うさぎとかえるの里

鳥獣戯画をこよなく愛する自分の日本文化や日常に関する想いをつづります。

吉野3~吉水神社

2010-03-20 01:28:29 | 旅行・参拝
ひっそりとありました、これも世界遺産です。
ひとっこ一人いません。さすがシーズンオフ。

ちょっと、朽ち果てたような、哀愁ただよう空気。
もともとは役行者の庵室跡だったそうです。

拝観したくても、だぁれもいないので、「呼び鈴を押してください」の張り紙のとおりに押してみると…。

おっと、表から、なにやらとても綺羅綺羅しい神主さんがやてきました。
ちょっとドキドキしてしまいました。



中に入ると、中には録音の解説案内が流れていて、ありがたいです。

桧皮葺、入母屋造りの最古の書院建築だそうで、本当によく残っていてくれた、と感動してしまうほどです。
これは、多分実際に中に入って見ないと、体感できないことだと思います。ぜひ!!

表から見たのでは想像できないほど、中は入り組んで広いのもまた驚きでした。

まずは、源義経と静の潜居の間があります。横には弁慶思案の間も!
都を追われた義経は、吉野で静と別れ、奥州へと落ちてゆくのでした。

本当に、静かで、鳥のさえずりと、下を流れる谷川の音だけしか聞こえません。

そう、入り口側からは気付きませんでしたが、谷の斜面にせり出すように立てられた、高床式だったのです。

窓からは、対面の山の斜面、中千本の桜が美しいそうです。今はまだ冬枯れていますが、まもなくでしょう。

次の間は、後醍醐天皇の玉座の間。

後に豊臣秀吉が、花見の際に修理し、今は桃山時代風の書院になっています。
それにしても、帝の玉座にしては、やっぱりひっそりとして寂しいですね。

こんな歌がありました。

花にねて よしや吉野の吉水の 枕の下に石走る音

本当に、先ほども書いたとおり、鳥の声と川の音しか聞こえません。

そして廊下を進むと、次は美術品の展示。

後醍醐天皇の筆によるもの、義経の鎧、後年の秀吉花見の時のもの。
どれも興味深く、空間を贅沢にも独り占めして、じっくりと拝見させていただきました。

廊下から、お庭を眺めるとこんな感じです。
なんとなく、空気に沈丁花の花の香りがします。



最期は、秀吉が花見の本陣として、数日間滞在したというエピソード。
秀吉って、お花見大好きだったんですねぇ(^^;)
醍醐寺とか、竜安寺にも花見の記録がありますもんね。

悲しい歴史ばかりのここも、このときばかりは華やかだったんでしょうね。

時代を超えて、今も残る吉水神社、忘れられない場所になりました。
多分、また来てしまうと思います。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 吉野2~金峯山寺 | トップ | 吉野4~如意輪寺・後醍醐天皇陵 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

旅行・参拝」カテゴリの最新記事