叔母のことを続けて書く。
叔母(母の妹)は、以前も書いたが、私を自分の娘のようにかわいがった。
叔母には一人子の従弟がいるのみで、娘がいなかったという事情もあったが、
私が叔母に似ていたということもあったらしい。
そのことは、叔母自身も言っていたが、他人にも言われた。
よく人は、直接の親より斜めの関係の伯父(叔父)、伯母(叔母)に似るとか言われる。
叔母と私の関係も、そうであったようである。
まあ、それは血のつながりがあるから、有り得ることであるが、
面白いのは、私の夫と叔母の連れ合いであった義叔父さんがよく似ていたことである。
そっくりと言っていいくらい似ていた。
義叔父さんの息子である私の従弟より、私の夫のほうが義叔父さんに似ていたくらいだった。
高知で医師をしていた従弟の奥さんのお父さんは、偶然、叔母の小学校時代の同級生であったが、
その方が最初に私の夫に会ったとき、母が私の夫を紹介しようとすると、
「わかっちゅう、わかっちゅう、〇〇さんの息子さんやろう」と言ったそう。
〇〇とは義叔父さんの姓である。
「わかっちゅう」というのは土佐の方言で、「わかっている」という意味だ。
そのくらい義叔父さんと私の夫は、よく似ていたのである。
義叔父さんの家は美形統で、姪子さん達も、みな美人であるが、
この義叔父さんも、なかなかの美男であった。
それで叔母は、私の父の従弟にも求婚されたが、親の反対を押し切って義叔父さんと結婚した。
父の従弟は一流大学を出て、大企業の重役にまでなった人だったから、
義叔父さんよりずっと条件がよかったのに、叔母は義叔父さんを選んだのだった。
ついでに言えば、上に書いた、叔母の小学校時代に同級生だった従弟の奥さんのお父さんも
私の叔母は憧れの人だったそう。
叔母は、美人だった私の母と比べると器量は劣ったが、学校の勉強が飛びぬけてよくできて、
それはそれで人気があったようだ。
そこは私と似ていないが、しかし、叔母は常々、私のことを自分に似ていると言っていた。
叔母が亡くなったときに来てくれた叔母の友人達にも、
「叔母さんは、いつもあなたのことを話していました」と言われたから、
叔母は、私のことを本当の娘のように思っていてくれたのだろう。
そんなわけで、私が叔母に似ているのはともかく、
私の夫は、叔母の連れ合いだった義叔父さんにそっくりだったから、
夫婦して、似たもの同士だったということになる。
他人の空似も、ここまでくると、なんだかおかしい。
*
★わたくしによく似た叔母の連れ合ひはわたしの夫によく似てゐたり
★叔父叔母は恋愛なれど見合ひして結婚したるわれわれと似る
★叔母姪が似るのは不思議なけれども義叔父(おじ)と夫が似てゐる不思議
*
母の妹であった叔母は62歳で、母の弟であった叔父は49歳で亡くなったことを考えれば、
私の母が92歳の長寿だったことは、私にとって幸運なことであったかもしれない。
叔母(母の妹)は、以前も書いたが、私を自分の娘のようにかわいがった。
叔母には一人子の従弟がいるのみで、娘がいなかったという事情もあったが、
私が叔母に似ていたということもあったらしい。
そのことは、叔母自身も言っていたが、他人にも言われた。
よく人は、直接の親より斜めの関係の伯父(叔父)、伯母(叔母)に似るとか言われる。
叔母と私の関係も、そうであったようである。
まあ、それは血のつながりがあるから、有り得ることであるが、
面白いのは、私の夫と叔母の連れ合いであった義叔父さんがよく似ていたことである。
そっくりと言っていいくらい似ていた。
義叔父さんの息子である私の従弟より、私の夫のほうが義叔父さんに似ていたくらいだった。
高知で医師をしていた従弟の奥さんのお父さんは、偶然、叔母の小学校時代の同級生であったが、
その方が最初に私の夫に会ったとき、母が私の夫を紹介しようとすると、
「わかっちゅう、わかっちゅう、〇〇さんの息子さんやろう」と言ったそう。
〇〇とは義叔父さんの姓である。
「わかっちゅう」というのは土佐の方言で、「わかっている」という意味だ。
そのくらい義叔父さんと私の夫は、よく似ていたのである。
義叔父さんの家は美形統で、姪子さん達も、みな美人であるが、
この義叔父さんも、なかなかの美男であった。
それで叔母は、私の父の従弟にも求婚されたが、親の反対を押し切って義叔父さんと結婚した。
父の従弟は一流大学を出て、大企業の重役にまでなった人だったから、
義叔父さんよりずっと条件がよかったのに、叔母は義叔父さんを選んだのだった。
ついでに言えば、上に書いた、叔母の小学校時代に同級生だった従弟の奥さんのお父さんも
私の叔母は憧れの人だったそう。
叔母は、美人だった私の母と比べると器量は劣ったが、学校の勉強が飛びぬけてよくできて、
それはそれで人気があったようだ。
そこは私と似ていないが、しかし、叔母は常々、私のことを自分に似ていると言っていた。
叔母が亡くなったときに来てくれた叔母の友人達にも、
「叔母さんは、いつもあなたのことを話していました」と言われたから、
叔母は、私のことを本当の娘のように思っていてくれたのだろう。
そんなわけで、私が叔母に似ているのはともかく、
私の夫は、叔母の連れ合いだった義叔父さんにそっくりだったから、
夫婦して、似たもの同士だったということになる。
他人の空似も、ここまでくると、なんだかおかしい。
*
★わたくしによく似た叔母の連れ合ひはわたしの夫によく似てゐたり
★叔父叔母は恋愛なれど見合ひして結婚したるわれわれと似る
★叔母姪が似るのは不思議なけれども義叔父(おじ)と夫が似てゐる不思議
*
母の妹であった叔母は62歳で、母の弟であった叔父は49歳で亡くなったことを考えれば、
私の母が92歳の長寿だったことは、私にとって幸運なことであったかもしれない。