「おくのほそ道」11 (旅の終わり、次は伊勢参りだ)

 その後、金沢(新暦の8月29日)、この地で9泊し、そして永平寺、福井、敦賀を経て、10月4日、最後の地大垣についた(人口では岐阜市に次ぐ県2番目の市)。

 ここ大垣、芭蕉はこれまで何度も来たことがある地でもあり、たくさんの知人・友人たちも集まってくれて10日間以上も過ごすことができた。生き返った者に逢うかのように、喜んだりいたわったりしてくれた。「生き返った心地」がした。
 旅の疲れやさまざまな心残りの整理ができないまま、10月18日(当時のカレンダーでは9月6日)に大垣を発ち、次の目的地の伊勢(三重県)に向かった。伊勢神宮では20年ごとに遷宮がおこなわれるのでこれに参加しようというわけだ。(神宮では定期的に神様の引っ越しがおこなわれる。この日は芭蕉の「奥の細道」の旅をおえてからの9月10日だったという)。

最後の句だ。
・蛤(はまぐり)のふたみにわかれ行(ゆく)秋ぞ

(ハマグリのフタとミではないが、送る人と行く人とふたみに別れて、私は伊勢の二見を見に行くのだ。折から秋も行こう(過ぎよう)としている)。
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