てんぱっていきまっしょい。

国内旅行をこよなく愛する人間の日記です。でも最近は出かけてないよねぇ。(現在コメントは事前承認制にしています。)

もなか、いや最中。

2021年09月13日 | 准教授・高槻彰良の推察(ドラマ)

すみません。

平日は仕事なんで、もんげー頑張っても

2時間で6分の1くらいしか入力が進みません。

しかも今日は、母が炊飯ジャーを壊しかけまして

いや、いろんなものと戦っているわけであります。

とりあえず、もうじき風呂場の掃除(サーキュレーターによる乾燥)が終わりますので

終わったら、もう寝たいんだパトラッシュぅ。

こんな拙ブログでも、御覧いただけるのはひとえに伊野尾くんのおかげです。

どっちに足を向けて寝ていいかわかりませんが、寝ます。

今、とりかかっているのは4話です。

こういうのにとりかかるのは「ハケンの品格」以来で大変大変ですが、自分の精度が徐々に上がっているので勝手に喜んでおります。そして、精度があがってテキスト量の減少に反比例して内容のデザインに時間がかかります。ごめんなさいね。

よろしくどうぞ。

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准教授・高槻彰良の推察 5話

2021年09月13日 | 准教授・高槻彰良の推察(ドラマ)

青和大学の学食。

難波要一(尚哉の同級生) - 須賀健太 は、いつもながらコミュ力が高くキャンパス内の誰に対しても、うまく立ち回っている・・・というよりは
カラ元気が過ぎないか?
なんだか、小さな不運さえ感じられる。冷奴にはソースをかけられてしまうし、定食のメインの唐揚げは通りがかった学生に押された反動で、床に落としてしまう。追いかけていくとローファーで掌を踏まれ、仰け反った反動でバックの荷物が床に散らばってしまった。
その荷物を片付けようとしたとき、難波は自分の持ち物の中に怪しげな封筒が紛れ込んでいるのに気づいたのだった。
開いてみるとそれは、ーーー不幸の手紙だったのだ。

民俗学Ⅱ 第8回 江戸の怪談

高槻が、東京にある古い怪談について講義を行っている。
内容は「八百屋お七」。その後、お七が供養を求めて亡霊になったという説もあるらしい。
高槻は、尚哉(青和大学文学部の新入生)神宮寺 勇太 が出席していないことが気がかりなようだ。尚哉は前回、中耳炎を起こした際にウソを聞き分けることができなくなり、役に立てない自分は高槻のそばにいられないと話していたからだ。

高槻:僕は深町君がいいって言ったよね。

尚哉:今の俺は、その言葉が本当かどうかもわからないんです。孤独の呪いにかけられた俺は、きっとひとりのままなんです。だから、助手はもうやめさせてください。

そういって、尚哉は高槻の前から立ち去って行った。

高槻にはあぁ言ったものの、尚哉は悩んでいた。
そんなところに、なんだか負のオーラを漂わせた難波が寄り付いてくる。
難波は、尚哉に不幸の手紙を押し付けようと現れたのだ。
当然拒否したものの、困っている難波を見かねた尚哉は
高槻に相談するように提案する。

高槻の研究室

難波を連れてきたものの、高槻には気まずい思いの尚哉。
持ってきた不幸の手紙を、難波は高槻に見せる。
内容を読み上げた高槻は、典型的な文面だといい
封筒には消印がないため郵送ではないことを告げる。

難波:知らない間に、荷物の中に紛れ込んでいたけれど、思い返してみると先週の水曜からいろんな災難があって・・・やっぱり俺、呪われてる。

頭をかく難波に、高槻は抱きついて興奮を隠せない。

高槻:難波君、すばらしいよ。イマドキ手書きで不幸の手紙なんて。しかも君は呪われて不幸のドン底っ!(キャッ)

理性が飛んでいる高槻を、慌てた尚哉がとめに入らなければならない程だ。

高槻:失礼。結論から言うと、やっぱり君は呪われていると思う。でも心配しなくていい、僕がお祓いをしてあげるよ。

そういって高槻は、何やら紙を取り出して人形(ひとがた)を4枚作り始めた。

高槻:昔から人は、この人形を使って災難を負わせていた。だったら不幸の手紙の呪いだって同じように肩代わりさせられる筈だ。

難波には、不幸の手紙と同じ文面を5通書かせ、そのうちの4通を人形に渡した体裁を作った。残りの一通は高槻自身が受け取るという。自分自身が怪異を体験したくて堪らないからだ、呪われるなら本望だよ。というのだった。
礼を述べて退室する難波。それについて尚哉が出て行こうとすると、高槻が呼び止めた。このあと「隣のハナシ」に書き込まれた相談について、女性の来客があるから一緒に話を聞かないか?という。嘘が分からない状態でバイトはできないと、尚哉は辞退して部屋を出ていく。

オープニング

アパートに戻った尚哉。
テレビをつけると、4話に出てきた 藤谷更紗(女優) - 市川由衣 と高槻との大学での対談が放送されていた。思わずテレビの電源を切ってしまう尚哉。

高槻の研究室

「隣のハナシ」に相談をしてきた女性 桂木奈々子(ひとり暮らしの女性) - 鞘師里保 が研究室で黒髪切りをご存じですか?という怪談について相談している。黒髪切りは、髪を切るという妖怪で「髪切り」とも呼ばれているらしい。九州の地元から声優になる夢を諦められず、父の反対を押し切って上京し独り暮らしをしている彼女は、黒髪切りが出ると言われるために家賃の安い部屋に入居したのだという。高槻曰く、黒髪切りは全国で出没が言われる妖怪であるが、東京では番町下谷コヒナタで今の台東区下谷あたりだという。
桂木は、山口さんという名の不動産屋に、「そこは朝に黒髪が散らかってたという話も聞くから勧めないよ。」とは言われたものの、予算がないためそのアパートに決めたのだという。すると夜中に金縛りにあうようになって、すぐに引っ越したのだが、二回引っ越しても部屋のものの位置が変わっていたりしているらしい。
桂木がこれまでの現象をメモにして、高槻や生方瑠衣子(高槻の研究室に所属する大学院生) - 岡田結実 に見せる。

高槻が「すばらしい。」と言って桂木に近寄り始めたので、生方が慌てて間に入り、その場を取り繕う。

引っ越してもこのような現象に見舞われるのは、自分自身が妖怪に取り付かれているのではないかという桂木に、高槻はまた近寄ろうとする。
更に生方が高槻をブロックしたので、やっと理性を取り戻した高槻は「是非僕に調査させてください。」と、桂木に申し出るのだった。

山口不動産にてヒヤリング

高槻と生方。
店主の山口哲夫(不動産屋店主) - 螢雪次朗 は、奈々子ちゃんはまだそんなことを言うのかと困り顔だ。店主と桂木の母親が同郷であるため、母親がこの不動産屋を頼るように桂木に勧めたらしい。桂木は合計5回引っ越しをしており、その全てが山口不動産の紹介であるという。それぞれの間取り図を見て1件目の物件を見たいと生方が頼むと、今不景気で従業員をやめさせて人手が足りていないので、息子:山口雅史(山口の息子) - 金井浩人 に手伝わせている。いま物件を掃除しているので、帰ってきたら案内をさせるというのだった。

生方は、事故物件は一度別の人間が入居すれば、次の入居者には瑕疵の説明の必要がなくなるために、山口不動産がわざと事故物件ばかりを紹介しているのではないか疑う。
桂木は田舎から出てきたばかりで、騙されやすいというか・・・

高槻:距離が近いかんじだよね。

生方:それは先生も同じですよ。

息子が物件の掃除から戻ってきたので、1件目の場所へ向かう。今は別の入居者がいるので、内見は断られる。現在の入居者には怪異の現象は見られないそうで、壁が薄いので隣の声がうるさいというクレームを受けた程度だと息子が答えるのだった。
高槻は、怪異の原因が物件にあるのか桂木にあるのか分からないため、桂木に部屋を空けてもらいそこに泊まってみたいと生方にいう。自分も黒髪切りの怪異が体験できるかもしれないとはしゃぐ高槻。

ベンチで話す生方と尚哉

生方は、どうして高槻はあんなに怪異を体験したがるのか、いつか高槻が自分で大きな怪異を引き寄せてしまうのではないかと、尚哉に不安を漏らす。
心配だから生方も高槻と一緒に桂木の部屋に行きたいが、女子学生と一緒に部屋には泊まれないし、健司(警視庁捜査一課の刑事・高槻の幼なじみ) - 吉沢悠 も忙しそうなので頼めないと尚哉に助けを求める。
しかし、自分は役に立てないと生方の頼みを断る尚哉。

桂木のマンション

山口不動産さんから借りてきたと、合鍵を高槻に渡す桂木。
高槻が部屋に泊まる間、代泊のホテルまで手配がしてあることに礼を述べる。
一緒に部屋に入り、この部屋に来てからの現象を確認する。
(拡大鏡の位置が移動していたという。)
この部屋は角部屋で、声優として声を出して練習するには最適な部屋であるため、ここは引っ越したくないという桂木。
一人部屋に残った高槻は、読書で時間を潰すつもりのようだ。
一方、自分のアパートにいる尚哉。進んで呪いを受け、怪異を体験しようとする高槻とそれが実現したときのことを恐れる生方の話が、気になって仕方ない。
22時少し前、部屋の隅になにかうごめくような音がする。
出入り口の気配を確かめに、扉をあける高槻。扉の前には濡れた黒髪が落ちていた。拾い上げて胸元にしまう。
差し入れのケーキを持った生方が、マンションに近づいてくる。黒い人影とすれ違ったあと、二階の外階段に高槻を見つけたが、高槻は階段から転がり落ちてきてしまう。

高槻の研究室

生方の連絡を受けて、尚哉が駆け込んでくる。
高槻は、生方が医者に見せようとするのを頑なに拒み、痛み止めを飲んでソファーに眠っているという。

尚哉は生方に、高槻が落ちた時の状況を確認する。
人影とはすれ違ったが、何かをよけるように一人で階段から転がり落ちた高槻を目撃した生方。怪異かもしれない。とつぶやく。
高槻のデスクには、まだ不幸の手紙が残されている。

うなされる高槻少年。背中の痛みと共に彼の両眼が青く光っている。

生方が帰り、ひとり研究室で高槻の様子をみる尚哉。生方が置いて行ったヒアリングのノートを読む。そこへ心配した健司も駆けつける。
健司に先生はうなされていた、何か苦しいことがあるんですね。と尚哉はいう。

健司:聞きたいか?

尚哉:いえ、いつか先生が自分で話してくれるまでいいんです。

尚哉は首を振った。

尚哉:俺、突き止めたいんです。先生が不幸の手紙の呪いにかかったのならなんとかしなきゃですし、もし、誰かの仕業なら止めないと。

健司:気持ちは分かるが怪異というやつならお前の手には負えないし、人間がやっているなら危険すぎる。やめとけ。大人からの忠告だ。

尚哉:確かに俺は、専門的な知識も力もありません。でも、俺には人にできないことができるんです。人が嘘をつくとわかるんです。

健司:嘘がわかる・・・。

尚哉:俺は子供のときに不思議な体験をしていて、信じられないでしょうけど、それから人が嘘をつくとその声が歪むんです。だから俺には嘘が判る、きっと役に立ちます。

古書店での健司と高槻との会話

健司:あいつなのか。ついにみつけたってことか。あいつは何を経験した。

高槻:彼が自分の口で健ちゃんに話すまでは、僕からは何も言えない。いくら健ちゃんでもね。

**************************************

尚哉:何言ってんだこいつ、ですよね。

健司:いや、信じる。

山口不動産手前の通りで

難波が彼女とのラインのやりとりを、尚哉に見せる。
落ち込んでいたのは、彼女とけんかをしていたかららしい。

尚哉は難波にメモを渡し、山口不動産でのヒアリングの段取りを教える。
難波は声優養成所の桂木の同級生で、物件を探しているという設定。
尚哉はやりとりを聞くことに集中するという。
難波は店主と会話しながら、これまでの物件の話などについて会話を弾ませる。尚哉は聞き耳を立てるが、嘘を言っているのかはまだ分からない。
耳の調子を心配しながら表にでると、息子が帰ってくる。
バンドをしているらしい通行人にみとれて、息子が荷物を落としてしまう。
お互いに「自分が不器用だ」「自分もできることが限られる」と会話をしていると、息子はでも続けてると自分の新しい可能性が見えることがありますよ。というのだった。

佐々倉古書店

高槻は首のシップがまだ痛々しい。
尚哉が入ってくる。健司から尚哉が一人で調べているときいて、上着から「あの髪の毛」を取り出す。
灰皿に置いてマッチで火をつけると、通常とは違う縮れ方をしている。
人口毛は特徴的な縮れ方をするのだという。桂木の部屋で起きている怪異がすべて同じ人物によって起きているのかは分からないが、何かの意図で偽の怪異を仕掛けている。相手が尚哉に危害を加えるかも知れないのに心配だと。

尚哉:大人ぶらないでください。自分に呪いをかけて、怪異を体験するために一人で桂木の部屋に泊まりに行って、ケガをしたのは誰ですか?俺だって先生が心配なんです。それに、どうせこれ以上俺には何もできないんです。今日、山口不動産の人と話して、「続けてると自分の新しい可能性が見える。」って励まされたんですけど、全然見えないです、俺。

高槻:山口さんと話してくれたんだね。

尚哉:はい。でも、今のを言ったのは息子さんです。

桂木の話

山口さん、これ不動産屋さんの名前なんですけど。
これ山口不動産さんから借りてきましたのでどうぞ。

*********************************

キャンパス内で

尚哉が難波に、不動産屋でのヒアリングの手伝いについて礼をいう。
彼女も一緒のときに女性の名前を出されて、慌てる難波。
彼女に説明する。
俺は奈々子さんには会ってないの。奈々子さんのお父さんのお友達っていうのに会っただけ。
母親の知り合いではないのかと尚哉が確認すると、店主は奈々子の父親とも昨日電話をしたと言っていたという。父親は上京に反対していたはずだ。

尚哉は健司に電話をかける。今回の怪異の原因を突き止めたかもしれない、これから山口不動産に行って確かめるというのだ。

山口不動産の前

尚哉が歩いていくと、すでに高槻が不動産屋の近くにいる。なんでここにいるんですかと尚哉がたしなめると、健ちゃんは僕に隠し事はできないんだよ と高槻がすまし顔で話す。いざとなれば健ちゃん仕込みの護身術で僕が守るからという高槻に、ケガ人は引っ込んでいてくださいと尚哉が言う。掛け合いになってしまいお互いに笑う。そこに桂木がやってきたので、三人で山口不動産に入っていくのだった。

尚哉が、店主は桂木の父親と仲がいいことを問いただすと、桂木は知らなかったようで母親とは中学が同じだったはずだという。店主は父親と電話で話す仲らしい、そして父親は桂木の状況に反対している。店主は、桂木が怖がるように黒髪切りの話をしたのではないか?と尚哉が尋ねると

店主:なんだい急に。違うよ。

その声は尚哉に歪んで聞こえたのだった。

店主はついに、黒髪切りの話をした理由を認めた。自分も息子が夢を追って家を飛び出していたので、父親とは話が合ったからだというのだ。
尚哉がもう偽の怪異を起して、桂木を怖がらせるのをやめるように店主に告げると、店主は困った様子で怪異は起していない、自分の扱っている物件で怪異が起きたら困るのはうちだ。桂木が怖い思いばかりして、こっちも困っているんだ。と騒ぎを起こしたことを否定するのだった。息子にも同意を求めると

息子:ほんと、奈々子さんが来るようになってから、困ってます。

また尚哉には声が歪んで聞こえた。それを見た高槻は

高槻:なるほど、残念ながらそう簡単に本物の怪異とは出会えないみたいだ。

そう言って、人差し指を鼻に充てるのだった。

これは八百屋お七であると。桂木は山口さんと山口不動産さんというときがある。山口さんは父親の方で、山口不動産さんは息子の方を刺している。高槻が桂木の部屋に泊まった時、合鍵は山口不動産さんに借りたと言った。つまり高槻が桂木の部屋に泊まることを、息子は知っていた。そして様子を見に来たのではないか。そこで親しく話す高槻と桂木を見て、高槻を引き離したい一心で怪異を起したのだと。ミュージシャンの夢を諦めて実家を手伝う息子に、親の反対を押し切って上京した桂木は眩しく見えた。

ここで、父親が金縛りについて息子の関与を否定すると、その件については桂木が引っ越してきてマットレスなしの薄い布団を使用し、環境の変化で緊張の連日が続き「睡眠麻痺」の状態となっており、それが金縛りの正体ではないかと高槻は推理したのだ。しかし、山口から黒髪切りの話を聞いていた桂木は、睡眠麻痺による金縛りを怪異だと思い込んだ。そして引っ越そうと再び山口不動産を訪れたため、息子が「怪異が起きればまた桂木に会える」と。
思わず土下座をして、桂木に謝る息子。桂木は怖い思いをした分、腹を立てる。高槻は、引っ越す度に条件のいい物件を紹介したのは、桂木の夢を応援したい息子の山口不動産さんであることを桂木に理解させた。最初は桂木に会いたい一心だったかもしれないが、今は彼女の夢を応援しているのだと。

今の部屋で鏡が移動していたのは、あの鏡が拡大鏡で日向に放置しておくと収れん火災という火事が起きることがあり、実際息子は物件の掃除でマンションを訪れたとき、不在である桂木の部屋で火事が起きてそれを始末したからだった。

息子が部屋に勝手に入ったことを詫びると、桂木は火事を防いでもらったことにお礼を伝えた。高槻は、不本意にも父親の意向で始めた仕事に、いつの間にか他人の夢を支えられるという喜びを見つけたのかもしれないと言った。

でも、続けてると自分の新しい可能性が見えることがありますよ。

桂木が高槻に礼を述べ、洞察力に感嘆したことを伝える。

高槻:一人の力じゃありません、僕たちいいコンビなんです。

そういって尚哉に寄り添う、尚哉もまんざらでもない様子なのだった。

帰り道

尚哉:結局先生の力を借りちゃいました。ケガ人だけど引っ込んでくれてなくて良かったです。でも、先生が階段を落ちたのは何故ですか?

高槻:あれは僕のせいなんだ。

逃げる人影を追いかけた高槻。通用口から逃げた人影を追いかけようとしたとき、扉に映る自分の両眼が青く光っていることに気づいた。
外に出ると下には生方がおり、光っている両目を見られたくないため
腕で顔を隠して階段を落ちていったのだ。
それを尚哉に言うことは、まだできなかった。

高槻の研究室

高槻:不幸の手紙は、本来幸運の手紙なんだよ。

難波:へぇっ?

高槻:幸運の手紙は1922年に、新聞に載るほどの騒ぎになったんだ。

9枚のはがきを書いて差し出すと、九日後に幸運が回ってくるが
連鎖を断ち切ると大悪運が回ってくる。

そんな文面のはがきが大量に届いたんだ。受け取った多くの人たちが悪運に見舞われたくないために、文面通りハガキを出した。でも9✖9=81 81✖9=729

難波:あっという間にものすごい数ですね。

高槻:だから最終的には警察の取り締まりの対象になった。

尚哉:え、そこまでですか?

高槻:でも、警察が取り締まっても幸運の手紙は少しずつ文面を変えながら生き残った。そして、いつの間にか「幸運のために」という文言が削り取られ、不幸の手紙になってしまったんだよ。不幸の手紙というのは、呪いを媒介する。でも、そもそも呪いと言うのは一体何だろうね。何か悪いことが起こった時に、人はその原因を求める。理由が分からないのが不安だからだよ。そこに説明をつけてくれるのが、呪いというシステムだ。

そう言って、高槻は難波の前に不幸の手紙を出す。

でも、いったん呪いだと考えると思考はマイナスに向く。気持ちだって沈んでいくから、当然何をやってもうまくいかない。そうやって人は自分を呪いにかけ、縛ってしまうんだ。(両手で難波の肩を抑える。)

第一、難波君は不幸の手紙の差出人を知っているよね。
君は不幸の手紙が知らないうちにカバンに入っていたと言いながら
災難が起きたのは水曜からだと明言した。

難波:実は、家庭教師のアルバイトで小学校4年生の女の子を教えてて。俺、彼女ができて浮かれてて、それ話しちゃったんです。その子、俺のこと慕ってるって知ってたのに。

尚哉:差出人は小学生?

難波:だと思う。

高槻:もう呪いを恐れる必要はなくなったね。

難波:はい、じゃあもう行ってもいいっすか?彼女待たしてるんで。

高槻:いいよ。

難波:どうも。(不幸の手紙を尚哉に渡し)じゃぁ、ありがとやしたー。(そういって研究室を出ていく。)

尚哉:はぁ、自分で自分に呪いをかけた。実は俺、ここ数日。八年間で初めて嘘が判るようになりたいと思いました。

高槻:そう、僕のためにいろいろありがとうね。(尚哉の隣に座る)じゃ、健ちゃんのところでご飯でもごちそうになりに行こうか?

尚哉:はい、あの~買いたいものがあるので、寄ってもいいですか?

高槻:いいよぉ。

尚哉は、研究室に置く自分用のマグカップを眺めている。ゴールデンレトリバーの柄だ。実家で昔飼っていた犬に似ていて、大好きでした。あいつは嘘をつかないから。そういって高槻を眺める。どうやら高槻はその犬に似ているらしい。

彰良さん?

マグカップを眺めている二人に、中年女性が話しかけてきた。
テレビで高槻を見ていて、丁度思い出していたところだという。

女性:懐かしい。お母さまはお元気?

高槻:えぇ。

女性:あの頃、天狗様にはたくさん助けていただいたわよねぇ。

天狗という非日常の言葉が俺の日常に飛び込んできて、先生と俺の怪異の扉が開くことになった。

エンディング

 

第5話

桂木奈々子(ひとり暮らしの女性) - 鞘師里保

山口哲夫(不動産屋店主) - 螢雪次朗

山口雅史(山口の息子) - 金井浩人

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