NHKスペシャル「ノモンハン・責任なき戦い」(歴史は何度も繰り返すのか)

この15日、標記の番組が放映された。タイトルどおり「責任なき戦い」としての「ノモンハン事件」の立証だった。NHKのスタッフの力量と種々の条件がプラスに働いたことを示したスペシャル番組だと、観終わってしばし言葉を失った。そして同時に、このテーマ「指導者の責任なき行為」はつい最近も目や耳に入ってきたできごとだったのではないか、と暗澹たる気持ちになった。

ノモンハン事件は、1939(昭和14)年の5月から9月にかけて行われた日ソ戦争である。これは「事件」とされているがまさに日ソの本格的な戦争だった。場所はソ連が支援するモンゴルと「満州国」(日本が1936年につくった傀儡国家)の国境周辺での戦争だった。そして明治以来の最初の本格的な敗戦だった。
日本は大敗し、2万人を超える死傷者を出した(ソ連の死傷者もこれを上回ると言われている)。
モンゴル内に今に残る79年前の戦争の跡が映し出されていたが、あまりにも日ソの陣地の差に驚く。

当時の日本軍の上層部はこの国境周辺での衝突を重要視していなかった。しかし満州に派遣されていた軍(関東軍)は天皇や陸軍上層部の意向も無視して戦闘を進めた。そして敗北。この結果、日本は北への進出ではなく南への進出(南進政策)をとることになり、対米英開戦を行うことになるのだが。

関東軍の参謀の例えば辻政信少佐などは「対ソ積極論」だった。「寄らば斬るぞ」の方針こそ必要な政策だ、といっていたとのこと。こういう無謀な策に引きずられて大規模な戦争に入っていった。そしてその結果、NHKは膨大な録音テープや戦後の関係者への証言などから「誰一人責任をとらない」ことを証明して見せた。
辻少佐の遺族が出ていう。「ウチのおやじは少佐ですよ。上の人がいるでしょう」と。しかしその上もまたあいまいな態度に終始する。結局、敵を知らず味方を知らずして戦争にのめり込んで敗北を招いていったのだ。

この辻政信という人は戦後うまく戦争責任を逃れて国会議員にまでなり、その後東南アジアのどこかに旅行して行方不明になった人。

もし誠実な政治家がいてこの戦争の責任をしっかり考えて総括することができていれば、その後の太平洋戦争はやらなくてよかったのだ。責任をとることをしない過去の実態と最近の財務省をめぐる問題などがオーバーラップしてくる。まさに歴史は何度も繰り返される。どちらかが悲劇であるかも知れないし、他方が喜劇といえるかも知れない。
この15日、標記の番組が放映された。タイトルどおり「責任なき戦い」としての「ノモンハン事件」の立証だった。NHKのスタッフの力量と種々の条件がプラスに働いたことを示したスペシャル番組だと、観終わってしばし言葉を失った。そして同時に、このテーマ「指導者の責任なき行為」はつい最近も目や耳に入ってきたできごとだったのではないか、と暗澹たる気持ちになった。

ノモンハン事件は、1939(昭和14)年の5月から9月にかけて行われた日ソ戦争である。これは「事件」とされているがまさに日ソの本格的な戦争だった。場所はソ連が支援するモンゴルと「満州国」(日本が1936年につくった傀儡国家)の国境周辺での戦争だった。明治以来の最初の本格的な敗戦だった。
日本は大敗し、2万人を超える死傷者を出した(ソ連の死傷者もこれを上回ると言われている)。
モンゴル内に今に残る79年前の戦争の跡が映し出されていたが、あまりにも日ソの陣地の差に驚く。

当時の日本軍の上層部はこの国境周辺での衝突を重要視していなかった。しかし満州に派遣されていた軍(関東軍)は天皇や陸軍上層部の意向も無視して戦闘を進めた。そして敗北。この結果、日本は北への進出ではなく南への進出(南進政策)をとることになり、対米英開戦を行うことになるのだが。

関東軍の参謀の例えば辻政信少佐などは「対ソ積極論」だった。「寄らば斬るぞ」の方針こそ必要な政策だ、といっていたとのこと。こういう無謀な策に引きずられて大規模な戦争に入っていった。そしてその結果、NHKは膨大な録音テープや戦後の関係者への証言などから「誰一人責任をとらない」ことを証明して見せた。
辻少佐の遺族が出ていう。「ウチのおやじは少佐ですよ。上の人がいるでしょう」と。しかしその上もまたあいまいな態度に終始する。結局、敵を知らず味方を知らずして戦争にのめり込んで敗北を招いていったのだ。

この辻政信という人は戦後うまく戦争責任を逃れて国会議員にまでなり、その後東南アジアのどこかに旅行して行方不明になった人。

もし誠実な政治家がいてこの戦争の責任をしっかり考えて総括することができていれば、その後の太平洋戦争はやらなくてよかったのだ。責任をとることをしない過去の実態と最近の財務省をめぐる問題などがオーバーラップしてくる。まさに歴史は何度も繰り返される。どちらかが悲劇であるかも知れないし、他方が喜劇といえるかも知れない。
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