卯辰山を散策していたらこんなもの見つけた。
業平の井筒
能「井筒」の舞台は大和の国、それがどうして金沢の卯辰山にあるのだろう。
井筒とは井戸の地上に出た部分を言うらしい。
幼い時の業平はこの周りで紀の有常の娘と背比べをしていたということになっている。
さて下の写真は業平の井筒のすぐ近くにあった。
さてこれも能「井筒」と何か関係があるのだろうか?
在原業平(ありわらのなりひら)は桓武天皇の曽孫で美男で詩人であり伊勢物語のモデルになった。能の「井筒」はその伊勢物語23段「筒井筒」から取ったものらしい。
旅の僧が大和の国の古寺在原寺を訪れると、ここに一人の女が現れて物静かなる庭前の井戸で閼迦(あか)の水を汲んで古塚に手向け、懇ろに回向の風情なので、その仔細を尋ねると、業平の跡を弔っているという。
僧はその夜、月の在原寺で仮寝をしていると有常の息女は、業平の形見の冠直衣を身に纏うてあらわれ、舞を舞うて業平の追慕する心を示し、井筒のよりそうて我が身を水にうつし業平の俤を懐かしみなどしているうちの、夜が明け目が覚めた。
謡本を開くとやたらと難しい言葉が出てくる。発行日が比較的新しいのにかかわらず、もう既に使われなくなったような昔の字がどんどん出てくる。
何故なのだろうか。せめて解説の部分だけでも新仮名遣いにしてほしいとおもう。
これでは若い人たちがどんどん離れていってしまうと思うが・・・
謡いの世界は虫の息です。関係者の皆さん少し考えてほしい。
閼伽の水ー仏前などに上げる水。
井筒ー板で囲いをした井戸。
俤ーおもかげ。
冠直衣(かむりなおし)ー天皇・貴族の平常服。