途中に、雌の写真も入れました。
1月28日日経新聞朝刊12版のコラム働きかたNEXTに経営共創基盤CEO冨山和彦氏のインタビュー記事が載っていた。題は「変わる就労観どう向き合う」サブタイトル「大学の大半職業訓練校に」である。問題意識は先日に掲載した新制学校体系の趣旨とほぼ同じ方向を向いている内容である。冨山氏は、カネボウやダイエーなど企業再生を手がけたことで知られている。
若者の就労観の変化は従来型の雇用に対し、大企業から飛び出し、NPOや起業に向かう傾向が強くなっていて、人材育成の抜本改革が必要であること、企業がグローバル化していて人材確保が難しくなっていること。これらに対し、グローバルに戦える人材育成のシステムは、我が国にはなく、大学を、グローバル人材は少なくて良く、グローバル人材を育成するG型と国内の7割を上回るサービス産業で活躍するローカル型(L型)とに分けてL型は職業訓練校に衣替えすることを進めている。
企業の研修制度にも触れているが、その企業だけで通じるスキルを高めても意味はなく、業界全体で研修することを勧めている。L型企業では、共通する専門性が多くあり、業界で横断的に行うことによって、無駄が省けるとしている。我が国の大部分のL型企業では職務や勤務地が限定されているので、大多数の被雇用者はL型で働くことになる。
格差を生むことになり、固定化するのではないかとの質問に対し、同氏はグローバルに活躍する一部の人とローカルで働く人材は上下の関係ではなく、横の関係で全く別個なものとしていた。概要をピックアップすると上記のようであったが、詳細は新聞紙上の原文を見て欲しい。
ところで、厚生労働省系の職業訓練校が、雇用保険受給の失業者を対象に拡がる中、訓練期間が大幅に縮小している。在職者を対象とした向上訓練(能力開発セミナー)と称して、数日の短期の追加訓練が行われているが、費用が必要であり、平日の受講であるため、また、コースは多数に及ぶが、設備や、指導員の指導能力による制限もある。養成訓練の対象者は高卒以上となっていて、短大レベルである。少数精鋭であり、学費もかかるが、技術系の大学や高専など文部系との競合もあり、明確な差異は一般には判りにくい。
公的な組織は、産業の追従型であることは、ニーズがあって成されるので仕方ないことであり、研究開発と異なる点であるが、人材育成の問題は将来どのように社会が変化するかの先見性も必要となる。業界との緊密な情報共有があって始めて展開することが可能となる。
ジョウビタキ♂が居ました。雌の縄張りの近くです。ブッシュが多く、撮りづらかったのですが、何とか撮ることが出来ました。
人質を立てに多額な金銭を要求する凶悪な事件が発生し、世の中を震撼させたが、数日後には二人の日本人拉致者の一人を殺害し、その証拠映像をインターネットに載せ、生存者の声を使って、既に獄中にいる自爆テロを指示したというヨルダンに拘束されているテロ実行犯を釈放せよと人質との交換条件を出してきた。人命を取引材料に使うとは何たることか、戦争状態にある場所での拉致された人間の弱さを知ると共に、卑劣な手段は決して許されるものではない。中東シリアで起きている事件である。イスラム国という過激な組織は、シリア国内でシリアと戦争状態になっている。
中東各国歴訪を途中で止めて帰国した安倍首相の対応について連日報道されているが、我が国をも巻き込む様相は平和の日本にとっては、降りかかった火の粉であり、言語道断、断じて許されない卑劣な行為として糾弾するという強い調子の首相の言であった。拉致された被害者の即時、無条件開放と人命の保護を第一優先とするテロの対応では、毅然たる態度表明であった。一日も早い開放を望むところである。ヨルダンというシリアとの隣国や同盟国への波及は避けられず、当事国となった以上は他国に依存して来た我が国の立場にぶれない対応を余儀なくされている。
中東を巡る対立は今に始まったことではなく、石油を巡る利権、思想の対立、民族対立、宗教宗派間対立等の力関係が、不安定な状況を作っていて、多くの人命が失われ、現在も戦争状態にある。イスラエルとパレスチナの対立は長く続いていて、パレスチナ難民を救済する国連機関(UNRWA)もある。最近顕著になったイスラム国も、宗教対立や民族紛争が契機となっている。今回、ジャーナリストと称する2名の邦人の渡航目的は火中の栗を拾う事ばかりではなく、覚悟の上とはいえ、原因を作ったことは間違いない。軽率な行為であったという資格はないが、人命の重さを考えていれば、異なる行動を選択できたとする論調も多い。未だ係争中の事件であるので、今後の展開を注視している。
自分より2歳年下の後輩が今月15日に他界した。既に退職していたが、癌が死因であった。優秀な人間であったし、人柄も良く、決して癌で他界するようには思えなかったが、人の命のはかなさを、訃報を聞いて思った次第である。健康でいる幸せは、何にもまして喜ばしいことである。健在でいれば不平や不足をことさら言う必要もない。
後輩の死は、同僚の死よりも淋しく感じる。不幸にして、拉致事件に巻き込まれ、生命の危険と比べる必要もないが、癌は己の身体を己が壊す自滅である。早い時期に発見されて、除去すれば死亡する確率も下がるが、若い人ほど短命に終わる例を多く見てきた。人命の重さは確かに重いのであるが、一方、人の命ははかないことも確かなのである。
ゴイサギの幼鳥であるホシゴイがカラスに追われ逃げまどっていました。多摩川では滅多に出会わない光景です。画像が悪い点はご勘弁ください。
9.必須科目と選択制科目
初期段階での必須科目は共通科目であり、一般常識、社会常識、道徳、情報、環境、安全衛生、健康管理等。選択科目は共通科目を履修後に、受講可能とし、選択分野を広げる。
10.視聴覚学習、工場見学の充実
社会の営みと学校教育の場が遊離したことによって、知識偏重の学校教育が進んだ結果が、就職率を低下した原因として捉えると、いかにして社会との接点の機会を増やしていくかが問われることになる。実際の現場を見ることが難しいことも確かで、それに変わる視聴覚教材の活用は大変重要なツールとなる。しかし、ビデオライブラリーをとっても、十分な情報提供が行われ、活用しているとは言い難い面がある。情報検索行わず、ビデオがあることすら知らない教師では満足の行く情報伝達は不可能であろう。多くのメディアを駆使する学習に切り替える必要性を強く感じている。
社会見学、工場見学や、実務実習の経験が、将来の従事する職業を決める機会ともなる。教室に閉じこめ、板書の学習方法の限界については、どの教師も承知しているが、そこから脱皮できない指導法では生徒や学生が、社会での将来発生する自分の役割に目を向けなくなるのは必然である。
11.資格取得
公的資格の取得は目標として大切であることはもちろんであるが、資格取得だけでは実践にどれだけ役に立つかは必ずしも保証できない。資格もレベルと内容によって様々で、民間での流通とのギャップもある。中には安全教育や技能講習など資格が無いと作業が出来ない就業制限もある。資格取得の原則は、資格取得と同レベル以上の実力を付けることを目標とすべきで、資格取得だけを目的としたカリキュラムを設定する必要はない。職種によってどのような資格取得が必要であるかのガイダンスは意味があると考えられる。特に経験年数や職歴が附帯した資格は、就職後に実務経験で発生する場合もあるので注意する必要がある。
未だ、イメージの段階で提示させて頂いたが、現在の学卒就職状況の改善からここに至ったのであるが、全国規模で展開をするには詳細設計や、試行用の具体的な例を示さなければならないことを承知で、この状態を危惧される方への情報提供としてご参考にして頂ければ、幸いである。(このシリーズ最終回です)
7.教科編成指導要領
現職の時に使っていた要領は、ILOモジュール方式、厚生労働省が編集した教科編成指導要領であり、雇用能力開発機構が作成した生涯能力開発体系(システムユニット方式)である。勿論、文部科学省においても学習指導要領があるので、ベースとなるカリキュラムはこれらを参照にすればよいと思う。新たに構築する部分もあるので、専門家集団による開発が期待される。これらの要領は定期的に見直されているので、比較的実状に合致している。管轄省庁による異なる対応がよいとは言えないが、我が国での複線化路線は先人が熟慮の上、選択をせざるを得なかったことによると考えられるが、一本化することが望ましい。しかし、法律や施行令で行われてきた歴史はそれなりに重みがある。この壁を乗り越えることの難しさや難航も予想される。
8.設備基準
最先端の機器設備を保有する必要はないが、コース毎の必要機器は基準に沿って整備する必要がある。我が国では都道府県における企業連合体が生まれる可能性は低い。しかし能力開発施設は都道府県毎に管轄しているので、現在の形はそのままスライドできる。
米国の職業訓練の実施主体は職種別・産業別労働組合が保有する実習場での訓練である。我が国との違いが、企業の従業員は組合から派遣された組合員であるため、企業が主体となって従業員の訓練を行う必要はない。賃金も組合と企業との契約である。横断的な組合による従業員の管理が行われるため、我が国が企業別組合であるところの違いがある。
現在の学制は民間企業との接点がほとんど無いか、無いに等しいため、工場見学すら出来ない状況である。ましてや、数社を在学中に実際に業務に就くことは不可能に近い。企業側も学生や生徒を学業の一環として受け入れる体制もなく、経験もない。ドイツのデュアル訓練は、強制的な制度として学校教育と企業での就業をサンドイッチにした制度である。この制度で実践し、期待された成果を出している。我が国でも短期的な試みとして日本版デュアル訓練を行ってみたことがあったが、成功しているわけではない。しかし、産学連携の考え方は堅持すべきである。
新制度では段階的にこの制度を採り入れてみることが考えられる。大学での実務実習として約1ヶ月の訓練を民間企業に入って現場経験を行ったことがあるが、大変参考になった思い出がある。さらに、企業が保有する機器を学校側が整備する必要が低くなるため、他の分野(演習機器、シミュレーション機器やビデオ教材等)の充実に予算を振り分けることができる。(次回へ続きます)
4.企業内教育の義務づけ
企業は採用した雇用者に段階的な教育訓練の機会を与え、場を提供し、賃金も支払うべきである。現在まで続いた就職戦線は明らかに企業の良い所取りであり、大学まで各世帯が負担した学費に見合う教育費を投入すべきである。奨学金返金についても採用時点で企業が肩代わりすべきと思われる。企業内教育訓練は採算が合わないとされ、景気や企業の減益で簡単に撤退する企業の姿はどう考えても不誠実極まりなく、使用期間中に解雇を容易にしてきた理由の一つでもある。このことが続いてきたことは明らかに異常事態である。
経済的なルールが通用しない事態は我が国の就職状況といえよう。そもそも企業が公共職業安定所からの無償の紹介人材の受け口になっているのは、新卒採用を当たり前としていることが不自然であり、企業の都合に他ならない。就職試験に名を借りて、企業は無料でヘッドハンティングする時代ではない。少子化になれば労働市場の逆転は避けられない。
企業に対する雇用保険から出される各種補助金などの優遇制度の見直しも早急に行わなければならない。現在の雇用保険制度は労使折半であるが、労働災害保険と同様に、使用者が100%を持つ制度変更の検討も行われることが望ましい。この件は十分検討することが必要である。雇用保険金の徴収が在職期間中の天引きで、税金の様相を呈している。
退職後の厚生年金支給までの間の保証とすべきで、使用者側が折半すること自体が問題とする向きもあり、自己都合による退職で雇用保険支払額に差があることで、調整はしているものの、退職理由による保険金額(保険給付期間の差)の差も納得性に欠けるとする意見もある。
5.予算・学費
私立を除く学費は原則国庫負担(私的に使用する教材等は個人負担、利益者負担は原則である)とすべきで、有料の高校・大学の段階的に無償化にする方向での検討が待たれる。
現在の学校関係は私立を除く義務教育期間は無料、高校・大学は公立も有料である。公立高校の無料化の動きはあるが、実現していない。一方、奨学金受給者の返還免除範囲の拡大等の充実、一時金の支給は貧困世帯の救済に繋がり、就職後の企業の負担で相殺する便法も可能である。
6.入学試験の廃止
高校入学には身体検査、知能検査、適性検査などの発育状況を見れば済むことで、身体や精神障害を見るに止め、個人にあった教育能力開発の付与を前提とすべきである。単なる回答が1つの記憶力試験によって門戸を閉ざす必要はない。提案する新制度は義務教育終了後を対象とし、集団教育ではないため、個人の希望を満たす必要があるからで、プランナーによる個別カリキュラム作成を新たに導入する。原則は随時入校随時修了である。
一斉に教育年数を定めるのではなく、変わるところは生涯設計をこの段階で導入することである。従って高校入試や大学入試は意味を成さなくなり、公的証明が必要ならばジョブカードのような履修一覧が適している。細分化した履修後の目標達成度は個人評価と指導者の評価で進捗を管理する。(次回へ続きます)
特徴
個別学習方式、マンツーマン
少人数グループ学習方式は可能
集合教育での聴講は共通学科、講演、見学、放映等においてのみ導入する。
一貫した学習体系とし、定期的な目標に対する達成度を各分野別に計測し、評価と併せてプランを修正する。
企画・分析調査者(プランナー)の育成
知的能力・身体的能力の定期的測定
2.施設の工夫
円形に配置した指導者毎の専門施設へ受講者が教育プランに従い、分散する形態が望ましい。病院を例に取れば、総合病院へ行って病状毎に診察を受けるに似ている。必要ならば、講義室と実習室を兼ね備える。企業でいうジョブローテーションを組み込むことがポイントで、多くの職種経験を行うことが、応用力を付けことに繋がる。早い段階からの専門性付与は特殊能力の醸成には合うが、企業人としての能力付与には不適当である。総ての職域をカバーすることは出来ないため、系別とならざるを得ないが、単科学部制はもはや限界である。選択は地域の産業構造によるであろう。
3.公共部門と民営化部門
教育を産業とする門戸は徐々に広げるべきで、何時までも教育者として公務員が当たる必要はないし、民間へ開放すべきと思う。就職率・定着率で学校間の競争をさせても良い。
既に大学・高校は民営化が進んでいるし、現在でも規制はあるが、一貫教育を私学で行えるため、この規制の撤廃を行うべきである。
公共が携わる分野は総合調整で、基準作りであり、問題解決となろう。主として予算獲得、予算執行で、採算性が合わない過疎地、障害者施設や特殊分野に限り行うこととすべきである。(次回へ続きます)
1.新制度枠組みの内容
教育目標 社会人となること
企業人となること
自活できること
家庭生活を営めること
指導者の資質
社会人としての経験
企業人としての経験
教育従事経験(新卒は対象外)
情報社会での業務経験
海外事業経験者
ステークホルダー(企業、起業家、法律家・学者・行政・企画立案・評価者)
知識は体系的且つ段階的に教えるのではなく、職種・職域毎の範囲で必要な知識を、実習を通じて教える実学融合化を実践する。必要ない、関連しない知識は教えない。
対象者
当面、義務教育修了者で、現行の高等学校、大学の7年間を対象としたい。
職種・職域設定
境界線領域を新たに調査する。
従事者からの情報収集
必要となる知識、技術、技能の明確化
基礎能力、応用能力、創造性、創意工夫
共通分野の設定
ヒューマンスキル
テクニカルスキル
コンセプチュアルスキル (次回へ続きます)