古代ローマ帝国の遺産

サブタイトルは「栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ」。
14日、道立近代美術館で開催されている同展示会に行った。お盆休みも重なっていたからだろう、沢山の人。この展示会への関心の高さを知る。
内容は古代ローマ帝国成立期のオクタビアヌス時代とその後栄えていた都市ポンペイが火山灰に埋もれた時期の二つである。期待していたような目新しいことはなかったのだが、古代ローマ時代の美術品、特に塑像のあれこれが印象的だった。この写実的な彫刻の妙に感嘆する。しかし当時どうして男の裸像があって女のそれがないのか、疑問である。何体か、性器を露骨にした男はいたが、同じような女はいない。

そしてあのポンペイの消滅、埋もれてしまった当時の人たちの息吹はあるが、むしろその瞬間の命の消えんとする時の心を感じたかった。

この展示会に来た人たちの関心は何だったのだろう。古代ローマの何が今の日本人を惹きつけるのだろう。あるべき指導者の姿が古代ローマにはあったことを確認したかったのか、日本でいえばまだ米作りが始まった弥生期、地球の反対地にはすでの高度な文明が存していたことへの驚きなのか、多分前者なのではないか、と思いたい。そして今の日本の指導者のレベルの低さに慨嘆する自分に気づいてがっかりする。

帰りに「ローマ人の物語」の第14巻「パクスロマーナ」の上巻を買った。この始まりは同展示会のオクタビアヌスである。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« お盆 終戦の日あれこれ »