G7広島サミットは「核兵器のない世界」づくりの展望を創り出したのか?(1)

今朝の道新の記事を手がかりに、私が理解できる範囲で今回のサミットの「成果」を確認したい。
まず同紙1面の記事。
トップに岸田首相の記者会見の発言を記す。「核兵器のない世界に向けて取り組んでいく決意を共有した」とサミットの「成果」を強調した。またロシアの侵攻に対して戦っているウクライナとの連帯を重視し、今後も更に「対ロ制裁や制裁回避防止を強化する」と述べた。
私の上の2つの論点に関する問題意識は前者(核兵器のない世界づくり)だ。この点で上の岸田発言が当たっているのか、だ。

道新の2面でサミット閉幕関連の解説記事がある。この冒頭の見出しが「G7抑止力正当化」だ。これは言い換えれば、G7各国は、核には核で対応する方向を確認した、ということだろう。ロシアの隣国への侵攻と核攻撃の威嚇を想定すれば、この「抑止力」の必要性もわかる気がする。

つまり、今回のサミットは二つの矛盾した世界政治の方向をより鮮明にしたということなのだろうか。つまり、核なき世界を展望できたということと、いやいや「核も使うかも」のロシアなど(この「など」はどこをさすか)の戦争政策をみれば、へたに核兵器をなくすることなどできるものではない、ということも明確にしたということなのか。

今、核爆弾は例の5か国が持っている数は、ウイキペディアによるとロシアの6,000発、アメリカの5,400発を始めとして総数で12,270発だ。この5か国とは国連の常任理事国であり、核拡散防止条約国(核兵器はこれ以上拡散しないようにしようという確認をした国々。NPT)だ。これ以外にインド、パキスタン、北朝鮮などが保有している(350発)し、さらに保有しているのではないかと疑わしい国もあるらしい(イラン、シリアなど)。

これまで実戦で使われた核兵器(原子爆弾といわれた)は日本の広島、長崎での2発。
サミット7か国の首脳たちががん首並べて広島に行った。そしてもっともらしいことを記してサインしたようだが、78年も前のたかだか2発があの惨状を人類史上表現しているのだ。今後の戦争など想像することすらできないだろう。爆発する核爆弾の数にもよるが、78年前とは比べものにならないほど高性能(破壊と殺人の能力)なのだから、どういう事態になるか、想像すらできない。人類の滅亡をもたらすのではないか。
それを、広島の原爆記念館を訪問したG7首脳はしっかり心に焼き付けただろうか。
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