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日記 … Kametarou Blog
あらためて「学力危機」について
今日(24日)のニュースで、大学生の学力(主として数学)が著しく低下していることが報じられた。
問題例である。
A ある中学校の三年生の生徒100 人の身長を測り、その平均を計算すると163.5cm になりました。この結果から確実に正しいと言えることには○を、そうでないものには×を、左側の空欄に記入してください。
(1) 身長が163.5 cm よりも高い生徒と低い生徒は、それぞれ50 人ずついる。
(2) 100 人の生徒全員の身長をたすと、163.5 cm × 100 = 16350 cm になる。
(3) 身長を10 cm ごとに「130 cm 以上で140 cm 未満の生徒」「140 cm 以
上で150 cm 未満の生徒」・・・というように区分けすると、「160 cm 以上で
170 cm 未満の生徒」が最も多い。
この答えは(2)。
B 偶数と奇数をたすと、答えはどうなるでしょうか。次の選択肢のうち正しいものに○を記入し、そうなる理由を下の空欄で説明してください。
(a) いつも必ず偶数になる。
(b) いつも必ず奇数になる。
(c) 奇数になることも偶数になることもある。
この答えは(b)で(理由)は次のよう。
【 偶数と奇数は、整数m; n をもちいて、それぞれ2m; 2 n+1 と表すことができる。
そして、この2 つの整数の和は
2m + (2 n + 1) = 2(m + n) + 1
となる。m + n が整数なので、この和は奇数である。】
Aの問題は「平均」の意味を問う問題で、正解率が24%しかいないことを嘆く。私はどうだろうか、と自問自答する。Aは○だが、Bの(b)は○であったが、その理由など全くダメだ。数学の問題をざっと見たが、全く自信がない。調査した日本数学会は
「資源に恵まれず災害の多い日本は、国民一人一人の知的水準を上げなければ生き残ることができません。数学は科学・技術を支える基盤です。また数学教育が育む論理力は、国際交渉のなかで不可欠です。」
私など文化系だから、数学ができなければ論理力を持てない、という話はホントか?とも思う。しかし概していわゆる基礎学力は下がっていると言えるのかも知れない。だから「学力危機だ」ということになるのだろう。
岩波ブックレットで、佐藤学さんが「学力を問い直す」の中で強調しているのは、子ども若者の学力低下よりもはるかに深刻なのは大人たちの学習意欲の低下だ、と言っている。大人は自分の「学びへの意欲」を失っていて、子ども若者の学力とその意欲の喪失を嘆いていることをどう考えたらいいのか。
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