
「下潮の調子は、どうですか」
「抜ける感覚が、有りますね」
「スカスカな感じですか」
「全然、潮の抵抗感を感じません」
朝イチに入った、ポイントの下潮の感想だ。
ベイト反応は、頗る良い感じで、映し出されている。
「何かがヒットするはず」
そんな期待感を持たせる反応が出ているにも関わらず、アタリが来ない。
真鯛かな…と、思わせるアタリが2度は来たが、針が抜けたり、外れたりと、不調な出足になった。
その後は、何処を探っても「下潮が動いていないですね」と、返事が返ってくる。
高妻さん、安永さん、上野さんと相談して、ポイントを大きく移動する。
「どうか下潮が、動いていますように」
祈るような気持ちになっている。
移動したポイントの、ベイト反応は少ない。
しかし、少しずつアタリが出る。


上野さんに鯖がヒット。


高妻さんには、ガンゾウヒラメが来た。
「こんな処でも、ガンゾウが居るの」と、笑いが起きる。


安永さんにも、ガンゾウヒラメがヒットしてきた。
安永さんには、真鯵もヒットしてきた。

どうにか全員にアタリが来た格好には成ったが、満足行く物ではない。
潮とベイトを求めて、移動を繰り返す。
移動を繰り返している間に、少しずつ潮に動きが出てきた。
「下潮に抵抗を感じます」
良い傾向になってきたと、判断する。
すると、上野さんに強いアタリが来た。

「どうですか」
「重いですけど、走りませんね」
やがて、海中にハタの姿が見えてきた。

釣り上げた瞬間は、ハタの名前が出てこなかった。
辞書で調べたら「ホウキハタ」と判明。
☆五つの美味なハタだと書いてある。

安永さんにも、強いアタリが来た。
ドラグ調整を緩めにしてあるリールから、ラインが引き出される。
「何だろう」
姿を見せたのは、大きなイトヒキアジだった。

「正体は、こいつか」
イトヒキアジは、引きが強い。
下り潮が少しずつ速くなっている分、潮の抵抗も加わって巻き上げるのに時間を要した。
くだり潮の流れが、1ノットを超すように成ってきた。
船首で、上野さんがアタリを捕らえた。

ラインが横に走っている。
「カツオですかね」
「違うような感じがします」

上がってきたのは、サワラに近いサゴシ。
「上の方で、当たってきました」
少しずつ、潮が良くなっているのだろうか。
上野さんに、続けてアタリが来る。

竿先が、真下に突っ込んでいる。
「カンパチかな…」
姿を見せたのは、ロウニンアジ。

力の強い、引き味が楽しい魚だ。
この大きさは、群れているはず。
同じコースを流していく。
同じようなところで、次のアタリが来た。

これも、力強い引きが竿先を絞っている。
「ロウニンアジですか」
「多分、そうだと思います」

良型のロウニンアジが、上がってきた。
潮が動いてくれば、何らかのアタリは出てくる。
前半の不調から、下潮が動きだした後半に上がった釣果。
諦めずに、頑張って頂いた結果が、嬉しかった。
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