」
船で追い掛けて、ラインの回収を図る。
「巻けています。少しずつですが、我慢できます」
海底の、漁礁周りから余り離れない。
「我慢だ」と、思った瞬間、針が外れた。
「あー……」
後は、言葉に成らなかった。
その後アタリが少なくなって来た事も有って、ポイントを移動する。
海底の瀬周りには、少しだがベイト反応が有る。
レンコ鯛が、当たり始めた。



良型のレンコダイが、嬉しい。
しかし、この頃に成ると風が回り始めた。
時に西に、時に南にと、クルクルと風の向きが変わる。
それに合わせて、船を流すコースを変えて行く。

何かが、ダブルでヒットして来た。
ダブルでヒットして来ると、船内も盛り上がる。
「何やろうかい」
と、楽しみながら、巻き上げて行く。

釣れたのは、オキアジのダブルだった。
この前には、青物かもしれないアタリに、針が折られている。
その青物らしきアタリを、求めて行く。
「何か来た」

ゆっくりと、慎重に巻き上げて行く。
竿先を叩くアタリだ。
「見えました。真鯛です」

良型の真鯛に、笑顔が弾ける。
南寄りの風が、少しずつ強くなってきていた。
締めに真鯛の釣果に、帰りの話題は賑やかだった。
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