ははと二匹の子ザル

二人の息子と日々の色々

東日本大震災 ~宮城県・石巻市~ 3.11~ 12

2011年03月20日 | Weblog
床上浸水してから夜明けまで

長い夜でした

母の体重のせいで押し入れが壊れたら…と不安で、母は一晩立っている事を決意

じわりじわり水位が上がる恐怖

その水の冷たさで足の感覚が無くなり、体温も奪われる

唯一よかった事は、物置に“胴長”があった事

濡れずに済みました


朝が来るまで

朝が来るまで!


静かに忍びよる津波の恐怖

津波の恐怖は、あの大波だけでは無い事を身を持って体験しました


待ち遠しかった夜明け

水は家の中で膝上位

外に出ると胸の辺り

道路まで出たら、身長160cmの母がすっぽり沈む位……

弟を兄に頼み幼稚園に移るべく、移動できるか調べに行きました

幼稚園には近所の一家5人が中に入れず、外の非常階段で一夜を過ごして居た

よく調べてみると逃げ遅れた人用に鍵を一ヶ所開けていってくれた様子

そこから中に入り5人を中に入れて、兄と弟を連れてくる為に又家へ

兄と弟を「濡れず」に移動させる為に………

ホームセンターで売っている、外置き用?の灯油入れ?

灯油のポリが4つ入るタイプのやつ

中身を出して弟入れて水に浮かべてみたら……

バッチリです!

時間をかけて幼稚園まで慎重に運び、濡れずに幼稚園に到着しました

でもいちばんの心配は兄

弟の倍の体重だから

しかし!何とかギリギリ浮きました!!

無事2人を幼稚園にあげて、その後家と幼稚園を何往復かして子供達の着替え、カセットコンロ、ガスボンベ、タオルに毛布、少しの食料を運び入れました

東日本大震災  ~宮城県・石巻市~ 3.11

2011年03月20日 | Weblog
家の中はメチャクチャ

座敷のタンスは転倒防止の突っ張り棒のおかげか倒れずに済んだ

大きい家具の転倒は奥の部屋のタンスとスチールラック

転倒防止、何もしていなかったから

“揺れ”の被害が多かったのは台所

流し台の上のもの(調味料類)は全て落ち、冷蔵庫と洗濯機が移動

食器棚のなかで皿が割れて、その勢いで飛び出した欠片が散乱

ちょうどコンロ上にあった天ぷら鍋が余計に台所を悪化させた感じ

茶の間は棚の上の軽いものが全て落ちました

しかし、テレビは転倒を免れ無傷


この時点で片付けていれば、その後の被害が少なく済んだのに……

『後悔先にたたず』です

停電になったから電気とテレビが見れる車の中に移動

車の中に居ても余震は強く、家の中を片付けたくてもほんの数メートル離れるだけで不安顔をする2人が可哀想で、片付け止めて三人で居る事にした

ふと気付くと道路に水が……

(……そういえば、「大津波警報」って放送してたようなぁ~「避難」しろって言ってたようなぁ~)

(まっ、ここは川から少し離れてるし、いっても床下位かな?)


完全に油断して、甘い考えでした

外はだんだん暗くなり、水はだんだん増えてくる

どうしよう………………

この優柔不断さが命取り

迷っているうちにとうとう車の所まで水が!

急いでジャンパー重ね着させて家の中へ

弟を押し入れの上の段に寝せて、母と兄がその下に寝ました

地震発生から5~6時間

気を張っていて疲れてたせいか寝てしまった母


『チャプン』

耳元の水音にビックリ!!

寝ぼける兄を叩き起こし、押し入れに上がらせて青くなりました

床上浸水です


つづく……

東日本大震災 ~宮城県・石巻市~ 3.11

2011年03月20日 | Weblog
2011年3月11日


弟の幼稚園に1時にお迎えに行き、いつものように園庭で遊ぶ

30分位で帰りの音楽がなり、遊び足りない子供達は近くの公園に移動

この日、五時間授業で早く帰る兄の為に2時半頃家に帰った

家に着き一息ついた時…


悪夢の様な時間

大地震が起きる事は十分覚悟していた

でも、『まっ、大丈夫だろう』って気持ちも持っていた


午後2時46分


長い長い揺れだった

最初は

ガタン カタカタカタカタ

2~3秒後

ゴォ―――!

地鳴りとともに激しい揺れ

弟を茶の間のテーブルの下に避難させ、母は揺れで締まりそうになる玄関扉を必死で全身で押さえてた(立ったままで)

長い長い時間の様に思えた

扉を押えながらも、どこか冷静に観察している自分が居て…

(あぁ、これが今回の宮城県沖地震かぁ)

(十歳の時経験したものよりかなり大きいなぁ)

(あっ、皿割れた!うゎ~、電子レンジ落ちた音かも~)

(これで何日停電になるかなぁ)


…………………なんて

呑気に考えてました


この後、地獄のような一晩を過ごす事になるのに…


揺れは一度おさまりかけて、また大きく揺れた

その地震の2波の途中で車のエンジンをかける

学校に居る兄を迎えに行く為に

兄の学校は北上川の河口沿いにあり、家からだと津波に向かって車を走らせる形

でも、自分の子供がそこに居るなら向かうでしょ

親なら

もし死ぬ事になるなら、子供達(兄と弟)を抱きしめながら……ってね

幸い渋滞する前に兄に会い、すぐに家に帰る事が出来た

我が家は川から少し離れているので直接的な津波の大波の被害は免れた……はずだったのに……


つづく…