かみなり

心臓に人工弁を、耳に補聴器をしている昭和23年生まれの団塊世代です。趣味は短歌です。日々のよしなしごとを綴っていきます。

バザー

2019-09-29 15:25:37 | ブログ記事

私の卒業した高校は中高一貫女子高であった。

前身が良妻賢母育成目的の女学校であった名残りで、

毎年秋になると手芸品を中心にしたバザーが開かれた。

それで、

私達生徒は夏休みの間に5点ほどバザーに出す作品を作らなければならなかった。

これが毎年大変で、夏休みの終わりごろに困って母に手伝ってもらったり、

または、これは内緒だが、手芸店で買ってきたりして数を揃えた。

これは中学のときだったが、

出来上がった作品はバザーに出品するとかで、

家庭科の時間に赤ちゃん用のソックスを編んだ。

ふだんあまり編み物をしたりしない私の作品は、さんざんな出来であった。

が、これは全員バザーに出さなければならない決まりだったから、仕方なく出した。

たぶん私のだけ売れ残るだろうと覚悟していたが、

どういうわけか、私のへたくそな作品も売れていた。

お陰で恥ずかしい思いをしなくて済んだが、

しかし、いったい誰が買ってくれたのかと今でも思う。

ひょっとしたら子育て中の卒業生が、

あまりにも下手なので気の毒がって買ってくれたとか?

私も卒業してから一度だけ卒業生として行ったことがある。

当時、短大を卒業して銀行に勤め始めたばかりだったが、

お昼休みを利用して同僚と制服のまま行った。

すると、たまたま高校時代の担任だった女先生がおられて、

とても喜んでくださって、お汁粉をご馳走してくださった。

在校生の中には、母の生け花の先生仲間の娘さんがいて、

ぜったいお世辞だけれど、その人が帰宅してから、そのお母さんに私のことを

「すごく綺麗だったけど、私も高校卒業したら、あんなに綺麗になれるかなあ」

と言っていたと、その生け花の先生が私の母に言ってくれたらしい。

私は、その当時からブスだったけれど、

さすがの私も、花の二十歳だったから、今と比べるとましだったかもしれない。

昨日、同窓生のblog友さんの記事にコメント付けさせてもらってあったら、

コメント返しに、この母校のバザーのことが書かれてあったから、

それにかこつけて、私の数少ない嬉しかった思い出を書かせてもらった。

本当に綺麗な人は、こういうことは言われ馴れていると思うけれど、

私は、めったにない、というより全然ない人なので、

この自慢話をお許しください。

これを書きたくて、今日の記事にした。