校正を行う場合に用いられる記号があり、執筆者と印刷業者との共通な記号で、日本工業規格(JIS)で決められている。
校正の方法は、素読み校正と引き合わせ校正とがある。素読み校正は原稿を見ないで文章のおかしいところや文字の間違え等明らかな間違いを訂正しながら校正する方法である。
引き合わせ校正は原稿と対照して訂正する方法で、二人で行う読み合わせと一人で行う単独校正とがある。
次に校正の着眼点を列記すると次のとおりである。字組をする活版や平版印刷を行う場合を中心にした。パソコンで起こした原稿は文字変換で候補を間違うことも多い。
1.素読み校正
・字詰めや行数は指定のとおりとなっているか
・章・節の標題、欄外の見出し文字(柱)、ページ付け(ノンブル)などの位置が一定であ り、誤りはないか
・目次の内容とページ数が一致しているか
・奥付に誤りはないか
・新しい行の書き出しは、決めたとおりになっているか
・行の始めに繰り返し符号や区切り符号がきていないか
・一つの数量を表す数字が2行にまたがっていないか
・行間や字間が整っているか
・行のゆがみ、文字の傾きがないか
・図版や表などの位置、大きさが適当か
・線やカットの太さは適当か、鮮明にでているか
2.引き合わせ校正
・字形が似ているための誤りはないか
・伏せ字はないか
・脱字、脱行はないか
・文字や行が前後していないか
・文字、行、文段が重複していないか
・間に合わせの活字を使用していないか
・区切り符号その他の符号の位置、数字及びその単位、桁の取り方などに誤りはないか
(このシリーズ最終回です)