人は、考える葦である。天は自ら助けるものを助ける。

戦後の混乱から立ち上がり、文化的平和な国に成長した日本が、近頃反対の方向を向き始めた。偉人の言葉を考え直して見たい。

人は考える葦である  第6章   自然の脅威に

2019-10-13 21:28:34 | 随筆
 今日の、一点の曇りもない青空をトンボが飛ぶ光景を、恨めしく思うのは私だけではないと思います。何日も前から超特大の台風の予報がなされていましたが、津波に匹敵するような被害が各地で発生しました。一つの町が田んぼのように水中に沈んでしまうという異様な風景が、日本国民を驚かせました。普段当たり前に使っている道路が寸断され、人の足を奪ってしまいました。被害地の皆さまが、一晩で人間の尊厳を奪われる不自由さに見舞われたことを残念に思います。堤防決壊などというのは、一昔前の堤防の弱い時代の出来ごとと考えるほど最近は少なくなっていたと思います。それが、赤道の遠いところから発生した台風が日本列島に襲来し、想像のできない被害をもたらしました。

 報道によれば、地球温暖化のため大型化していることと、日本の上空も温暖化の影響でそれを増大することになったというのです。時は何日か前、地球温暖化の国際会議があり、炭酸ガスの減少を各国が賛成しているにもかかわらず、先進国のわずかな国が賛成しなかったということに課題を残したと言われています。今回の被害の大きさは、すでに地球の大きな異常が気候を激変させたのではないでしょうか。今まで異常気象と言われていたことが普通に起き、更に大きな異常気象が起きる可能性があるのではないかと懸念している段階ではないでしょうか。国際会議は特に自国の利害関係から離れ、地球規模で討論するべきとの考えがあります。しかし、代表の中には、自国の経済発展のため、国民のことを優先にする人もいます。会議に出ない沢山の後進国、未開発国の民族や国民は、この温暖化の被害を受けているのです。

 最近は、トップ会談や先進国首脳会議などで国際関係を改善しようと言う意図は感じられますが、その結果は必ずしも予想通りの良い関係が続いているとは限りません。民間交流が盛んに行われているのに国対国となると難しいことばかりです。

 さて、今度の災害は超強烈な台風の大きな被害により、被害額はどんなに大きなものになるか想像もつきません。しかし、被害に遭われた方々の喪失感や被害意識は想像に余りあるものと推察できます。その気持ちを少しでも和らげ、未来に希望を持って頂けるほど復興に力を出して頂きたいと願います。誰でもが、病や怪我、事故などで絶望に陥ることはあるのです。しかし、この大きな天災、災害に対しては、限りない苦しみや労苦が伴います。誰もが行って援助してあげることはできませんが、国民が負担している税金をこういう時に有効に使って頂きたいと思います。法律家は、天秤のバッチを付けていらっしゃいます。それは、人は皆平等であるということを表しています。こんな大きな不幸を背負わされた被害者の方々が、早く正常な生活に戻れるように、最善の援助を使って頂きたいと願っています。