私の卒業した高校は中高一貫女子高であった。
前身が良妻賢母育成目的の女学校であった名残りで、
毎年秋になると手芸品を中心にしたバザーが開かれた。
それで、
私達生徒は夏休みの間に5点ほどバザーに出す作品を作らなければならなかった。
これが毎年大変で、夏休みの終わりごろに困って母に手伝ってもらったり、
または、これは内緒だが、手芸店で買ってきたりして数を揃えた。
これは中学のときだったが、
出来上がった作品はバザーに出品するとかで、
家庭科の時間に赤ちゃん用のソックスを編んだ。
ふだんあまり編み物をしたりしない私の作品は、さんざんな出来であった。
が、これは全員バザーに出さなければならない決まりだったから、仕方なく出した。
たぶん私のだけ売れ残るだろうと覚悟していたが、
どういうわけか、私のへたくそな作品も売れていた。
お陰で恥ずかしい思いをしなくて済んだが、
しかし、いったい誰が買ってくれたのかと今でも思う。
ひょっとしたら子育て中の卒業生が、
あまりにも下手なので気の毒がって買ってくれたとか?
私も卒業してから一度だけ卒業生として行ったことがある。
当時、短大を卒業して銀行に勤め始めたばかりだったが、
お昼休みを利用して同僚と制服のまま行った。
すると、たまたま高校時代の担任だった女先生がおられて、
とても喜んでくださって、お汁粉をご馳走してくださった。
在校生の中には、母の生け花の先生仲間の娘さんがいて、
ぜったいお世辞だけれど、その人が帰宅してから、そのお母さんに私のことを
「すごく綺麗だったけど、私も高校卒業したら、あんなに綺麗になれるかなあ」
と言っていたと、その生け花の先生が私の母に言ってくれたらしい。
私は、その当時からブスだったけれど、
さすがの私も、花の二十歳だったから、今と比べるとましだったかもしれない。
昨日、同窓生のblog友さんの記事にコメント付けさせてもらってあったら、
コメント返しに、この母校のバザーのことが書かれてあったから、
それにかこつけて、私の数少ない嬉しかった思い出を書かせてもらった。
本当に綺麗な人は、こういうことは言われ馴れていると思うけれど、
私は、めったにない、というより全然ない人なので、
この自慢話をお許しください。
これを書きたくて、今日の記事にした。