版画草子 All That Print Work

自作版画作品と日常の写真を日記形式で紹介してゆきます。
(画像の無断使用は固くお断りします。)

版画家のお友達 歯科医師編(94) Special Column(94)

2014-05-01 16:15:50 | その他 Other



今回は久し振りにNORIKO先生から画像と歯科に関するコラムを送っていただきました。
もうそろそろ札幌も桜が咲く時期と思いますが
それ以前の漸く春の兆しが芽生えた頃の写真です。

では どぞ


水芭蕉            photo by NORIKO
(水温む春 そのものですね)


<永久歯の抜歯原因>

永久歯の抜歯原因調査報告によると、40代までは抜歯の原因はむし歯によるものが多く、
その後は歯周病によるものが多くなります。
全体では歯周病によって抜歯する割合は41、8%となっています。
歯周病は中高年の病気と思われがちですが、10代の約60%に歯周病があり、
20代から進行し30代で急増、、40代で抜歯原因がむし歯と逆転します。



ふきのとう
(雪を割って必死に出て来る様子は 何か健気ですね)

もう一つ ふきのとう



将来歯周病で歯を失わないためには10代からの歯周病対策が必要で、
日常のブラッシング+プロフェッショナルケアを継続して続けてゆくことが大切です。
10代では特に小学校中~高学年になり、
それまで保護者の方が仕上げ磨きをしていたのを止めたとたんにお口の中の状態が悪化します。
親の手を離れる前に自分でしっかりブラッシングが出来るようにしておく事が必要です。


水仙


子供の時にブラッシングの状態がそれ程良くなくても、痛みが無かったり、
本人が自覚出来ない程度の状態だと、親御さんんもほとんど気にしないのですが、
特に小児歯科では、その子の5年、10年、20年先を見据えていますので、
10代で歯周病のあるような子は社会人としての常識やしつけをせずに社会に送り出すのと同じくらい
大変な事だと危機感を持ってしまいます。



スノードロップ 
倉本聡さんのドラマで有名になりました 先生談


耳の痛いお話でした.....
私も正に
「20代から進行し30代で急増、、40代で抜歯」というコースを見事に辿って(たどって)きました。
その後になって漸くブラッシングを始めましたが 
「8020(80歳で20本の歯を残す)」の目標には遠く及びません....
しかし 「飲兵衛で食いしん坊」をこれからも堪能するには 充分気を付けにゃなりませんな。





今回もう一つ 先生から懐かしい画像を送っていただいています。
ただこの話題 ほんの極々一部の方しか判らないと思いますので
それ以外の方はどうぞスルーして下さい。

それはこちら



何の建物か判ります?
16条電停の「満腹屋」です。
私が13~4歳から19歳までお世話になったラーメン屋さんです。
最初の頃は 1杯35円 洗面器みたいな丼に入った大盛りが50円でしたね。
毎年6月1日はご主人の命日で 1日中ラーメンは無料でした!
そんな名物の満腹屋さんが とうとう取り壊しになったそうです。



うぅーー 感慨深いですなぁ。
寒い冬 学校帰りに ふっうふっう言って食べたラーメンの味は忘れられません....



と云ったところで
先生 耳の痛いお話と貴重な写真 ありがとうございました。















残すべし!

2014-04-20 16:06:16 | その他 Other


桜前線は今 どの辺りまで北上しているんですかね。
昨日のあるネットのニュースでは 
福島県三春町の「三春滝桜」が満開と紹介していました。

こちら


三春町観光協会のHPの頒布用壁紙画像から拝借しました

私は実際には見た事はありませんが 見事ですね。
いつまでも残したい光景ですな。


福島と云えば 原発の処理は未だに 遅々として進んでいないようですが.....
そんな問題山積みの原発をあえて無視するかの様に 他の原発再稼働の動きが活発のようです。
3年前の私のブログにも以下の記述があります。

<個人的には時間を懸けてでも原発廃止の方向がいいと思う一方
しかしです.....
日本全体としては 今回をきっかけに「原発」を考え直すと共に 
「生活」をも見直さなければならない という流れは多分「数年」はあるでしょうが......

ここまで来ると もう後戻りは出来ない
より良い安全な原発を開発して 今以上の発展を追求するこれまでの流れに変わりはないだろう とも思います。
さて どうしたものか>

こちら


3年後の今の流れは 
脱原発実現の強い動きは確実に残ってはいますが 
一方では 経済優先既存原発の使い回し再稼働の機運も根強く残っていて 双方が拮抗している様に思います。


そんな中で 最近気が付いたのですが わが町にメガソーラーシステムの建設が進んでいました。
その一つ 日経テクノロジー紙の記事から

貯水池を利用して 水に浮かぶ巨大ソーラーシステムを作ったそうです。
渡り鳥や水鳥が羽を休めるそばに ソーラーパネルが並んでいる光景は 
まさに安心環境・安全社会を象徴しているようです。



ここだけではありません。
我が家のすぐそばの広大な空き地にも ソーラー発電設備が建設されていました。


赤線部分 この画像ではうまく写っていませんが かなり奥の方まで続いています。

我が家から数分の湿地地帯にいつの間にか出現して その巨大さと 建設の早さに 驚きましたね。


あまり近づけないのですが 脇から撮ってみました。


少し外れた場所に設置された 小振りのソーラー


我が町もやるもんです。

荒涼とした中にも自然いっぱいの湿地から風景が一変しましたが
菜の花に囲まれ 鳥も虫も川魚も以前と変わらず 生き続けられる
そんなソーラーパネルが作り出す景色で つくづく良かった!と思います。


産業・工業の電力を充分賄うには まだまだの段階ではあると思いますが
しかし この様な光景を見るにつけ 
誰もが生きやすい環境を作るべき 守るべき 残すべし と一層感じましたね。

やり方次第・考え方次第ですな。








 







春卵漫

2014-04-12 11:21:38 | その他 Other



さてさて 相も変わらずアタフタアタフタとした日々を送っております。

そんな中でも 忙中閑有り 今年も桜を愛でる事ができました。
と言っても 外に出ればすぐ 嫌でも目に入る 城山公園の桜ですが....



我が家から歩いて2~30秒の お隣の菜の花畑(奥が城山公園の桜)
種を穫るのか ただ植えているのか 良く判りませんが大量に咲いていました。
これほど咲いていると ちょっとムッとするくらい 強い香りが漂ってきます。



公園内
丁度満開の時期なのですが どうゆう訳か 人がまったくいません....
 



今日の朝日新聞 天声人語に「散る桜」の ちょっといいお話がでていました。
古の(いにしえの)人が散る桜を雪に例えて「落花の雪」と言っていたとの記事です。
正にこの画像ががその「空知らぬ雪」になっていました。

その記事に出ていた和歌
「桜散る 木の下風は 寒からで 空に知られぬ 雪ぞ降りける」紀貫之

昔の人の感性に感心するばかりです。



(平日でしたが それにしても.... 人 いなさ過ぎ.....)




と云ったところで 
最近 更新が滞りがちなので 今回はもう一本 たわいの無い話題を

もうとっくにご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが.....
「卵掛けご飯」の食べ方のお話です。

一般的には <先に溶いた卵に醤油を入れて それを暖かいご飯にかける> のが普通と思いますが
この他に へぇ~~と思わず感心するいただき方が 二通り有る事が判りました。

まず一般的にやっていると思われる方法



次が(小へぇ~~) <先にご飯に醤油をかけておいて そこに溶いただけの卵を入れる>方法

(これは随分昔になりますが 永六輔さんがラジオで話されていた方法で
 永さんも逆転的発想の卵掛けご飯に驚いて早速試してみたそうです)

三つ目が(大へぇ~~)

最初に 白身と黄身を分けます。


白身だけ よ~~く撹拌し それを熱々のご飯にかけて混ぜます。

その上に黄身を載せて

最後に醤油をかけていただきます。

要するに 白身のドロリとした食感を無くす方法のようです。





以上 3方法の卵掛けご飯でしたが いかがでしょう。

私は最初の一般的な食べ方しか知らなかったので 
他の方法を知った時は直ぐさま試してみましたが....
一番美味しいのは? と言われると..... 人 夫々ではありますが
やはり私は 最初の 小さい頃からやっている食べ方が美味しい様に思いますね.....


生卵を直接食べる習慣は 世界でも数少ないようですが
さすが日本人は食べ方にもかなり凝っているようですな。
皆様も一度 お試しを















春一番

2014-03-20 17:33:00 | その他 Other




先日は例年より17日も遅い春一番が吹いて 明日はお彼岸
これから いよいよ桜も咲き始めて 春本番ですな。

我が家の裏庭にも 早速ふきのとうが芽を出しました。



5~6個穫れたので天婦羅にしていだだきました。
ちょっと苦味があって結構なお味でした。
まだ生えてきそうなので次回はふきのとう味噌にしようと思っています。
(お酒のアテに最高です)



で 今回は特に春にちなんだ話題ではないのですが
相方制作の「珍味」をご紹介します。

それは「ゆべし(柚餅子)」です。
東北地方などに多い和菓子の「くるみゆべし」ではなく 平安時代からあったと云う本来の柚餅子です。

まずは相方のレシピから

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柚子 大なら3ヶ 小なら5ヶ を用意

1 合わせ味噌 200g
  砂糖 大さじ 5~6
  酒  大さじ 1
  味醂 大さじ 1
これらを弱火でとろみがつくまで煮詰める

2 くるみ 適量 オーブンで軽く焼いて砕いておく

柚子は上から2cm程のところで切り 実を取り出す
皮は切った上と下をセットでとっておく(これを柚子釜と言うそうです)

取り出した実を搾って その果汁大さじ2~3杯に 上記の1と2を混ぜ
柚子釜に8分目程入れて蓋をし 30分蒸す。
(残った果汁はドレッシング等に使います)

蒸し上がった柚子を半紙に包み てるてる坊主の様にして軒に吊るしておきます。
好みで1ヶ月から半年くらい干します。
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こちら



これを作ったのは昨年の12月29日 30日から干し始めて
今年の2月15日に試食してみました。

3個作って干したのですが その内1個はカラスに食べられてしまい 2個しか残りませんでした。
恐る恐る半紙を開いてみました....



何か見栄えが よくありません.....

切ってみました.....



うぅ~ん.....

手間がかかった割には なんと言うか.... いまいち性格の解らない味になっていましたね。
決して不味くはないのですが
おやつにも 酒の肴にも ご飯の友にも 良く合いますよとは 言い切れない..... 
微妙な「食べ物」になっていました.....

まだまだ 改良の余地がありそうです。
相方の2回目の挑戦に期待したいところです。
(次回は多分 私がかなり口出しして 喧嘩しながら作る事になるでしょうね)


と云ったところで 相方作をもう一つ



人参と蕪の頭の切れ端を水栽培したものです。
(普通は生ゴミとして捨てるんですがね)
健気に(けなげ)に葉を出し 花まで付けました。

ちょいと いい感じです。











信疑あるいは真偽

2014-03-08 17:03:53 | その他 Other



相変わらず 寒い日が続いていますが 如何お過ごしでしょうか。

笛の絵付けと 急ぎの新作版画の制作に あたふたして
いつの間にか更新がすっかり遅くなってしまいました。

新作は子供達と猫をテーマにした 小品2点です。
(孫達がモデルです)
いづれ このブログでご紹介いたします。


さて まっ 何と云う事もないのですが....
最近 喉元に魚の小骨が刺さった様に 
「真偽」とか 「信疑」なんて事が ちょいと気にかかっております。
いや 私の話ですから 大した事ではないんですが。

簡単に云うと
本当か嘘か あるいは 信ずるに足る事か 疑ってかかるべき事か なんですがね....
これがどうも.... しっくり行かない.....

大体 判断する根拠・証拠・事実 が 悉く(ことごとく)対峙している。
専門家と言われる人も 研究者も 真っ向から対立して どちらも組し難い.....

どうなってるんだと 思いつつ 
いつの間にか腰が引け 黙り(だんまり)を決め込んでしまう.....

「事実」は立場によって解釈が分かれるものですが
さりとて「真実・真義」は 変わらずあるはずで その見極めが難しい.....


卑弥呼と邪馬台国は何処にあったか の話ではありません。
こちらの方はロマンがあって楽しめるのですが
同じ歴史的過去の出来事でも 気持ちが暗くなる事象が最近多いですな.....

えぇ 「従軍慰安婦」問題なんですがね....

想うに あちらは
国際的に優位な立ち位置を取るべく 政治的プロパガンダを連発してますが 
どうもね....  釈然とはしません。
慰安婦像を世界各地に設置しようなんてのもねぇ.... 
元慰安婦の方は 自分たちを恒久的に晒す様な動きを 心から喜んでいるんでしょうかね。 

かといって こちらは 
軍が直接関わったと云う正式な文書も証拠も無いので 
国としての謝罪はない あっても道義的に謝する範囲  というのも どうかと.....
「強制」であろうが なかろうが
軍が益を受ける事なので 間接的には当然便宜が図られたでしょうし....

ここには 双方とも「政治」だけが 全面に出て
望むと望まざるに関わらず 慰安婦となった人間としての痛み・苦痛を察する姿勢が 
すっかり欠落していますな。
愚かしくて 恐ろしくて 空しくて 
大きな消耗を課せられた人間への視点が足らなさ過ぎるように思えます。 


ここに至っては 甘いかもしれませんが 
双方とも あるいは 一方だけでも
大いに「痩せ我慢」をして 譲り合う 認め合う 大人的(たいじんてき)対応が必要かと....



我が家の梅

いくら寒い冬であっても 自然界は間違いなく春は来ますが
人間界は努力しなければ 春は望めないようですな.... 




やれやれ 今回はちょっと恥ずかしい「爺ぃの居酒屋談義」になってしまいました。
読み流していただければ と思います。

次回は春らしい話題が出来れば良いのですが....




 



 


2014 札幌冬便り その2

2014-02-26 17:13:08 | その他 Other



長いようで あっという間に ソチオリンピックも終わりました。
それにしても真央ちゃんの涙は 掛け替えのない深い感動を与えてくれましな。
彼女の心中を察するに 共感と云うのでしょうか 年甲斐も無く私も もらい涙を流しました。

思うに 感動の数が多ければ多い程 人の心は豊かになるんでしょうね。

選手達 皆さんの努力に 感謝!



と云ったところで その「感動」を今回は別な形でお送りします。

最近ちょくちょく聞くのですが
「プロジェクション マッピング」って ご存知でしょうか。

簡単に云うと 
会議や授業に使うプロジェクターとコンピューターを繋いで
立体のスクリーン物に投射する技術なんですね。
(私 まだ観た事も 知識もないので これ以上は解らないのですが....
 要するに 「なまらすげぇー幻灯機」 という事でしょうな)

雪祭りで行われたこのプロジェクションマッピングの画像を
NORIKO先生が沢山送ってくれました。

画像からでもその技術の高さに驚きます。

では どぞ


この装置から投影するようです。
なかなか大掛かりです。


スクリーンとなる大雪像はインドにある建造物「イティマド・ウッダウラ」

イッキにいきます。














いかがですか。

映像を立体的に投影させるところが 凄いです。
雪像の白も 色をより際立たせているんですね。
写真でもその美しさに驚きますが 
実際にインド音楽が流れる会場で観ると もっと感動的なんでしょうな。

いやはや 実際に是非観てみたいものです。


ちなみにネットをググると 沢山ありましたね。
こちら動画です
 
 
 同じ大通り会場にある「豊平館」の雪像に映し出されたもの

 
 これは以前大阪城でのマッピングショウ

 そしてこれが今回の
 イティマド・ウッダウラ
 





てなわけで 
最近の技術革新の早さには ある種空恐ろしさも感じますが
同時に新たな感動も創り出されて 我々の心も豊かになる事を願いますな。

先生 沢山の素敵な画像 ありがとうございました!













2014 札幌冬便り その1

2014-02-20 10:58:53 | その他 Other




さて 冬期オリンピックも終盤に近づいてきましたが
しかし何ですな 
洋の東西を問わず 最近の女子選手は皆美しいですね。
昔の選手達は どちらかと云うと「おとこネッチャン」みたいな
厳つい(いかつい)方が多かったんですが.... 
(栄養が良くなったせいですかね)
競技だけでなく 勝った時の美しい喜びの顔 負けた時の無念の顔
それぞれのドラマと共に その美貌が際っ立ていて 愉しみでもあります。


こちらもまだまだ 冬真っ盛りではありますが 
今回はNORIKO先生から送っていただいた 札幌の冬便りを2回に分けて掲載いたします。
寒いからこその 楽しさと美しさに溢れた画像をたっぷりお送りします。

まずは札幌の街の様子


時計台の周りに雪だるまが並べられています。
小学生達が制作したようですが 子供達も街の演出に協力しているんですね。
勉強しなくてもいいから 喜んでいるかもしれませんな。 


「初音MIKU」のイラスト入りケースを持って 歩いている若い人

私 この方 腰に縫いぐるみも下げているので てっきり女性だと思っていたのですが
先生によると30代の男だそうです! 
日本は戦争しない方がいいですな。
しないのは良いのですが.... でもこれじゃぁ ちょっとな.....
(初音MIKU ご存じない御同輩は 後で調べてください)



次は「ゆきあかりin中島公園」







最初の夕暮れ時の画像がまたいいですね。
寒そうだけど 実際に散策したいものです。
(その後の一杯も良さそうです すすき野にも近いし)


そして 最大のイベント「雪祭り」


空が.... 美しい!




スノーボードエアの競技会場

雪祭り自体は我々には見慣れた催しになりましたが
海外の方にはかなりアピールがあるようですな。
中国語・韓国語・タイ語なんかが入り乱れて それは賑やかだそうです。
こういう企画を持てる街はいいですね。



と云ったところで 最後に先生のお勧め



雪まつり期間限定ドーナッツだそうです。





で 次回はもっと「素敵なイベント」の画像です。
期待できますよ。




私を何処かへ連れてって その2

2014-02-02 11:26:20 | その他 Other




さてさて 前々回からの続きですが
どうも 口幅ったいことを書き始めてしまったと 少々後悔しております。

しかし 中途半端で終わるのも 居心地が悪いのでもう少し書き進めます。

丁度NORIKO先生から素敵な画像を送っていただいたので それと共にお送りします。


で......
思いがけない処へ連れて行ってもらうのは 子供も大人も楽しいものですが
それも毎回 似た様な場所であったら 飽きてしまいますし
もっと最悪は 中途半端に「置いてきぼり」されてしまう事でしょうね。
村上春樹氏の諸作を読んだ後に感じ始めたのは 正にそのような想いでした。

鮮明な言葉に導かれて イメージを膨らませ 
物語を紡いでゆく過程の「快楽」は とても新鮮ではあったのですが.....
暗喩・隠喩 もちろん直喩でもなく.....  
鮮烈なイメージも断片的になって 余情も余韻もさほど続かず  
そして.... そして..... いつしか退屈に.....

最新の著作2点が出ても もうほとんど関心は無くなりました。

最初は魅力的であった村上世界も 私にとっては色あせるのが早かったようです。



札幌芸術の森「雪あかりの祭典」


同じ小説であっても 村上氏とはかなり色合いが違って
並べてお話しするのは無理があるかもしれませんが
高村薫氏や桐野夏生氏の作品は 毎作何処へ連れて行かれるのか 皆目判らない
スリリングで ちょっと怖くて 危なくて 読後感の重さと余韻は独特なものがありました。






高村氏の場合
気楽にサスペンス物と思って 最初に手にしたのが「わが手に拳銃を」
次に「黄金を抱いて翔べ」「リヴィエラを撃て」「マークスの山」このあたりに来るともう夢中 
次々に「神の火」「照柿」と読み継いで
「晴子情歌」「太陽を曳く馬」へ来た途端  
何じゃこりゃ!  がらっと変わった心理世界へ連れてゆかれました。
あまりにも作風の落差の大きさに 戸惑いはありましたが 
一体この作家は何処へゆくんだ? という 興味は増々わいてきましたね。

桐野氏もしかり
「やばさ」感は 高村氏を凌ぐかもしれません。
「OUT」「グロテスク」「顔に降りかかる雨」「魂萌え!」etc

多分この先も お二人の作品は関心をもって読み続けることになりそうです。


(何だか 村上作品批判のための話になってしまいました......)






一作家の同傾向の作品を繰り返し読みたい 楽しみたい という読者の要望も一方にありますが
作り手側からいうと 出来たらいろいろな作品を書きたい・作りたい という 願望も強くあると思います。
作る方も 読む・観る方も 「次は何だろう?」 「どんなの?」 といった 
わくわくするような機会を求めているのは 間違いないのではないでしょうか。





たった三作家だけで「何処かへ連れてって」にことかけて 
小説の醍醐味をお話しするのは無理がありますし 私の力量も足りません。
それを補うために
一応専門の絵画に関しても書きたい所でしたが これまた対象素材が多すぎて まとまりがつきません。 
いづれ またの機会にでも.....


さて 今夜はちびちびお酒をやりながら
山本一力さんに江戸時代へ連れて行ってもらう事にしますかな。
これがまた たまらない愉しみです。






結局..... 
NORIKO先生の写真が 私のお話なんぞより 素敵な場面に誘って(いざなって)くれたようです。
先生ありがとうございました。 









木版画家 大本靖さんを偲んで

2014-01-27 11:30:12 | その他 Other



今回は前回の「何処かへ連れてって」の続きを変更しまして
先日亡くなられた木版画家の大本靖さんを偲んで少々お話したいと思います。

大本さんの版画と云えば 
北海道の自然を 穏やかで 優しいタッチの木版画で表現した作品が数多く思い出されます。
私の小学校の頃にはすでに 
札幌の大丸藤井の美術コーナーには必ず何点もの綺麗な木版画が展示販売されていました。

こちらの様な版画です。


北大構内(ネット上より拝借)

あぁ~と 思い出された方も多いかとおもいます。
オーソドックスですが どこか懐かしく 親しみやすい雰囲気が 多くの人に愛されたのでしょうね。

今も札幌の義母の家に 確か北大校舎を描いた小版画があります。
安心感というか 和みというか 素直さ溢れる作風に いつもほっとします。

大本さんと初めてお会いしたのは
私が全道展の会員に推挙された1984年頃かと思います。
小学校の頃から名前と作品を知っていた版画家ですので お会いした時はそれはもう 大感激でした。
とってもダンディーで 物静かな紳士でしたので さぞモテるだろうなぁ と思ったものです。



こちらは2012年の全道展に出品された作品
この時は86歳になられていたと思います。
枯淡の境地なのでしょうか。
昨年は出品されていませんでしたので この作品が全道展最期の作品です。


享年88歳 ご冥福をお祈りいたします。
 







 

私を何処かへ連れてって

2014-01-17 17:08:50 | その他 Other





2014 城山公園


いゃ~ 風邪がずっと抜けなくて うじうじして居る内に 更新が滞ってしまいました。
しかし何ですな 毎年言っているのかもしれませんが 妙に寒いですね。
最近のこの厳しい寒さも「温暖化」のせいとか....
温暖化で寒くなる?.....
何事か言わんや ですな。


嘆いても仕方ありませんので
突然ですが 
N響のオーボエ奏者茂木大輔氏が以前ラジオで
「指揮者と楽員の関係は 指揮者がデートに誘う男子 奏者はその誘いに応じる女子」
というお話をしていました。

「楽員が想像もしていなかった「所」へ連れて行ってくれる指揮者は魅力的で
 結果 楽員も夢中になって指揮に付いていって 良い演奏が完成する。
 そうでなくて 
 楽員が あぁ~ またこれ.... とか 他のとおんなじじゃん.... と
 思ってしまう指揮者にあたると 楽員はちっとも楽しめなくて 弾まない演奏になってしまう
 素敵な所へ連れて行ってくれる指揮者の多くは名指揮者です」

なかなか「例えの巧い」お話です。
これは音楽だけでなく 文学・絵画にも言えることですね。

例えば小説にしても 
あまり期待しないで読み始めても 思いがけない展開ですっかり虜になることがあります。
私の場合は 高村薫氏や 桐野夏生氏 村上春樹氏などですが
各氏の作品は間違いなく とんでもない世界へ連れて行ってくれました。

村上氏の場合は毎作 どこへ連れて行かれるか判らない「ロールプレイングゲーム」みたいで
「1973年のピンボール 」「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」「ノルウェイの森 」
「ねじまき鳥クロニクル」「海辺のカフカ」「アフターダーク 」
など 物語の展開の斬新さと驚きに 熱心に読みましたが 
今はもうまったく興味は無くなりました....

上の楽団員ではありませんが 「あぁ~ またこれか.... いつもとおんなじじゃん」です。
わくわくする面白みも 刺激も 新鮮さも 未知の世界も 
結局いつも似ていて 私の中では すっかり色あせてしまいました。

読み継ぐうちに
「世界」に対する「かかわり」が 薄いと感じ始めたのが 理由かもしれません。
また そこがいい!と言われる読者も多いのかもしれませんが.....



くどくなりました。
元気があれば次回へ つづけます。

















いただいた年賀状2014

2014-01-08 17:36:10 | その他 Other



早いもので もう松の内も終わって 世の中は動き出していますが
私の方は今冬3度目の風邪など引いてしまって いまいち冴えない今日この頃です。

そこで今回は今年いただいた素敵な年賀状をご紹介します。
仕事柄プロの版画家とのお付き合いもあるので
毎年見事な賀状を貰う事が多いのですが
どうしてどうして プロが驚く程の迫力ある絵を送ってくださる普通の方も多いのです。

それらの中から選りすぐって12点 ご覧いただきます。

昨今パソコンで賀状を作るのが一般的になっていますが
やはり手作りの版画は暖かみがあっていいものですよ。

では どぞ



4枚とも木版画

右下は木版画界の大御所の賀状(金箔が施されて豪華です)
左下は版画の素養がある方(シャレてますね)
上2点は素人の方のものですが どうです 力強さではこちらの方が圧倒していますね。
(上左は北海道士別の方で 雪の中の士別市立博物館ではないかと思います
 雰囲気が伝わってくる力作です ちなみに私この方とは面識はありません
 多分版画の巡回展でお世話になったのではないかと.....)



銅版画4枚

版技術・道具の関係から こちらはすべて 玄人さんです。
上左から順に メゾティント ドライポイント 
下左からエッチング2点
銅版技術3種が見事に並んでいます。
さぞ刷るのが大変だったと思います。



こちらは4点ともそれぞれ異なる版種の賀状です。

上左は銅版 
その隣は版種は定かではありませんが いつも楽しい賀状を送っていただいています。
(手色彩と思いますが 版種は何ですか?)
下左は木版リト(と 思います)
下右は木版



どうですか 素晴らしいですね。
こういう賀状ですと 文章がなくとも心が伝わってきます。


と云う訳で 今回も送ってくれた方に無断で掲載してしまいました。
ごめんなさい.....

(削除ご希望の方はお知らせ下さい)

 










2014年 明けましておめでとうございます

2014-01-01 17:32:28 | その他 Other




「Don Quixote & Rocinante」


今年はちょっと変わった題材の賀状を作ってみました。
「ドンキホーテ」はそれだけでも寓意的な雰囲気がありますが
歳をとっても遍歴の旅を続けるラ・マンチャの男に魅力を感じて制作してみました。
(年末30日に投函したのでかなり遅れるかもしれません 悪しからず....)


といったところで
本年もよろしくお願いいたします。


しかし... 何ですな..... 紅白歌合戦.... つまらなかったですな....
司会進行も 多くの歌手も 素人学芸会みたいで....
半分以上 見たことも 聞いた事も無い 歌手達が出ているのは
爺の私の無知のせいですが まるで自分が浦島太郎になった様な気分でしたね。

今日ですべてが終わる~~~ 今日ですべてが~~変わる~~~~


まっ それはそれとして

昨年末にNORIKO先生から 素敵な小樽の写真を送っていただきました。
「小樽ゆき物語」という冬の祭典だそうです。


*小樽運河に青く光るLEDライト(いのり星)を冬の流星に見立てて流しました。 先生談

LEDの光って 一層寒さを際立てますね。



*ワイングラス3000個で作った「ワインタワー」


*ガラスの浮き玉300個で出来た「浮き玉ツリー」


さすがに北ガラスの街ですね。
先生ありがとうございました!




暫くは微酔い状態が続きそうなので 次回はまったく未定です.....






よらしむべし

2013-12-23 17:07:09 | その他 Other



さてさて 妙なタイトルで始めてしまいましたが
この言葉
「由(よ)らしむべし 知らしむべからず」
と続くのですが ご存知の方も多いと思います。

私は半端な知識で
「民は従わせればいいのであって 余計な事は知らせる必要はない」
と理解していました。
こんな言葉を急に思い出したのは 
つい先日 特定秘密何とかが決まったせいでもあるのですが
それ以前の原発事故問題にしても
やはり政府・官僚は市民に対する愚民意識が強いものなんだと うんざりしていました。

しかし本来のこの言葉の意味は違うんですね。
出典は「論語」で くだいた解釈として
「常日頃 民に信頼されていれば 細かい事を知らせなくとも 政治は巧く進む
 よって民は煩わしい事を考えずに 日々の労働・生活にいそしむ事が出来る」
と云う中国古来の理想の政体
「徳治政治=政治は徳を備えた人物 信望が厚い人物が行うべき」を説いたものだそうです。


正反対ですな....
論語なんて 高校の漢文の授業でほんの一部しか読んだ事がない上 
まともに聞いていなかったので しょうがないのですが。

でもですな.... 
あの三白眼氏を見ていると 
やはり最初の中途半端な解釈が正しいように思えてしかたがありません.....


今年も押し迫ったというのに どうも「爺むさい」話になりました。




毎年クリスマス前に咲く「シャコバサボテン」です

年末までにもう一度更新したいと思っているのですが
まだ年賀状も仕上がっていない状態ですので さて どうなりますか.....

とりあえず 皆様 良いお年を 

 




皇国のコウハイ

2013-12-14 18:06:43 | その他 Other



やはり師走は何かと気ぜわしいですね。
12月に入ってから我が家では 白菜と沢庵を漬け込んだり
先週の土日は泊まりがけで同期の忘年会に出席したり
年賀状の準備をして 篠笛の制作をこなしたりと フル回転でした。

その忘年会
同期の息子さんが鎌倉七里ケ浜で経営するお寿司屋さんで行われたのですが
まぁ サービスが良くて 4時間飲み放題! お寿司のお土産付きという大盤振る舞い
すっかりお店のご好意に甘えて 足腰立たないくらい 全員よく呑みましたね。
その後二次会にも行って 足掛け15時から22時まで延々と宴会!!!
私も胃潰瘍の治療中にも関わらず たっぷりいただきました! 冷や酒・熱燗交互に.....

折角鎌倉まで来たと云う事で 夜は大船で1泊して 
翌日は山本コータロウの「岬めぐり」でお馴染みの三浦半島周遊のドライブに同期6人で行ってきました。

中でも私が一番印象に残ったのは横須賀の「戦艦三笠」



意外と小さいんです。
ほぼ「青函連絡船」並みの大きさです。
 三笠 全長 131.7m
    幅  23.2m
    総排水量 15.140トン
 青函連絡船(八甲田丸・十和田丸等)
    全長 132m
    幅  17.9m
    満載時排水量 8,313トン

ちなみに 戦艦大和は 全長 261m 幅 39m 満載時 72,000トン



維新から僅か三十数年で大国ロシアと この様な船で戦ったんですね。
大したものではありますが........

「三笠」に関しては 
司馬遼太郎の「坂の上の雲」や
吉村昭の「海の史劇」などの小説を読んでいたので 感慨ひとしおでした。


ロシア艦隊の砲弾

確か司馬遼太郎の記述であったと思うのですが(違っていたらご免なさい)
海戦時 連絡係水兵が甲板に降りた時 ロシア砲弾が着弾 爆発し
瞬時 三笠側砲兵が 頭を丸ごと吹き飛ばされたにも関わらず 
砲弾を抱えたまま数メートル駆け出して行くのを 目撃したと言う話が出ていました。

108年前ではありますが
実際にこの甲板であった事なのだと思うと 何とも言えない戦慄を覚えました。

日本側戦死者 117名  ロシア側 4830名

「皇国ノ興廃、コノ一戦ニ在リ」で始まった会戦も日本の大勝利で終わりましたが
果たして 良かったのか 悪かったのか.....
「コノ一戦」から40年後 無惨な荒廃を見るのですから.....


と言った訳で この後も楽しい三浦半島周遊が続くのですが 随分長くなりました。
今日はこの辺で




お口直しに



先月作り始めた干し柿が完成しました。
ちょっと見栄えが悪いですが とっても美味しく出来ました。





 

またまた 胃カメラのお世話になってしまいました.....

2013-11-16 12:15:50 | その他 Other



やれやれと云うか さもありなんと云うか
先日またもや 胃カメラを呑む事になってしまいました。
(正確には 突っ込まれました)

二週間程前から お腹が空くと胃のあたりが痛くなって 食べると治まるという状態が続き
一週間前から便が ブルートヴルストみたいに真っ黒になって.....
今週の月曜にはとうとう 貧血を起こしてで寝込んでしまいました.....

翌日 掛かり付けのクリニックに行くと やはり カメラで確認する事を勧められました。
三十数年振りですかね 胃カメラは
(そのお話はこちら
今のカメラは当時の半分 直径5mm位で しかも鼻から挿入するんですね。
楽ですし 話も出来るのがすごい進歩です。

そして結果は 思った通りでっかい「胃潰瘍」でした!
貧血を起こす程の出血跡のある潰瘍を 私もモニターでしっかり拝見しました。

二十歳代に十二指腸潰瘍になって以来の 久し振りの潰瘍です。

ネットで潰瘍を検索すると
なんやら いろいろ書かれている中でも
「傾向として 感受性が強く 神経が細やかで几帳面 人一倍気を使い 傷つきやすい性格が 原因にもなっている」と云う事で
「やっぱしなぁ すべて当てはまっとる」と 納得する私に
相方が そばから一言 「飲み過ぎよ!」

今年はひと月に1日ほどの「休肝日」だけで呑み続けたので
まあ そう言われてもしょうがない部分もありますが.....

そんでもって 今度こそしっかり反省したかと思いきや 
昨日から黒い便も普通の健康色になったので 早速昨夜 ビールと日本酒をいただいてしまいました。 
4日も呑まなかったので 美味しかったですね!


と言う訳で
潰瘍と上手にお付き合いしながら これからも変わらず(ちょっと控えめに) お酒との親交も続けたいと思っています。




さてさて お口直しに 「干し柿」のお話

先日すぐ近くの農家から 干し柿用の渋柿をいただきました。
こちら



紐を結びやすい様に小枝を付けた柿です。
これを相方と二人 皮を剥いて 焼酎で消毒して 納屋に吊るしました。



昔はシティーボーイとして鳴らした私なんですがね.... 今は嬉々として干し柿作りです....

一週間経った柿



後一ヶ月くらいで完成です。

呑んだ後にいただくのが絶品です。



何とも..... 今回も取り止めの無い話になってしまいました....