「拝金社会主義 中国」

2月21日のこのサイトで紹介した遠藤誉さんの2冊目の書の名前だ。現在の中国指導部の施政の基調を示す語。印象的な箇所を紹介する。

私(この書の著者の遠藤さん)は中国で生まれ育ち、革命戦争により家族を餓死で失ったり、死体の上で野宿して恐怖のあまり記憶喪失になったりと、多くの犠牲を払ってきたが、どんな犠牲を払ったとしても、「中国共産党が苦しむ民を助け、貧乏な人たちが主人公となる、自由で民主的な世界を作ってくれるのだ」と自分に言い聞かせ、私たちの犠牲はそのためなら値するものだと、自らを説得して生きてきた。
 その私たちにとって、中国共産党が「金持ちの党」になり、党と官僚が特権を享受し、新中国を誕生させることに命を賭けた農民たちが、結局のところ最下層に追いやられ、人民としての扱いさえ受けていないような国になったとすれば、「あの革命は何だったのか」「あの犠牲は何だったのか」という憤りが湧いてくる。

「およそ社会主義国家とは無縁のような苦悩と民の心を、あくまでも庶民目線でつづってみたい」。それが遠藤さんのこの書を世に送ろうとした意味だった。
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