次の日曜日は参院選

報道によると21日の参院選挙、どうも与党が多数をしめると予想されている。予想はあくまでも予想だから、結果はどうなるか分からないのだが、次回選挙では論点がはっきりしない。
憲法改正問題、TPP問題、その他いろいろあるのだが、一般国民は「どこに入れても変わり映えしない」という気持ちらしい。

毎日新聞に、北大法学部の中島准教授の意見が載っている。紹介しよう。
今度の選挙の座標軸は2つ。
ひとつは、人間のかかえるリスクをどう扱おうとしているか。自民党(アベノミクス)は「リスクの個人化」をいう。つまり自己責任で個人のリスクを負うべきという立場だ。「小さな政府」を指向する。病気、失業、災害などは、国に頼らず自分の責任で処理すべきという立場だ。
これに対して「リスクの社会化」は、個人のリスクを国や社会全体で薄く広く担おうという考えで「大きな政府」に向かう。
もう一つの座標軸は価値観。リベラルかパターナルか、という。個人の生き方に権力は介入すべきでないという立場、パターナルは逆に権力が国民に一定の社会規範を示すべきという発想である。
自民党はパターナルの方向であり、日本維新の会もこれに近い。

しかしながら、中島准教授が嘆くのは、リスクの社会化やリベラルの旗を鮮明に掲げる政党が見えないことが「しらけている」と言われる理由という。

個人のリスクを個人の責任から社会全体でサポートしていこうという方向性が強まってきたのが近代の特徴であり、リベラル(自由)の方向に進んできたのが歴史の発展だったと思ってきたが、このあたりをこの選挙であらためて考え直すことが大事なのだろう。しかしそんなことをいっているうちに選挙は「ねじれ」解消という形でおわって、上の二つの座標軸それぞれ前者の方にどんどん傾斜していきそうだが…。

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