大統領選の選挙戦が終結となった。実業家であるドナルド・トランプ氏である。ヒラリー・クリントントン氏との接戦を勝利したのである。事前の評価は大勢がヒラリー氏を推していたとの報道があったが、選挙人の数ではトランプ氏が僅かの差であったが、数が上回った。いまだ選挙無効のデモが繰り広げられているが、不正が露呈しない以上、いずれは縮小し、正常に戻るであろう。
トランプ氏が優勢であることについては木村太郎氏の事前の調査が、伝えられていたが、まさにその通りとなった。これについては、様々な見方があり、ヒラリー氏の無難な国政運営よりは、米国民は変化を求めたことになった。隠れトランプ票の読み間違いとも言えそうであるが、真相はよくわからない。気持ちはわかるが、政治経験がないに等しい実業家が今後どのような政策を展開するのか、先が読めない時代を迎える。
他国のこととはいえ、日米関係のもろさを露呈したことになるが、就任前に我が国の安倍首相が渡米して、他国に先駆け接触を持ったことは、それなりの意味があったのであろう。米国が提唱した日米自由貿易協定(TPP)が暗礁に乗り上げたことである。
この協定は輸出入にかかわる関税障壁の撤廃を目的にしていて、品目ごとの障壁は時間をかけながら撤廃していくのであるが、品目、特に我が国の農産物にかかわる関税を高く設定しているため、消費者は高い農産物を購入せざるを得ないが、この関税を撤廃できれば、同じ品目の農産物が安い価格で輸入でき、消費者にとっては大変ありがたい措置となる。一方では農家の生産物が売れなくなり、農家の経営が著しい危機に陥る。
つまり、政府が農家から高い価格でコメを買い上げている食管会計は赤字であることの解消が見込まれる。TTPに反対する農家の考えを代弁する農協にとっても存続の危機に陥る。波及効果が高い問題である。
米国の基幹産業であった自動車については、我が国や、韓国、中国、インドなどから価格の安い車が米国に入ることによって、米国の自動車業界は壊滅的な打撃となる。一方、トウモロコシ、大豆、コメ、牛肉などの農産物は輸出拡大が図られることになる。どこかに限界があると思われるが、何らかの措置によって、経済の活性化が図られることは意義があるのであろう。
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