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日記 … Kametarou Blog
新・平家物語「俊寛の話」
来年の大河ドラマは「平清盛」とのこともあって、吉川英治の「新・平家物語」を読んでいるのだが、まだ6巻読了という段階だ。
ただいろいろあらためての認識ということがいろいろある。その一つに「俊寛僧都(しゅんかんそうず)」の話があった。平家全盛の時期であった1177年京都郊外の鹿ヶ谷で平家を倒そうという計画が行われた。これは事前に察知され首謀者は処罰されたが、その中で僧侶の地位にあった俊寛は他の2人とともに南の鬼界ヶ島(これがどこかはっきりしない。鹿児島県の喜界嶋とか同県の硫黄島とか)に流された。
ところが娘の安産を願う清盛は、1年後俊寛を除く二人を都に戻す。一人取り残された俊寛がどうなったか。
このあたりは、絶望して悲嘆にくれるというのがおおよその話だが、この俊寛を主人公にした著名な作家の作品がある。芥川竜之介、倉田百三、菊地寛それぞれが俊寛のその後を描いていて面白い。
一番面白かったのは菊地寛の俊寛である。島で置き去りにされた俊寛は村の娘と恋仲になり、5人の子どもをもうけた。どうしたかと心配した弟子の有王は島でこの様子を見て「天皇につながる俊寛が南蛮の女とちぎるなど許せない」と嘆く。彼は「死んでいたと言ってくれ」と頼むという話になっていた。
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