最新の芥川賞受賞作品である。
会社員特に女子には突き刺さる作品だと思う。
さらに女性の作家だからこその繊細で丁寧な仕上がり。
社内で起こる出来事とプライベートが同時並行し、さらに行動言動と心の中がやはり同時並行で語られる。
しかも三人称と一人称が混在し複雑な構造を持つ。
性別や役職も明確化されていない、大卒高卒出身等も書かれていない。
よって横山秀夫や今野敏作品に慣れた読者は最初戸惑うと思う。本音で言えば彼らで同じ話を読んでみたい気もするけどね。
でも純文学作品にしてはスリリングな展開を見せる。
無邪気な親切の押し売り。
表面上と心の内の葛藤。
読み切ったあと、疲労感がある作品である。