引き続きカワラヒワです。
つまり消費者ニーズを如何に製品に組み込むかは、絶え間ない研究と開発によるところが大きい。新製品を誕生させても、後発企業の類似製品に凌駕されてしまえば、人力を投入し、資金を出しても何故の開発であったのか、トンビに油揚げをさらわれてしまう心境になってしまう。
そこで現状分析を行い、将来性を予測し、戦略を作り、取りかかるビジネスツールとしてSWOT分析がある。いろんな方面に使われていて開発課題に係わる、組織、グループ、個人別に洗い出しを行ってそれらの関係を分析する。SWOT分析は主として、組織の分析に利用される。強み(Strength)、弱み(Weakness)、発展のチャンス(Opportunity)、組織への脅威(Threat)の頭文字を繋げて、スウォット、またはエス・ダブリュ・オー・ティ分析と呼んでいる。
ある開発課題をイメージして、戦略を立てる場合を考える。通常機会と脅威を外部要因とし、強みと弱みを内部要因とそれぞれをクロスさせることで、より詳細な戦略を作成できる。これをクロスSWOTと呼んでいる。マトリックスの表を作ることから始める。
外部要因の機会と脅威のそれぞれの要因を記述する。次ぎに内部要因の強みと弱みのそれぞれの要因を記述する。外部要因を横軸に、内部要因を縦軸に置くと外部要因機会と内部要因強みをクロスさせると、積極的な攻勢戦略が得られる。外部要因機会と弱みをクロスさせると段階的な実施が可能となる。外部要因脅威と強みをクロスさせると、差別化戦略が得られ、外部要因脅威と弱みをクロスさせると、専守防衛で、協調戦略が得られる。(次回へ続きます)
現在置かれている状況の把握が、大変重要な要素であることは間違いないであろう。過去に拘る方法や、現状維持をモットーとする事業主が多いのも事実であり、それはそれで信念を曲げないことを貫き通すことのメリットもある。特に製法などの味覚や形状、伝統技法等は既に完成されているため、敢えて改善をするまでもないであろう。そこの味や、伝統工芸など、一定の顧客からの信頼と需要があり、他者では不可能な製法を持つため、むしろ変更を大きくすると返って競争相手に負けることもあり得る。
しかしながら、企業の存廃の原因を観ると30年周期という説がある。30年も続けばそれで良しとする考えもあるが、企業として従業員を抱え、負債が徐々に増していき、将来性が危ぶまれるよりも、企業利益が現状維持か右肩上がりとなるに越したことはない。
継続するためには新製品の開発や研究を継続していくことで、新たな販路の開拓にもなるし、企業業績を上げることに繋がる。
自分が所属していた組織は事業仕分けの対象となって、開設後三十数年経た時点で改廃の憂き目にあったが、幸い組織の名称を変え、大幅な組織改革を実施し、形の上では身軽になり、継続しているが、公的な組織ですら、第三セクターへ身売りし、民間で実施可能な部分は民間へ移行する等の効率性を求められる時代である。
消費者の立場から考えると、時代にあったデザインや機能性を求め、価格も手頃になれば消費動向が変わる。例えばパソコンがタブレット形になり、インターネットをどこでも使えるようになったことで大幅な変革を余儀なくされている。機能性が高まり、データの蓄積量も増え、価格が安くなり、操作性も良くなれば、需要を喚起できる。(次回へ続きます)
文化人類学者であった東工大教授の川喜多二郎氏が考案した手法で、創造性開発のためのツールとなっている。その概略は創造的なアイディアを引き出すブレーンストーミングを利用した発想法で、進行役から提案されたテーマは漠然としたものが多かった。特徴であるのは全員参加型で、グループ別に分けても良いが、裏にのりが付いたカード(ペーパー)にアイディアを一件ずつ記入して白板等へ張り付けていく。それらのカードを代表する用語で大きな括りを作り、いくつかのカテゴリーに分類する。同様な内容は整理し、発言者に意図を尋ね、同様であれば一本化し、異なればそれぞれ独立させる。アイディアを図解することによって、何らかの問題解決案へ誘導する。
KJ法を利用して、研修に参加したのは研究所へ異動となった2年目であった。研究所に勤務していた研究員の横の連絡が悪く、誰がどのような研究をしているのかが判らず、所長の企画で、八王子大学セミナーハウスを使って1泊2日で研修会があった。研修テーマは「これからの研究活動について」であったと思う。このときは基礎研究員と応用研究員とに分かれて、渡されたカードに個々の研究員が問題となっていることについて、記入することが要求された。結果を翌日発表するときに所長が使った手法がKJ法であった。
参加した人数は20名ぐらいであり、同じ研修室で黒板にアイディアを書き入れる方法であった。アイディアの括りは予算に関すること、研究テーマに関すること、研究期間、行政研究や他機関との関係等様々な分野に及び、考え方のすれ違いが多く、制約された時間内では、纏まった結論を出すまでには至らなかったが、研究所が抱える問題点が浮き彫りになった。組織の運営上の違いが明らかになり、所長も研究員の一人であり、ピラミッド組織ではないことがよく分かった研修会であった。つまり、所長の意図は、研究所内では肩書きを外した(同じ土俵にいる文鎮形組織)研究員相互の情報交換の必要性を強調したかったようである。(このシリーズ最終回です)
物事を判断し、良い方向へ持っていこうと誰しも考えるのであるが、どのようなツールを使っているのかよく分からない部分が多い。自分もいろいろな方法を経験したが、どうも自分にあった方法はこれが最適であったと断言できないでいる。病もそうであるように、医師から処方された薬で万能薬がないのとよく似ている。全てのケースで使えるツールがあればよいのであるが、問題解決は簡単ではない。
職業人といえば与えられた業務を的確にこなしていくことも大切であるが、時に問題が山積し、何から手を付けて良いかが判らなくなるときがある。問題は火種が小さい内に解決すべきなのであるが、複雑化してくると解決の糸口を見つけ出すのにも苦労をする。トラブルシューティング、問題解決能力といっているが、これが出来るようになれば一人前といえる。
電気器具なども使い続けていると、次第に所期の稼働状態が再現出来なくなり、使えなくなる。故障診断ができれば、断線か、過電流が流れ、ヒューズが飛んだか、部品の劣化か、潤滑不良か等の故障となりやすい原因を捜す。故障箇所が判ると、症状に応じて部品の交換(駆動に用いた部品の交換、ショートによるヒューズの交換等)、断線の修理、機械部分の潤滑剤の補給等の処置を行い。テスターにより、規定の電圧、電流、抵抗をチェックし、修理を終える。故障修理はベテランになるほど、短時間で故障診断が出来、最適な修理が出来る人材でもある。
目に見える物であっても故障修理は熟練を要する作業といえるが、目に見えない企画や、顧客を増やす、工程の改善、費用を低減化し、効率を高める、少ない人数で最大の生産性を上げる、消耗品を出来るだけ少なくし、機械化やオート明ション化する等、簡単には結論が出ないことの方が日常茶飯事であろう。現状を分析する方法はいくつかあるが、まずは多くの研修でなじみ深いKJ法についてその経験を取り上げた。(次回へ続きます)
3月の3・4日調布市の深大寺でだるま祭りが行われた。毎年の恒例行事で、三大だるま祭りの一つである。深大寺は天台宗の名刹で、別格本山浄岳山昌楽院深大寺である。隣接する都立神代植物園があり、広大な敷地に大木が多く、良く整備された緑地帯にある。銘水に恵まれ、深大寺蕎麦が有名である。月に1~2回は植物園に出向き、昼食は参道に林立する好みの蕎麦屋ののれんをくぐる。
土産物店では年中だるまを売っている。赤い衣を纏ったようなだるまや、最近では白色の大小だるまが売られているが、特に願をかけることもないので買い求めることはないが、選挙時には必勝祈願で登場することもあり、候補者には人気が高いようである。
実際に見たことはないが、深大寺のだるまは白色の眼に願い事があれば毛筆で、左目に「阿」、右目に「吽」入れるそうである。「阿吽」(あうん)といえば、仁王像で口を開いた「阿」形像と口を閉じた「吽」形像があるが、また「「阿吽」の呼吸」(力士が相撲の立ち会いで呼吸が合い、気合いが入る一瞬をいう)などの言葉もある。辞書によれば、「阿」は万物の始まりを、「吽」は万物の終わりを言う。
だるまが何故にこのような眼入れを行うのであろうか?上述したように万物の初めと終わりの仁王様や狛犬がそうであっても願掛け儀式に用いられることの意味がよく分からない。実際のだるまには深大寺のような「阿吽」の行為を外見で知ることは出来ないのに、必勝などと書いただるまに眼を入れる行為は不思議な慣習でもある。だるまは漢字では「達磨」高僧の名前でダーマと呼んでいたものが中国を経て我が国へ伝来した禅宗の開祖といわれている。
達磨大師はインドで生誕し、インドから中国へ渡海して洛陽郊外の少林寺で面壁を行い、9年間座禅を行いその間に手足を失ったと言われている。面壁は座禅の極意とも言われ、「壁となって物を観る」とか「壁のように動じない境地で真理を観る禅」のことである。
達磨さん転んだと口で唱えて遊ぶ鬼ごっこ、円柱を輪切りにして木槌で中抜けさせる達磨倒し、高僧が庶民の遊びの世界に入っていることの不自然さを感じている。自分の家は因みに禅宗の曹洞宗である。
近所の霊園に墓掃除に行ってきた。3月21日は春分である。春分と9月の秋分は、太陽が真東から昇り、真西に沈む日である。この日を中日として前後3日間は六波羅密と仏教ではいっている。自らは仏教徒ではあるが、多くの日本人と同じように決して熱心な信徒ではない。この一週間は寺院では彼岸会が催される。彼岸の中日は先祖に対して感謝し、他の日は悟りの境地に達するための修行を行う。
六波羅蜜とは布施(分け与えること)、持戒(戒律を守ること)、忍辱(堪え忍ぶこと)、精進(努力すること)、禅定(雑念を捨て心を安定にすること)、智慧(般若、知と慧)をいっており、この六日間に一日ごとに行う。最後の智慧は前五日間の総大成で般若波羅密という。つまり般若波羅密を達成するために前の5つの波羅密を行うということである。
波羅密(ハラミータ)とは「至彼岸」と訳され、言語はサンスクリット語から来ている。現世を(此岸)を迷いの世界とし、その対岸にある悟りの世界を彼岸として、そこに至った解脱を意味しているようである。
何故にこの春分・秋分と仏教行事とが結びついたのかは定かではないが、原始的な宗教との繋がりがあり、太陽信仰で、一年間の内で昼と夜の時間が同じであることに何らかの意味があり、結びついたのでは無かろうか、真西は西方浄土(極楽)がある場所で、人間界は混沌としていて、煩悩やさまざまな出来事があり、この世界の向こう側(彼岸)に、心の平穏を望む理想社会を見いだしたと考えられたと思う。機会があれば直接僧侶から聞いてみたい気がする。
墓地の管理では随分と整備され、道路ばかりでなく、桜の老木が伐採され、きれいになっていた。手入れをしないと半世紀を経た桜も朽ちるのであろうか、昔家族で墓参りに併せて桜見物をしたこともあった。最近では雑草の生え方が激しいようで、数年前から草取りをした後に食塩を撒くことにしている。お清めではないが、数年続けると雑草が生えなくなる。年を取ってくると墓掃除も辛くなるからである。
職業訓練指導員支援システムは基盤整備センターが発足当初から継承してきた職業訓練情報に関する情報データベースで、全国の公共・民間訓練施設で活躍している指導員を支援する目的で開設されている。基盤整備センターとは職業能力開発に関する高度化・多様化に対応した訓練コース、訓練技法、教材等の開発及び調査・研究を体系的に行い、これにより蓄積された成果を研究史や報告書等にとりまとめると共に、研究発表会等を開催して普及させること及び各種職業能力開発に関する情報を電子情報として公開し、発信している。
テトラスのアクセス件数のデータは古いが、平成18年4月から平成19年3月までの1年間で1,295万件のアクセスがあった。
ホームページの構成は教材作成支援情報、カリキュラム・モデル情報検索、刊行物検索、専門雑誌バックナンバー検索、教科書使用状況検索等があり、逐次更新されている。使い道の一つとして、たとえば、民間企業等で業務上必要な後継者育成にも大いに活用されているとのことであるが、技術・技能・知識をそう簡単には継承できるものではないが、見本となるマニュアルが存在していれば、それをベースに自社用のマニュアルを作成することはさほど難しいことではない。このデータベースは殆どの職域をレベルごとに必要とされる教材をデータ化していて、容易に無償でダウンロードすることが可能となっている。
情報のやりとりについては当時と異なっている部分もあろうが、詳細をご覧頂、ご不明な点があれば担当窓口に相談されたい。(このシリーズ最終回です)