「国宝を守る予算が足りない!」

「マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟」(古屋圭司会長)という組織があるのだそうだが、自民のほか立憲民主党や公明党などの議員も名を連ねる。自民党の麻生太郎副総裁も最高顧問。
趣旨は、日本の漫画等の文化を世界に広げていこうということだろう。この活動について私は文句をいうつもりはない。しかし、政府が、麻生氏等のプレッシャに負けて、日本の漫画・アニメに加え、特撮やゲームの資料を保存する国立施設「MANGAナショナル・センター」(仮称)の設立にむけて進む、ということになれば、少々問題視しなければならない。

それは、文藝春秋2月号に、東京国立博物館長の藤原誠氏が書いている「国宝を守る予算が足りない!」との悲鳴に似た意見を無視して、上の「マンガセンター」をつくる方が重要なのか、ということだ。
東京上野にある東京国立博物館(「東博」)は文字通り国宝、重要文化財など12万件を所蔵・管理しているのだが、最近の諸物価の引き上げのために、国宝等の文化財の管理が充分にできない。機構全体で23年度は光熱費が10億円は不足するだろうと記している。
文化財の中では、修理待ちのものも少なくない。

藤原館長が記している。
「今ある文化財を我々の将来世代に確実に伝えてゆくためには、何としてもこの状況を早急に改善する必要がある」と。

防衛費増額については、ないカネもどんどんひねり出せるが、日本人が心血をそそいで作り上げた精神の結晶を伝えるスベを示すことができない国の上層部への抗議と要求をしっかり固めなおすことだろう。
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