不登校の理由

昨日の愛子内親王の不登校問題に関連することであるが、しばしば不登校の理由があれこれ言われる。乱暴な行為を働く数名の男の子が…など。

文科省の指摘では、平成20年度の不登校中学生は104,000人(35人に一人)で、その理由の主なところは、「いじめ」が3.1%、「いじめ以外の友人関係」が19.9%、「学業不振」が10.9%、「親子関係」が9.4%、「その他本人に関わる問題」が41.0%(他の理由は略。詳細は文科省の資料を参照。

しかし体験上、この不登校の理由ほどあいまいなものはない。数字の根拠になるものは該当する学校の先生たちが受けとめている理由の総計である。しかし子どもたちは「学校に来られない理由をあえて言えば」(親や先生たちに)「こういうことです」といったことをまとめているのだが、一番多い「その他本人に関わる問題」とは何か。これは要するに不登校の理由を言うことができないということだ。ある期間が過ぎて「あの時の不登校は何がきっかけだった?」と聞いても、明確な理由を言える人はむしろ少ない。結局は、そのときの学校生活が自分のそのときの事情になじめない、といえば当たっているように思う。上記に記した理由はそのあたりのことを反映している。

それらの理由の改善を、各学校の先生方の努力もしくは教育行政上の努力でどの程度行うことができるのか、を考えて見る必要があろう。
例えば、友人関係、親子関係、はっきりつかむことのできない本人の問題、などの総計は70%近い。だから不登校の問題は学校教育の守備範囲ではなかなかうまくいかないことを表しているといえないだろうか。

子どもにとって一番適切な条件を多様に考えて取り組むことを大人たちは考えねばならない。
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