体の大きさの割に高らかに囀りながら飛ぶセッカです。今回は草原にとまりました。口にくわえているのは生まれた雛の糞だそうです。
夜見るとき、遠くから見るとき、笠に隠れた顔の一部をのぞいて見るときは、はっきり見えないので実際より美しく見えるものである。多く、女性にいう。と辞書にはあるが、現代に通じるわけではなく、古い時代に言われた表現であるが、ふとしたことで、思い出した表現である。実は、近所で親しくしている女性からワイフが日傘をもらい、自分には似合わないといったときに、頭に浮かんだ常套句であった。筆者から暗にワイフに語った意味は、今更返品するでもなければ、受け取っておきなさい。昔から、美人に対するほめたたえる言葉で、傘は、より別嬪に見せる道具でもあるから??であったからである。
夜目は、夜暗いところで見ることで、暗がりで見る、遠くから見た女性や、被り物を被った女性の容姿は、実際よりもきれいに見えるとのことで、輪郭が茫洋とされ、または、背景によっては、輪郭だけが強調されて、オタク的であるが、男の想像を掻き立てる。写真撮影でも、夕間詰め、景色が変わり、輪郭がはっきりと見える瞬間があり、このときの画像が何とも言えず、美しく感じる。
また、粋でもないが、気になる仕草に、「目病み女に風邪ひき男」なども、よく耳にした言い回しである。こちらの方は、今でいう近眼の女性は、物を見る際に、瞼を開いたり薄目にしたりする所作に通常とは異なる女性の色気を興味深く感じたのかもしれない。今でいう眼病ではなく、近眼や遠視を目病みといったのであろう。コンタクトが一般的な今の時代には考えの及ばない世界であったのであろうか。最近では、伊達メガネをかける女性大臣もいた。風邪ひき男は、ひ弱で、咳をする際に、かがんで、握った手を口に当て、空咳をする姿が、女性にとっては介抱してあげたいという、母親心(母性本能)をくすぐるのであろうか。
晴天でも日傘をさす女性ばかりではなく、男性もそのような行動をとるとのこと。皮膚がんにかからぬように、直射日光を避け、皮膚にはよいのかもしれない。マスクを付けるのが日常になった今、大きな黒色の帽子をかぶり、サングラスに黒のマスク、まるで誰かに顔を見られるのを拒んでいるようで、異空間にいるようで、気色が悪い。風貌は時代を映す鏡といわれるが、度を超す風貌は、社会に溶け込めぬ違和感を覚えるのは自分一人ではないであろう。
マスク美人はマスクで隠れた箇所を想像で思うのは良いが、あまりにも日常化すると、対人関係や、礼儀とどこまで共存できるのか試練でもある。マスクを付けない状態が好ましいことは間違いない。隠すことと防ぐことのTPOが求められているのかもしれない。
先般の洪水で荒れた多摩川河川敷ですが、ようやく葦が伸び始め、雑草とともに緑が多くなりました。セッカも鳴くようになりました。
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時期的には五月の初旬から中旬にかけて開花する。白い小花をつける落葉低木で、日本中どこでも見られる植物のようであるが、木材としての利用は爪楊枝ぐらいで、多くないため、広く知られていない。今回は、ワイフが多摩川で撮影したスマホ写真を見せられ、木の名称を尋ねられた。筆者は知る由もなく、インターネットで検索してようやくたどり着いたのは、イボタの木(モクセイ科)とその開花した小花であった。この木には、カイガラムシが寄生し、ロウを出す。このカイガラムシは、カメムシ目カタカイガラムシ科イボタムシが正式名称で、通常、イボタ蝋(ろう)ムシと呼ばれている。イボタ蝋ムシはイボタガの幼虫で、オスが分泌したものがロウである。現在では、わが国でのこの虫からのロウ採取はないようで、製品化されたロウのほとんどは中国産である。価格は他のロウに比べ高めである。
イボタの木の漢字名は「水蝋(いぼた)の木」と書き、古くは、木材の磨きに使ったイボタロウは墨筆になじみやすく、にじみやはじかないため、他の蝋(蜜蝋、ハゼろう等)やワックスとは異なる特徴を持つ。実際の用途は、桐ダンスや桐で製作された木工品の艶出しに使われていた。また、ふすまや障子と敷居との摩擦を滑らかにし、つまり、滑りやすくするために用いられた。
効き目は定かでないが、干した昆虫を疳(かん)や肺結核の薬として煎じて飲むことも行われていたようである。また、ロウソクの代用として用いられたとの記録もある。天然の素材なので、丸薬の艶出しにもこのロウが用いられていた。
イボタの木に寄生したイボタ蝋ムシのオスが分泌したものを木から剥がし取り、容器に水を沸かし、ロウ分を溶かす。水面に浮かんだロウ分を型に流し込んで常温まで冷やし、結晶化させる。沈殿したものもフィルターにかけて不純物と分離させ、前述と同様に熱でロウ分を溶かす。
記憶違いかもしれないが、古くは漆工製品の仕上げの磨きにイボタロウを使っていたとのことであったが、現在では、植物油と砥の粉を混ぜたコンパウンドが粒子の大きさによって各種製品化されている。ワックスにおいても、シリコーン系や、水溶性のものまで各種あるので、高価なイボタロウを使うことはほとんどないと思える。
不思議に思うことの一つに、ロウの漢字は虫偏が使われているのは、古い時代からそうであれば、産業に寄与していたと思われるイボタ蝋ムシはロウソクや磨き材料でもあり、工芸品等に貢献していたのであろう。また、鋳造に使われるロウ鋳型は、多分蜜ロウかイボタロウを使ったのであろうか。古き世界に思いを馳せ、一匹の虫が誘う不思議が見え隠れするのもよいものである。
新緑のこの時期、若葉が虫にとっては食料になり、住みかとなるのでしょうが、植物を栽培している園芸家諸氏にとっては、防虫、殺虫等の防疫の時期です。農家ではないので、にわか知識で申し訳ありませんが、目についた害虫は梅の木にはアブラムシ、サヤエンドウにはヨトウムシ、椿や山茶花にはチャドクガ等が卵から孵化した幼虫を見つけることができます。これから梅雨の時期には、さらに多くの害虫が発生し、一夜にして、せっかく植えた野菜類や草花が見事に穴だらけになってしまうこともあります。
チャドクガは露出した肌に触れただけで、一面に赤くかぶれ、腫れあがることもあり、大いに難儀します。薄着のこの時期、服についた幼虫には注意する必要があります。かぶれが治まるのに一週間以上もかかり、原因がわからず、皮膚科で受診して初めてわかることもあります。季節が良いことで、野山に散策へ行ったり、自宅の庭の手入れで知らずに触れたりすることもあるので、注意する必要があります。毛が皮膚に刺さるともいわれ、かぶれた箇所をかきむしると毒が拡散し、かぶれを広範囲に広げてしまいます。
幼虫は全身毛でおおわれていて、この毛が毒を持っているようです。チャドクガというガの幼虫です。椿や山茶花の葉につきますが、数十匹の幼虫が、集団で移動しながら次から次へ葉を食していきます。途中で脱皮を繰り返し、大きくなっていきます。葉の上に細かい糞があり、脱皮した殻を散見することもあります。防疫にはマラソンかスミチオンの原液を1000倍ぐらいに水で薄め、プラスチックのスプレー容器に入れて噴霧すればよいと思います。
ヨトウムシは厄介な害虫で、日中は地表部分に隠れていて、名前の通り、夜になって野菜等の植物を食い荒らします。ヨトウガの幼虫です。夜間に懐中電灯で照らすと発見できることがあります。何回か定期的に防疫を行うと良いでしょう。
ついでに、今からの時期、カエデやツツジの枝に大豆代の茶色の殻に包まれたイラガの幼虫が、誕生します。地域によって名前が異なりますが、電気虫、シドムシ、キントキなどと呼ばれる幼虫です。刺されると激しい痛みを覚えます。子供のころに刺された記憶があり、アマノジャク(天邪鬼;仁王像の足元に踏みつけられている小さな悪鬼)と呼んでいたのを記憶しています。それこそ電気が走るような痛みでした。
薫風薫る五月といわれますが、コロナ以外にも害虫に刺されないように気を配ることも大切です。