さつぼろ子ども・若者支援地域協議会

昨年成立した「子ども・若者育成支援推進法」は次のような意義をもっている。

【ニート、ひきこもり、不登校、発達障害等の精神疾患など子ども・若者の抱える問題の深刻化】
このような認識にたって、国や地方自治体に対し、ニート対策の実施や社会全体で若者を支援する環境づくりへの啓発活動を促す内容である。
内閣府に内閣総理大臣を本部長とする「育成支援推進本部」を設置するとともに、自治体には、若者に必要な助言や情報を提供する「相談センター」の設置や支援計画の作成を求める。さらに、教育委員会や児童相談所、ハローワーク、特定非営利活動法人(NPO)などによる地域協議機関の設置を盛り込み、これまでばらばらに手掛けていた子ども・若者支援をネットワーク化することを求めた。

札幌市では、「さつぼろ子ども・若者支援地域協議会」が9月に結成された。そして民間団体として「北海道フリースクール等ネットワーク」も参加している。

実務者会議がほぼ毎月開かれて種々上の目的にあった事柄を推進することになる。まず「子ども・若者支援関係者講習会」が開催される。22日(金)の午後6時から新潟大の神村栄一さんという人の講演があった。テーマは「長期的な自立という視点から見た不登校支援のあり方」。
この先生は臨床心理士ということで、そういう「専門的立場」からの話だった。「認知行動療法(CBT)」という方法が有効であるという立場からの話だった。
不登校支援の基本として次ぎの4点をあげる。
1.原因探し、家族病理探し、からの脱却
2.「がんばらなくて良い」の欺瞞に注意。がんばりが必須。
3.可能性のある障害(脆弱さ)には十分配慮を。時には専門的対応も必要・
4.あわてず、あきらめず、工夫していく。
そして、子どもが元気になることが目標、ということも強調された。他にCBTの方法論を詳しく説明された。

約1時間ほどの講演が終わって何か発言を、といわれたので、次のようなことを話した。
「私たちがフリースクールを始めて15年以上たつがまさに試行錯誤でした。しかし今の講演で指摘された認知行動療法の方法にかなっていることがわかって自信をもちました。『元気になること、元気を取り戻すこと』が私たちの目標になることはおっしゃるとおりです。
ところで先生は、不登校の子どもたちをサポートしているフリースクールや、そのスタッフ、子ども、父母たちに接してことがありますか、またフリースクールが刊行している本などを読んだことがありますか」
神村さんは、フリースクールを調べたことなどはないという。少々がっかりした。今各地で活躍しているフリースクールを全く知らないで、不登校の子どもを支援するということはいかがなものなのか、いささか疑問に思った。

子ども・若者支援舎のための講習会の一コマだった。

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