サンタさんへのお礼

太郎くんは保育園の仲良し友だちがもっているWiiを欲しくてたまりません。「今度のクリスマスにサンタさんがもってきてくれないかな」とひと月も前から願っていました。
「太郎がいい子でいたらきっとサンタさんがプレゼントをしてくれるよ」とパパとママは言っていました。
だから太郎くんは雪かきの手伝いや部屋掃除の手伝いをしました。そしてクリスマスイブを迎えました。「サンタさんはプレゼントを持ってきてくれても、どうやってウチに入るの?」
「昔は煙突から入ったんだけど今はベランダから入ってくるよ。カギを開けておこうね」
「来てくれるといいね」と太郎くんは何日も前から言っていたことを、また繰り返しました。
「サンタさんにお礼をしなければ」。太郎くんは気がつきました。「なにがいいかな。そうだ、ボクがいつも食べているチョコにしよう」とベッドに入る前に、枕元にチョコをおきました。

クリスマスの朝、「わあ、サンタさんが来てくれた」。太郎くんは枕元のWiiの箱を見て大喜びです。
「ボクのあげたチョコを食べていったかな」
パパとママは、ベランダの窓をあけ、昨日幸いにも雪が降ったのでサンタさんが来た足跡をつけておきました。また一枚のチョコを半分に割って、さもサンタさんがそこで少し食べていったようなしるしをつけておきました。
「サンタさんはチョコを食べていった」と太郎くんは満足そうにWiiのゲームの準備に取りかかっています。

サンタさんが実はパパやママであることは、もうしばらくふせておこう、というのが娘たちの結論です。しかし、2万円もするクリスマスプレゼントをあげて、数日したらまた「お年玉」。「早く本当のことを言った方がいいのでは」と無責任のおじいちゃんは言っています。

そのおじいちゃんの時代、まだサンタの国々と戦争をしていたせいもあったので、クリスマスなど縁もゆかりをありませんでした。お年玉をもらってうれしかったことをいつも思い出します。そういえば「誕生日」のお祝いなども、それほどなかったのでは。だから、お正月が本当に楽しくうれしかったモノです。
しかし今日はクリスマス。その意味を太郎くんはあまり知ろうともしません。仏教系のおじいちゃんもイエスキリストのことを孫に語る意味をまだ感じていません。

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