風箱の徒然ブログ

旅の思い出話から、木工、日常の徒然を気ままに

独走に入る

2007-05-15 11:33:37 | 1996~97原付日本一周
1996年6月28日

水戸の友人宅に2日ほど世話になった。
ユーモアを忘れない中にもまじめな好人物の彼とは、思い出話や、自分のこれからのこと、共通の趣味のカメラや写真の事、仕事の悩みなど、色々話し合った。

朝10:00頃、友人と別れる。

これからが本当の一人旅の始まり。
余程の事がない限り、あらゆる事は全て自分で対処しなければならない。
これこそが自分の望むところだった。

1日目の雨で、カメラのウエストバッグのレインカバーは著しい性能不足が認められたので、友人宅に居るときに、近くのスーパーで防水スプレーを買い、ガンガンに吹きまくった。
でも、これではだめだろうな・・・

さて、ひたすら国道6号線を走った。
宿泊予定にしていた、テント場のある福島県の平(たいら)ユースホステルに行ったら、工事中・・・

仕方ないので近くの民宿に泊まった。
宿ではなんだか頭がモヤモヤしていた。

荷物のパッキングがいまいち良くない。
たった94kmしか走っていないのに、えらく疲れたなと感じる。

雨対策と言い、未熟さが露呈する。何か手を打たねば・・・
布団にもぐったら、いつの間にか眠っていた。

日本一周決行そして出発

2007-05-14 11:38:06 | 1996~97原付日本一周
1996年6月26日

朝から雨がザーザー降りで出発を延ばそうかとも思った。rain

しかし、荷造りはしてしまったし、家族に悟られたくなかったので、もう待てん!!とばかりに雨具に身を包み、出発することにした。

一刻も早く家を出たかった。
この日、家には妹がいた。
妹にはそれとなく決意を明かしていたので、驚きはしなかったが、しかし少し信じられない、という様子でもあった。

「なんだか宇宙飛行士みたいだね。」

確かに、ヘルメットをかぶって、腹には大きいカメラバッグ、背中にはリュックを身につけた上に雨具の姿。
妹には宇宙飛行士のように見えたのだろう(笑)

いよいよ出発だ。
それにしても出発初日が雨とは、お天道様は決して快く迎えてはくれてないな、と感じつつベンリイ号のエンジンをかける。
11:45。アイドリングの後、ついに家を離れる。

「フン、あばよ。しばらく帰ってくるまい。」

これが当時の自分の精一杯の反抗だった。

雨の中の走行は快適とは程遠い。
この日は茨城の水戸で一人暮らしをしていた友人宅に泊めてもらう予定だ。

まずは東京を抜けなくてはならない。
初めて通ったので、道がゴチャゴチャしていて、おまけに警察はウヨウヨいるし、気が気でない。
別に疚しいことをしたわけではないが、なんだか落ち着かない。

地図は見ているのだが、いまいち場所や距離感がつかめない。
迷いに迷って、やっとこさ茨城に通じる道、国道6号線に乗った。
大幅に時間を食ってしまった。
友達と会う時間が遅れてしまうなあ・・・

友人は社会人なので、彼の勤める会社に電話して、到着が遅れる事を伝える。
道が長く感じた。疲れも出てくる。何しろ尻が痛い。
結局水戸に到着したのは20:00くらいだった。
予定より2時間も遅れてしまった。申し訳ない気持ちである。

友人は快く待っていてくれた。ありがたいことだ。
到着の遅れを詫びて、久しぶりの再会を喜んだ。

この日の走行距離207Km

こうして日本一周の旅は始まった。

出発準備

2007-05-13 11:45:37 | 1996~97原付日本一周
1996年5月

ゴールデンウィークを利用したテント泊実験ツーリングを終え、不足している装備や、買い替えが必要な物が見えてきた。

5月と6月の休日は、新宿・横浜・地元のアウトドアショップに行った。
カメラバッグ、就寝用マット、ゴアテックスの雨具や靴、ツーリンググローブ、地図、バイクのメンテナンス用工具・予備部品。
ダッフルバッグ、水タンク、防水カバー、ガソリンコンロ、フィルム、電池etc...

ユースホステルにも入会した。

自分なりに必要なものは揃ったと思った。
後は行きたいところのリストや、テントの張れそうなポイントなどをピックアップ。
夢は膨らむ。

今思えば、当時日本一周で行きたい所なんて、観光名所巡り程度のピックアップに過ぎなかった。
それに、沖縄はリストに入れていなかった。

もうすぐ自分は自由になれるんだ・・・

第一の目標、自分の知らない土地、北海道。
広い広いと、行った事のある人が言う、北の大地の広さとはどんなものなのか、この目で見に行くんだ。
50ccといういささか物足りないエンジンの、しかし実用車として定評の高いベンリイ号に、道中の走行の全てを託して一人飛び出す。

2年近く働いた派遣系の会社を辞める。
社会のしがらみや、時間の束縛から解放された気分だった。

家族には日本一周の話は一切していなかった。
家族と居るのもうんざりしていた時だった。
一刻も早く家を出たいと思っていた。
ただ、妹にはそれとなく打ち明けていた。

出発は6月26日に決定。
モーツァルトのレクイエムの作品番号もK626だったけな。(全然関係ないけど)

別に死にに行くわけじゃあるまいに・・・ase

テント積んでツーリング(訓練その2)

2007-05-12 11:50:07 | 1996~97原付日本一周
1996年4月
前回の山中湖ツーリングで、ベンリイのおおよその燃費が分かってきた。
装備はまだ揃ってないが、あるだけの装備で一泊ツーリングしてみることにした。

目指すは大菩薩峠。
高校の時に、担任の先生に誘われて友人と一緒に行った事があった。
そこにはテント場があったし、距離的にも訓練にはいいだろうと思った。

しかし、当時は地図の見方はまだよく解っていなかった。
なのでどの道を走ったのか記憶にない。
テントや安物のシュラフ、ヘロヘロのマットなどを積み、適当に縛って出発。
カメラや食器などは先買った3ウェイバッグに入れて背負っていた。


のどかな山村の風景を楽しみながら、トコトコと走る。
しかし、背中に背負った荷物が肩にくる。これは対策が要るなと感じた。

対向からオフロードバイクのペアとすれ違う。
向こうが手を上げてあいさつしてくれた。こんな事はじめて。
一瞬の出来事だったけども、嬉しかった。
そんなこともあって、とても楽しい気分で走れた。

途中、小さな売店で夕食のおかずを調達。
何時間走っただろうか。夕方前に無事到着。
同じ目的地でも、人に連れられて行くのと、自分で走るのとでは大きな違いがある。
自分で走ると、地図で位置を確認しながら走るので、景色が生きて見えると言うか・・・(その割りに忘れている・・・ダメじゃん)

さて、峠の山小屋でテント泊の手続きを済ませ、テントを張る。
この時はフリーダムスピリットとか言う名前のドーム型テントだった。
狭くて使い難いテントだったので、一番に買い換えたい道具だと思っていた。

夕食は売店で買った豚バラ肉と家から持ってきた米。

飯炊きの訓練開始。
コッヘルは新調したユニフレームのツアラー1。
コンロは使い古しのEPIガスコンロ。

水と米を1:1コッヘルにいれ、20分ほど漬ける。
始めはちょっと強火で、煮汁が吹いてきたら弱火。
このまま15分くらい。時々臭いをかいで焦げないように見張る。
蓋から出る蒸気がやや減り、音が変わってくるので、こうなったら火から降ろす。
容器を逆さにするか振るかしたあと5分ほど蒸らす。


さて炊き具合はどうでしょう。
・・・ほんのちょっと硬いがまあまあでしょう。
豚バラ肉は炒めて醤油で味付け。
インスタント味噌汁も加えてささやかな一人ディナー。
外で食べる飯は本当にうまい。
飯の残りは朝に回し、疲れていたのでこの日は早めにシュラフにもぐった。

翌日は猿橋を見たり、観光気分。


帰りもほとんど行きと同じコースだったと思うが、思い出せない。
ともかく事故もなく無事に家に到着。


実装訓練という名目で行ったが、走るという事が楽しいツーリングだった。
また、今後の行動に必要な装備や道具が何かを考える良い経験になった。
欲しい装備の輪郭がはっきりとしてきた。

ベンリイ号のテスト(訓練その1)

2007-05-11 11:58:47 | 1996~97原付日本一周
1996年3月

新しい相棒のベンリイにとにかく慣れないとな~と思った。
積極的に乗るようにした。
エンジンの慣らしを済ませてから出発したかったから。
通勤はもちろん、休日も近くの山道などを走ったりして、燃費やエンジンとミッションのクセなどを調べた。

そしてベンリイ購入から2ヶ月後、テスト&エンジンの慣らし運転として、山中湖まで行く事にした。
長時間走ると、自分がどのくらい疲れるかを知るためだった。
今思えばたいした距離ではないけれども、当時はろくな距離感も持っていなくて慎重になっていたのかなと思う。

日帰り予定なので、コンビ二のおにぎりとコンパクトカメラをデイパックに入れ出発。
3月だったのでまだかなり寒かった。
ベンリイはとにかく上り坂が弱い。
荷物を積んだらさらに登らなくなるなーと感じた。

2時間は走ったろうか。山中湖に到着。
あっさり着いてしまったので、拍子抜けだった。
しかし、手と足先はかなり冷え切っていた。
こりゃ靴やウェアも見直さなくちゃいかんなーと思った。

まあとにかく無事走れた。次の段階は荷物を積んで泊まりを含めた訓練をしよう。次どこに行こうかなー?とあれこれ楽しく考えながら道を引き返し、ベンリイとの訓練第一段は無事終わった。

燃費はリッター70Km位だった。Dioは40Kmだったから相当の低燃費だ。