チリの「奇跡の生還」など

今年、南米のチリ共和国に関連する大きなニュースはふたつあった。一つはいうまでもなく、昨日(14日)全員生還を果たした今回の鉱山落盤事故であり、今ひとつは2月27日、マグニチュード8以上だったチリ大地震だった。この時には記録によれば死者800人以上の大災害だった。

地図を見ると、首都サンチャゴをはさんで、「生還」は北、「災害」は南の方角だ。今年、チリをめぐって悪いニュースと良いニュースが世界を驚かせた。

今回の「奇跡の生還」もこれからさまざまな内容が表面に出てくるだろうが、やはり印象的だったのは33番目の生還を果たしたリーダー役とされたルイス・ウルスアさんが大統領に対して「再びこういう事故が起きないように」と言っていたことだった。大統領はこの事故を自分の支持率浮揚のために利用したと言われているし、そういうやり方に反発を強める人もいるとのことだが、単純に「奇跡の生還」「優れた指導性」「地獄の中での労働者の団結と希望」などのよい面だけでなく、チリ銅鉱山が果たしている役割、劣悪な労働条件などを余儀なくされているチリ鉱山の問題点なども冷静に見る必要があるのではないだろうか。

この「生還」をモトにした記録や映画その他さまざまなものが出てくるとのこと、それらの経済効果はタイタニック号事件を超えるだろうなどと言われる。そういう計算をする人がいることも複雑だ。
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