人は、考える葦である。天は自ら助けるものを助ける。

戦後の混乱から立ち上がり、文化的平和な国に成長した日本が、近頃反対の方向を向き始めた。偉人の言葉を考え直して見たい。

京の旅ー追想

2018-06-23 21:22:44 | 旅行
 8月4日ー1

  3日目は、老師様のお取り計らいで春光院様が、ご自分の塔頭を案内するために迎えに来て下 さいました。初め織田信長、武田信玄のお墓のあるお寺と石庭を見せて頂き、そのあとご自分の
 春光院へ行きました。春光院には、スペインの鐘(キリスト教の迫害に関係ある)や国宝の中国 の襖絵、いわれのある茶室等貴重なものが沢山ありました。ご説明を伺いながら、春光院は、こ れら国宝級の財産を管理するお寺なのだろうか、普通のお寺の葬式、法事などする檀家はいるの だろうかという疑問が湧いてきました。いやそもそもこの妙心寺は、京都の街の1つの一画を占 めており、この中に40余の寺院を包括しているように感じました。北は一条通りから南は下立
 売通りまで、観覧可能な寺と境内を見て回るのに3時間は必要なそうです。そしてこのようなお 寺の集洛が、妙心寺派の他にも各宗派毎に夫々街の一画を占めているということです。街が寺の
 たたずまいと言っても過言ではないのでしょう。
  会館に戻り道順を教えられ京都御所へ向かいました。それでも途中道行く人に聞きながら正面 の入口に着きました。駐車場で案内されたように歩いて行くと、又入口があって警官詰所があり
 警官が2,3人ものものしい感じで警護していました。警官に許可証を見せて11時指定の2, 3分前に入ることができました。11時に一人の説明案内人がついてくれました。外国人も多く
 この人達も前もって申し込むのだろうか、優先的なのかと思いました。車寄せ、新車寄せなど古 い名がついています。門も同じような作りでも少しづつ特徴のある宜秋門、建礼門、建春門があ
 りました。紫宸殿は、さすがに御所のシンボルとでもいった堂々とした風格がありました。
御池庭は、日本庭園の最たるものともいえる位の美しさでした。こんもりとした木々が水の面に
 映え、両端に橋がありました。玉石を歩いて行くと美しい鯉の群れが近づき風情をいや増してく れました。そのあと御学問所、清涼殿、御常御殿などを外から見てまわりました。これで終わり かと時計を見たら50分程しかたっていませんでした。でも次の団体さんがもう後ろに来ていた のには、びっくりしました。
  京都は、有名な寺でもそこまで行くのに迷うほど道や周りの様子がさりげなく、通行人も特に
 そこを目指しているわけではないので、目の前に着くまで果たしてこの道で良いのかと心もとな い思いです。ところがいざ目指す場所に着いてみると、どこから、いつのまに、これだけの人が 集まったのかと思うほど大勢の観光客で賑わっているのです。おまけに中国や東南アジアからと
 思われる外国人もかなり多いのです。
  銀閣寺は、静かな佇まいでひっそりとしています。銀沙灘、月見台、銀閣と一望できて客の流 れも派手ではありません。古建築の重さを感じさせ、心の落ち着きを得ることが出来ます。平安 神宮には、車の祈祷をして貰えるかどうか行ってみました。受付で、すぐしますと言われて通行 止めを開け、中に招じ入れて頂きました。ところが雨が降り出したので、更に本殿前まで車を入 れることが出来ました。
  長い廊下を通り、おそるおそる本殿前に行きました。ややすると神主さんが現れ、祭壇前に側 面に並ばせられました。祈祷が始まってまもなくすごい音がするのでふと外を見ると、スコール のような雨が神社の玉石をたたきつけていました。神主さんの拝礼と共に頭を上下していたので 気がつきませんでしたが、この俄か雨で大極殿に雨宿りしていた参拝客が、ずらりと並んでこち らの祈祷を見物していたのでした。祈祷の後、神主さんは雨にも拘わらずドア1つ1つ開けてお 祓いをして下さいました。
  帰り道、夫に「ずい分丁寧な祈祷だったね」と言ったら、祈祷料は3000円だけど、細かいのが なくて1万円出したら、そのまま記帳されたそうでした。何台もまとめてするのではない平安神社 ならではの相場だったのかも知れません。残念ながら、車に着ける神社名の入ったステッカーは なく、装着する希望は叶いませんでした。