第60回新道展

20年以上も前からだろうか、TMさんという画家がウチのフリースクールの美術の講師を務めてくれていた。しかしこの数年、体調を壊してこの仕事から遠ざかっていた。先日、Tさんの弟子にあたるHさんという若い作家から第60回新道展の案内が送られてきた。このHさんは学園の初期の卒業生であり、TMさんの教えを受けて立派に美術の仕事をしている。

Tさんは新道展の役員であるとのこと。会場の受付の人に聞くと、Tさんの健康状態は分からないが出展していますよ、という。

これまでと基本的には同じテーマの「生を思う」作品である。HさんもTさんと同じく絵画ではなくいわゆるインスタレーションとされるジャンルの作品。

美術の作品を含めて芸術作品を鑑賞して思うのは、作家の実に個性的な発想力・想像力に打たれる。どうしてこのテーマをこのような表現で描き尽くすのか、その着想の豊かさというか個性的というか、独自の何かに圧倒される。そして鑑賞して何時も思うことは、自分の発想力のなさ、想像力欠乏ということで、「自分はもっぱら芸術を受けとめ鑑賞する立場を終始していく、生み出すとか創造するとか、についての可能性はあり得ない」という感慨をもって会場を後にする。

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