版画草子 All That Print Work

自作版画作品と日常の写真を日記形式で紹介してゆきます。
(画像の無断使用は固くお断りします。)

古式炊飯

2013-05-10 12:25:29 | その他 Other




「この世の誰も体験したことのない最も厳しい無慈悲な鉄槌を下して火の海にする」
なんて云う事も無く 穏やかな連休で何よりでした。

我が家は4日に一族全員が集合して バーベキュウを楽しみました。
世間一般で言うコジャレたバーベキュウには程遠い 
縄文・弥生あるいは戦国期を彷彿とさせる 野性味溢れる野外炊飯です。

こちらがかまど


燃料は庭の枯れ枝

この「バーベキュウかまど」は20数年前に始めた時から使っているものです。
そしてその最初の頃に考え出したのが 豚バラ肉の炙り焼き

UP



庭に落ちている小枝にバラ肉を巻き付け 塩を軽くふって 炙るだけです。
これが実に美味しいんです!
どれほどかと云うと



我が家のバーベキュウ初体験の孫達も夢中です。


「これはボクの! 取らないで!」


炙る途中で脂が適当に流れ落ちて 食べ易くなるんでしょうね。
煙が上がって 脂が燃えて 外でなければ出来ない料理です。

鍋は 醤油ベースに鳥の卵モツ(別名きんかん)・鶏肉・豚肉・ジャガイモ・人参・大根・ねぎ等
他には「燻油漬け鳥肉」やタケノコ等を炙って おにぎり・ビールと共にいただきました。


我が家の「子孫達」



「平和」の有り難みをつくづく感じた連休でした。















穏やかな連休

2013-05-01 11:10:54 | その他 Other


関東中央部は穏やかな気候の連休が続いています。

先日にはNORIKO先生から「春告草」4枚の画像を送ってもらいました。
札幌もいよいよ春を迎えている様です。


福寿草                photo by NORIKO


クロッカス


水芭蕉


クリスマスローズ


「混んでいる時は出かけない」がモットーの我が家は
相方と二人で近くの城山公園を散歩したり 今で言う「エコ」な連休を送っています。


城山公園の藤


裏庭でパイプを使いながら一杯 その後昼寝
極めつけのエコです。

でも 連休後半は我が家の子孫達が大挙して来襲 バーベキュウ大会の予定です。


次回はそんな話題をお送りします。

NORIKO先生 ありがとうございました!









2013 お花見テクテク隊 その2

2013-04-08 11:16:28 | その他 Other


うかうかしている内に 桜はすっかり散ってしまいました。
我が家の庭では若いウグイスが「鳴き」の練習をしています。
いよいよ春です。

では お花見テクテク隊の続きです。
たっぷりあります!



神田川の上流を臨んだ位置です。

花を眺める人の表情は 皆 穏やかでいい顔をしています。
気持ちも優しくなって 心も落ち着きます。
多分 普段はそんな心持ちからは程遠い時間を過ごしているからかもしれません。
お花見の効用 カタルシス ですね。


神田川下流を臨む

満開の桜を観て 「死にたい.....」 と言ったのは 西行ですが これもまたこれで凄い美学です。
<願わくは 花のもとにて 春死なん その如月の 望月のころ (続古今和歌集)>

まっ たまにはそんな美意識に想いを馳せるのもいいのですが
やっぱり「花のもとにて 我喰わん やれ飲まん」の方が私には合っている様です。

 
川沿いにある椿山荘の出店で買った桜まんじゅう(相方へのお土産 帰宅後撮影)

あれやこれや 勝手な想いに浸りつつ 川沿いにそぞろ歩きつづけます。
途中 神田上水工事に携わった芭蕉が滞在していた「関口芭蕉庵」も覗きます。


芭蕉の「古池や蛙飛びこむ水の音」の句碑

この松尾芭蕉さん 上水工事までやっていたんですね 不思議な人です。
一説では「隠密」あるいは「忍者」とも言われていますな。(伊賀上野の出身からか)

(余談ですが 北斎も隠密説があります。北斎も芭蕉も裏の仕事があったと思うと
 また別の興味が湧いてきます 芭蕉1644~1694 北斎1760~1849 )


庭を開放している椿山荘にも寄りました。

山県有朋の別邸だった所
(ここから山県が大隈の早稲田方面を見下しながら 悦にいっていたとの話しをS君から聞く)


さて この辺りの「関口大洗堰」から 神田川を離れ 小石川後楽園(水戸藩の江戸上屋敷)まで 
神田上水が流れていた跡を江戸絵地図と現代の地図を見比べながら 歩きます。
これがまた長い! およそ4km近くもあるでしょうか。
今や上水は埋め立てられて 見るべき程の建物も殆ど無い単調な道で 今回の一番の難所でした。
疲れが出始めて 話しも弾まず もくもく歩きました......

 
やっと着いた小石川後楽園入り口





集合写真2
モザイクがかかっていますが 集合写真1と比べ 全員疲れ切った顔をしています。

携帯が無くて連絡の取れなかったMちゃんもここでやっと合流
今回の女子二人は なんと札幌からの参加です。
特にY子さんはこの日のためだけに昨夜上京し この日の夕方帰札したんですね。
ご苦労様でした!


さてさて まだあるんですよ

関口大洗堰からはS君に代わって 隊長の誘導で神田上水跡を巡ってきましたが
その後は 後楽園から水道橋へ出て 江戸期神田川にかかっていた掛樋跡の石碑を見て
順天堂大学ウラの最後の訪問地「東京水道歴史館」へ向かいます。


歴史館裏にある「神田上水石樋」
皆で夕日を眺めています..... 疲れが背中に出ています.....


歴史館内部を見学
リュックを背負って展示物を見ている様子は まるで小学生が社会科見学に来ているみたいな あどけない姿ですな。
やはり歳が元へ戻ってゆくと言われる「還暦」は正しいのかもしれません。


そしていよいよ最後の御苦労さん会はお茶の水の居酒屋

一段とビールが旨かったのは言うまでもありません。



早稲田界隈から神田川のお花見・江戸水道辿り そして終着の歴史館まで 今回は非常に多彩な行程でした。
その行程をアレンジし 案内してくれたS君と隊長に大感謝
そして皆様 お疲れさまでした。
今度は船で巡る「江戸水路探訪」なんか いいと思うんですが......




 











2013 お花見テクテク隊 その1

2013-04-01 10:26:06 | その他 Other


今年の桜の開花は非常に早かったのですが
その後寒さが続いたせいか 今だに散りもせず咲き誇っている様です。
散り際の悪い桜もいいものです。

で 我々拡大テクテク隊も先週の24日 お花見に行ってきました。
今回はお花見とともに 歩いた距離も十数キロと 過去に無い長距離となりました。


行程地図

東京メトロ早稲田駅からJRお茶の水駅まで(AM10:30~PM5;30)
6人(途中から7人)での楽しい散策です。

まず


早稲田駅近くの「漱石生誕の地」(ただ碑があるだけ)


同じく近くにある漱石山房の「漱石終焉の地」にある「猫塚」
(猫塚といっても「我が輩は猫である」の由来ではなく 漱石の遺族が飼っていた猫・犬・鳥のために建てたそうです)

国民作家にふさわしく 漱石ほど各地に史跡の多い作家もいないですね。

さて まだ昼食には早いのですが 
今回の特任早稲田界隈案内者の指示で急遽 穴八幡神社向かいのそば屋に向かいます。


食べっぷりのいい隊長

大隈重信など著名人がおとづれたという「三朝庵」
ここは日本で初めて「カレーうどん」を出した店としても有名だそうです。
まだ午前中ということで 我々には珍しく酒無し昼食でした。

そこから早稲田大学構内へ 


集合写真1
特任案内者S君はここの卒業なので 皆より一歩前に出ています。
一人 構内禁煙にも関わらず煙草をくわえていますが 火は付いていません。
(大学も変わったものです.... 喫煙所くらいもっと作れよ!)

つれづれ 構内を散策しながら 高田馬場跡に寄って 面影橋へ
いよいよ桜の名所神田川です。


この日は心配された雨も無く 風も穏やかで 花見日和となりました。



神田川といえば我々世代は かぐや姫の「神田川」です。
その歌が大ヒット(昭和42年頃)した後
案内者S君も学生時代この神田川界隈に下宿していて 近くの銭湯に通っていたそうです。
でも 一人だったとか。(本当か......)


面影橋のそばに 太田道灌の「山吹の里」の碑がありました。



このいわれ ちょっと書きますと
「太田道灌が鷹狩りの途中雨に合って 近くの農家に蓑を借りに寄ったところ
 そこの娘が黙って山吹の枝を差し出したそうです。
 訳が判らぬまま屋敷に帰った道灌は 家臣から 
 <七重八重 花は咲けども 山吹の実の一つだに なきぞ悲しき>という
 古歌にかけて 蓑が無い事を優雅に詫びたのだろうと言われ
 それ以来道灌は改めて和歌の勉学に励んだそうな」

しかしですな この話
蓑も無い貧しい家の娘が 秀才道灌も知らない古歌を知っていたのは 何か不自然ですな。
小癪な娘です。
現にこの話し ここ新宿区以外に 荒川区の町屋 横浜市金沢区と埼玉の越生にも
伝わっているそうで やはり眉唾ものの話しのようです。

随分 山吹にこだわってしまいました。
なんだかんだと こんな話しをしながら
我々は引き続き神田川沿いに見事な桜を観賞しながら下流へと向かいます。


元江戸小紋などを染めていた東京染工場で この時期お休みどころを開いていました。
ちょっと一服 ちょっと冷や酒 で一休み 


つづきます。 






大震災から2年

2013-03-11 12:01:09 | その他 Other



東日本大震災から2年が経ちました。
2万人以上の死者と 
今だに30万人を越える人が避難生活を余儀なくされている状態は 尋常ではありません。

各報道でも詳しく現状が伝えられていますので 私が特に書く事もないのですが
今朝の朝日俳壇の句に心動かされて
予定(泣き嫌料理)を変更して 書き留めたいと思います。

その紹介されていた句というのは 長谷川櫂氏の震災を詠んだ句です。

 幾万の雛 わだつみを 漂へる

2年前の3月11日 多分片付けたばかりの雛人形が たくさん津波に流されたのでしょう。
いや 雛が人にも想えてくる怖さも 句の中にはある様に思います。

丁度当時 私もTV の映像に 瓦礫と共にちらりと映った雛人形が忘れられず
咄嗟にメモした文があります。

 流さるる 雛の目 見ひらいたまま
 
句にも歌にもなっていませんが いずれ句の形にしようと思っていました......
でも 私は一度も被災地を訪れた事もなく 単に映像を見続けていただけでしたので
句として作り上げるのは 何となく「気取り」あるいは「不遜」かなと感じて 躊躇っていました。

しかし震災から2年経った今
進まない被災地の復興や 脱原発から再稼働への動きなどを見るにつけ
「まばたきもせず流される雛の目」は 
そのまま非力な私自身の目であると 気づきました......


被害に遭われた多くの方々が 一日も早く穏やかな生活を取り戻せます様 切に願っております。











版画家のお友達 歯科医師編(90その2) Special Column(90 No,2)

2013-03-05 12:26:26 | その他 Other



このご時世 
観光客誘致の企画を最優先する「さっぽろ雪祭り」「すすき野氷祭り」も充分解りますし
市民中心に皆で楽しもう企画「ゆきあかりin中島公園」は本来の素朴な祭りの気分があって素敵でした。
これらの催し物がセットになって 
結局札幌の image up に繋がっているところあたり 羨ましいですね。

いいイメージを地域に根付かせるのは 実に大変な事だ とつくづく感じるのは 
埼玉などに住んでいるせいかもしれません.....
(桶川もイメージ悪いから....)

今回は引き続きNORIKO先生の画像から
札幌以上に 観光的にも市民の愉しみにも 雪国をスマートに 上手に利用して
素敵な街を演出している小樽の様子をお送りします。
「小樽雪明かり」ではどぞ

<アート系>

このお祭りそのものが市民ボランティアによるものなのですが、
wax ball は風船に水入れそれを、溶かしたワックスに何度も浸して作ったものです。 先生談








<ほのぼの系>

街中には雪だるまがたくさん飾られてあり、どれも可愛い傑作でした。












<運河>

小樽運河に氷が張る事はほとんどないそうなのですが、今年はハス状の氷が張っていました。




この画像集からだけでも 行ってみたくなりますな。




今回も沢山の写真ありがとうございました!
北海道はまだまだ厳しい暴風雪が猛威をふるっている様ですが
先生もお気をつけて。





次回は久し振りに相方の「泣き嫌料理」を予定しています。
(ただし 泣き嫌なので 変更があるかもしれません.... )









版画家のお友達 歯科医師編(90) Special Column(90)

2013-02-27 16:36:48 | その他 Other


各地で最高積雪量や最低気温の更新が報道されているようですが 今年の寒さは格別ですね。
ニセコの井上君は大丈夫でしょうか?

と云った所で 
札幌のNORIKO先生からは雪祭りや氷祭りの素晴らしい画像を大量に送っていただきました。
それも51枚!
全部お見せするのは無理なので 私の好みで勝手に選んだ写真を2回に渡ってお送りします。

勝手好みその1
雪祭りは各ニュースでもお馴染みですので
中島公園で行なわれた「第7回ゆきあかり」を取り上げてみました。
では どぞ



ゆきあかり。市民ボランティアが行っています。 先生談









来場者に紙コップに絵や願い事を書いてキャンドルを灯してもらったり、ペットボトルのキャンドルシェードだったり、
素人っぽいのですが、柔らかいキャンドルの明かりが、ふっと和みます。







(雪祭り本体はもうアイデアが出尽くした感もあり 海外観光客目当ての下心いっぱいで
 はっきり言って つまらんですな..... 
 でもこの「ゆきあかり」は市民中心の制作で いろいろ工夫する余地もあって 
 この先も楽しめそうなのがいいですね。 kei )


勝手好みその2
すすき野で行なわれた氷祭り
氷像やその出来映えよりも 背景がいかにも「すすき野」らしい 飲み屋街の雰囲気がよく出ている画像を選びました。


氷像製作中 大きなクレーン車で氷ブロックを運んでいます。



最優秀賞 鶴の羽ばたき

(雪のすすき野 ふらふら 飲み歩きたい! kei )





次回も続きます。







ドキュメント10.21 その5「絵描きの仕事」

2013-02-21 11:05:28 | その他 Other


10月21日(日)午後5時前

帰りの電車の10分間で いっきに老けてしまった感じの私は
疲れ切ってようやく我が家へたどり着きました。


「ただいま......」

相方
「お帰りなさい!! どうだった!」


「うん..... 多分..... 十中八九.....     これは詐欺だな.....」

相方
「えっえーーーー 本当! 詐欺って どうゆう事?」


「うん..... 寸借詐欺..... だと思う」

相方
「お金取られたの?」


「うん..... まぁ.... 1万
 丁度養清堂ギャラリーからの支払い分 持っていたから
 それと 作品1点...... 」

相方
「さっき言ってた 口座番号って?」


「今度の木曜に作品20点分160万 振り込まれる事になってはいるんだけど.....
 まず 間違いなく   無いな.....   嘘だと思う」

相方
「でも.... それならまだ決まった訳では ないんじゃない?」


「そう 詐欺と決めつける証拠は 今は無いんだ.....
 だから相手にも 何も言えずに戻ってきた.....」

今日の本間氏との経緯を簡単に説明した私は がっかりした相方を慰める言葉はありませんでした。

相方
「さっき 母に良い知らせがあると電話しようと思ったんだけど
 よかったわ 止めて.....」


「あぁ そりゃぁ良かった......
 んーーー  うかつだった.....
 うまい話しにはウラがあるってことだなぁ  情けない.......
 つい Kさんからの話しなんで 信じてしまった....
 そうそう Kさんもやられたか 電話してみるよ」



私は仕事場へ行ってKさんの自宅に電話してみましたが 留守らしいので 携帯にかけてみました。


「もしもし.... Kさん? 水落です」

Kさん
「あぁ どうも!どうも! どうでした? 沢山売れました?」


「うん.... いや..... あのねKさん 今日 本間さんにお金か何か 貸しました?」

Kさん
「えぇ? いや そんなこと しないですよ 貸しませんよ」


「あっそう 良かった!」

Kさん
「どうかしました?」

電話の向こうは何やら賑やかな音がしています。
もしかすると どこか飲み屋に繰り出して 300万の祝杯をあげているのかもしれません。


「いやね 多分この件は    言いづらいんだけど
 それにまだ決まった訳じゃないんだけど..... 詐欺だと思う......」

Kさん
「まさか! 何言ってるんですかぁ 証拠でもあるんですか!
 いや何か実害があったんですか?」


「うん.... 大した事じゃないけど 本間さんに1万渡したんですよ」

Kさん
「でも それだけじゃ まだ解らないじゃないですか 詐欺と決まった訳じゃないでしょっ
 例えもし 詐欺だったとしてもですよ 解った時点で その1万 私が払いますよ!
 私の責任ですから でも..... 詐欺だなんて!」

Kさんは少し酔っているようで 何度も1万は私が出しますと 繰り返しています。


「いや そう云う事じゃなくて..... Kさんに被害が無ければ いいんです じゃぁ 」
と言って 後味悪く電話を切りました。

頭から信じて祝杯をあげているKさんが驚くのは無理もありません。
純粋なKさんです 私にこれは詐欺だと言われても すぐには納得できないのは当然です。
私に腹を立てているようでもありました.....





そして問題の4日後の木曜日
時間が経つにつれ 私は詐欺であるとの確信が増々強くなっていたので
すぐに確かめに行く気になれず ついでの用事があった土曜に銀行へ行ってみました。
もちろん 入金などありません。
その10日後 Kさんからもやはり 詐欺でした との 沈痛なメールがきました......

私が想像するに かの本間氏 Kさんの質素で禁欲的な生活を見て
彼からは金をせしめるのは無理と判断したのでしょう。
あるいはKさんには まったく「すき」がなかったのかもしれません。
そこで偶然私の版画を見つけ Kさんから話しを聞き出し 標的を私に替えたものと思います。
友人・仲間からの紹介と云う事で 私も何の疑いも無く すぐに信じてしまいました。
人を介して信用させる..... 多分これは詐欺師の常套手段なのでしょう。
そしてかの本間氏 世事に疎く 人のいい美術家連中専門に寸借詐欺を働いていたと思われます。

それにしても Kさんと忠良さんの経緯の件といい
アメリカへの土産用の版画の話 部下へ見せる版画を預かる などなど
良く練った綿密な仕込みを考えたものです。
でも 結局彼は 八王子駅から遠いKさんのアトリエから 大宮・上尾まで足を運んで
この日手に入れたのは 1万円と2万相当の版画(画廊や古物商に持ち込んでも1万以下) 切符650円.....
1日の稼ぎとしては まったく割に合わなかったに違いありません。

よく考え込まれた今回の詐欺ではありますが エセ本間氏は重大なミスをしでかしています。
それは 絵描きの仕事は絵を描くということを忘れていた様です。
それも 映像での記憶が得意と自負する私と 2時間以上も一緒にいたのです。
その上私は 名高い本間宗家の人間とはどんな人なのか 大いに興味もあって
じっくり観察したのですから......

今回の長いドキュメントの最後に 自称本間氏に一矢報いるべく
これが絵描きの仕事というのをお見せします。

そう 本間氏の似顔絵です。

正面


横顔


年齢 70~75歳位
身長 170cm程 痩せ型
髪  白髪で短く刈り込んでいる
日焼けは中程度 メガネは無し
言葉は標準語ですが さ行が微かに潰れる音(しゃ しゅ しょ等)が混じるので
おそらく西日本出身ではないかと思われます。まず北日本ではないでしょう。

もしこの様な人を見かけましたら是非
「本間さんですか?」と 声をかけてみて下さい。
そして
「インターネットであなたの似顔絵が出ていますよ」と 教えてあげて下さい。






長々とお付き合いいただきまして ありがとうございます。

さて 次回はガラッと趣を変えまして
NORIKO先生から送ってもらった 寒くて暖かい ホッコリする写真集をお送りします。









ドキュメント10.21 その4「1万円.....」

2013-02-14 11:06:26 | その他 Other



10月21日(日)午後3時半~4時頃


Kさんの彫刻300万には及ばないものの
版画で シートのみ100万 というのは 久し振りの高額売り上げです。
それも4日後には現金で入るのです。
また この先も本間家との関係がつづけば 作家活動も安定して制作に打ち込めそうです。
実に願っても無いチャンスです。
この突然降ってわいた 絵描き冥利につきる話しに私はかなり舞い上がっていました。

そんな想いを噛み締めながら
私が広げた作品をそろそろ片付け始めていると

本間氏
「先生 喉が渇きましたな どこかでお茶でも飲みましょうか」

と云いながら さかんに上着のポケットを探っています。


「そうでしたね 私も喉が渇きました。
 1階に喫茶店があるようですので そちらに行ってみましょう」

本間氏はなおも上着を脱いで何か探しています。


「本間さん どうかなさいました?」

本間氏
「いやね..... お茶を飲むのに財布をと.......
 どうも..... 財布を無くしたようで......
 新宿からの車内で上着を脱いだ時に 落としたらしい.....」


「えっ それはいけませんね..... カードか何かも 一緒に?」

本間氏
「いや 休日なのでカード類は持ってこなかったんですが
 帰りが困った.......」


「熱海までの......」

本間氏
「えぇ 小銭が少しあればいいんですが.... 弱った......
 先生 申し訳ないが 1万程 お貸し願えませんか
 今度の入金の折に加えて振り込みますから」

困りきった本間氏の表情を見て 私がすぐさま思ったのは
(あぁ 東京から熱海まで グリーン車ならそれ位はかかるかもしれないなぁ)だけでした......
そしてその時は1万少々持ち合わせていたのです。
少し躊躇する気持ちもありましたが

「判りました 丁度1万ありますので 使って下さい」
(4日後には160万..... 1万くらい.....) という気分でした。

本間氏
「いやーー すいませんね 助かります
 良かった良かった これで帰れます
 じぁ お茶でも」


喫茶店「ボナール」

今時珍しい昔風のその喫茶店には 我々の他に客はなく
頼んだオレンジジュースを飲みながら たわいない会話を続けました。

本間氏
「先生 お子さんは?」とか
「先生は煙草はやらないんですか」とか
「私は昨年大腸がんの手術をしまして....」とか

私はこれからの本間一族との関係を深めるためにも ひとつひとつ丁寧に答えていました。

その内 本間氏は突然想い出した様に
「あっ そう そう 帰る前に東京で人に会う約束があった.....
 今日はいろいろあったのですっかり忘れていました
 先生.... 悪いが....... もう少しお借りできませんか」

私はこの瞬間
はたっ!と はたっ!と  血が引いてゆくのを感じました。





(えっ まさか.....  詐欺? これは寸借詐欺?)
私の頭の中は大混乱に陥りました。


「急いで出てきたので もう持ち合わせはありません.....」と 言うのが精一杯

本間氏はかなり残念そうに
「人に会うのをすっかり 忘れていました.....  そう.... ありませんか.....」


「ありません これ以上は何とも.... そちらでなんとか ご都合つけて下さい」

私の気持ちはここへきてどんどん醒めてゆきました。
そう これは詐欺だ! こいつは詐欺師だ!

しかし..... そう思う反面 
今日の出来事のすべてを一挙に否定するのは すぐには出来ませんでした。
目の前のチャンスを逃したくない気分がどうしようもなく残っています。
本当であって欲しい.....

が 
その未練がましく逡巡する自分を意識した途端
間抜けな自分を感じた途端 突然強い怒りが湧いてきました。

私は「もう 引き上げましょう」と 突き放す様に言って 先に立ち 
ジュース代二人分の支払いを済ませ 足早に駅改札へ向かいました。


上尾駅改札口

改札口までは1~2分
その間 目まぐるしく私の頭は回転しつづけます。
Kさん 忠良さん アメリカの銀行家 本間宗家 お土産用の版画 160万 という事柄に完全に洗脳されていたようです。
しかし 本間氏の名刺 手の印象 そして二度の金の無心によって 何とかその呪縛が解かれつつありました。

だが....(あんた これは 詐欺だろう!)と云うには 確たる証拠も無く
また 面と向かって 言い放つ勇気も私にはありません.....

それに もし私の勘違いで これまでの話が本当だとしたら......
詐欺だろう!と 言った途端 
私だけでなく Kさんの300万の件も壊してしまう事にもなりかねません。
まさかと思うと同時に 間違いなくこれは詐欺だという確信も交差して 
いたたまれない感情に 一刻も早くこの場を離れたいと思うだけでした。

桶川までの切符を買って振り向くと
本間氏が小さな小銭入れを開いて うつむいています。
無視もできず

「どうしました?」

本間氏
「東京までの小銭が足りなくて.....」

私は
「さっき 1万 渡しただろう!」 と 大声で叫びそうになりましたが
そこに立っているのは2時間程前 初めて見たときの軽快な本間氏ではなく ただのしょぼくれた爺さんです。
私の態度の急変に 感づかれたと悟ったのかもしれません。
感づかれたにも関わらず なおも哀れっぽく無心する彼を見て 
私の方がどうしようもなく情けない気分になってしまいました。

本間氏を睨みつけ 
私は腹立ち紛れに 東京までの切符650円を買って 彼に渡しました.....

訳の解らない自分の行動に耐えられなくなって 
後も振り返らず 小走りに改札を抜け ホームの階段を駆け降りました。
切符まで買ってやる自分のお人好しと 
ここまで見抜けなかった馬鹿さ加減が入り交じって
自分への怒りを抑えるのがやっとでした。



つづく



ドキュメント10.21 その3「総額160万円」

2013-02-09 10:31:11 | その他 Other


10月21日(日)午後2時半過ぎ

そうこうしている内に我々は上尾駅に着きました。
駅東口すぐそばには ビジネスホテル風の小さな東武ホテルがあって
そこのロビーで作品を見てもらう事になりました。



上尾東武ホテル入り口


さすがに上尾まで来ると人出は少なく 
ホテル内の狭いロビーも閑散として 作品を広げるにはうってつけです。



ホテルのロビー


やっと落ち着いた所で 本間氏と名刺の交換


いただいた名刺




「おやっ」と思う程 古風な名刺です。
私の友人にも何人か外資系企業に勤めている人がいるのですが
彼らから貰う名刺は概してカラフルで小さく スマート もちろん裏には英文入りがほとんどです。
本間氏の名刺は 多分一時的な国内向けとしても 
外資系会社のCEOの名刺としては ちょっと似つかわしくないなと一瞬思いました。
社名もどこかで聞いた事のあるような ないような......
でも そんな事より 
私はまず作品を見てもらうことで頭がいっぱいでしたので 早速作品を広げ始めました。

真っ先に広げて見せたのは自信作でもある「お伽草子シリーズ」
作品を見るなり本間氏は
「おぉーー 素晴らしい!
 色が実にいい! 鮮やかですねぇ!
 これなら 彼らも喜ぶなぁー」

本間氏は次々作品をめくってゆきます。
「これらは おいくらですか?」


「このシリーズ ギャラリー関係には5万で出しています」

本間氏
「えっ そんなに安いんですか
 もっと何十万もするものと思っていました」


「エディションが70部ありますから すべて売れるとそれなりの金額になります」

本間氏
「あぁ 成る程ね」

私は順次「花シリーズ」やら「花火シリーズ」を広げ 本間氏はその度に感心して見ています。
その内お伽草子シリーズを指して
本間氏
「やはり 大きい方がいいなぁ
 このシリーズ 取り混ぜて20点 揃いますか?」


「えっ! 20点..... ええ 何とか揃えます!
 あの..... シートだけですか それとも額裝して?」

本間氏
「そうですね.... 額に入れた方がいいですね 後の手間が省けるので」


「額裝しますと 1点8万位になりますが.....」

本間氏
「えぇ 結構です。 12月の中頃までに揃えて欲しいんですが」


総額160万! 私の頭の中はその金額で 瞬く間にいっぱいになってしまいました。


本間氏
「今週の水曜には全額振り込みますので 口座番号教えてもらえますか」


「そんなに早く! 判りました! 今 家に電話して番号確かめますから」

携帯を取り出す間にも 情けない程160万の数字が頭の中で踊っていました。
それも3・4日後に入るのです!


「もしもし あっ おれ   そう うん そう.....
 それでね 工房ミズヤの普通口座の番号 急いで教えて欲しいんだ うん
 ×××××××××だね 判った
 いや まっ それは帰ってから....... うん じゃ 」

口座番号を聞く事からして 
本間氏との会談は上々の首尾らしいと察した 相方の声は大きく弾んでいました。





私は電話をしながら 向かい側で熱心に作品を見続けている本間氏の手に何気なく目がいきました。
長く金融関係の仕事をしている割には ひどく浅黒い色で 咄嗟にゴルフ焼けか とも思ったのですが
黒いだけでなく 指もかなり節くれ立って 一部皮膚疾患の跡のような荒れもあり
高級事務職とは思えないのが印象的でした。
しかし そんな些末な事など 160万という数字に 直ぐさま掻き消されてしまいましたが.....

本間氏
「先生 どうでしょう 部下達にも先生の作品を見せた方が 金を出しやすいですし 
 いろいろ納得もするので 小さい版画を1点 預からせてもらうというのは」

私はもっともな事だし この際小品1点くらい提供してもかまわないと思いながら
「えぇ もちろん! 結構ですよ どれがいいでしょうか」

本間氏
「この和紙に刷った花火の絵がいいですね  丁度この封筒に入る大きさですので」


「どうぞ どうぞ 
 それと これが口座の番号です」

本間氏
「判りました 消費税を入れると..... 168万ですね
 水曜に振り込むので 木曜には入金されると思います。
 作品はどうしても12月中旬には欲しいので会社へ送って下さい。
 その他の細かい事は また後で打ち合わせしましょう」

私は12月中旬まで2ヶ月近くあるので 作品も額も充分間にあうと算段しながら
「ありがとうございます!
 こんなに沢山買っていただいて......
 いやぁー 本間さんとは本当にいい出会いができまして 感謝いたします」

本間氏
「いやいや お安いもんです。
 こちらこそ 先生とお会いできて良かったです
 これで懸案だったことが今日中に終って ホッとしましたよ」



これが持ち帰った作品「祝祭(2)」

2006年制作 300×210mm ED 70 (未発表作品 価格は¥20,000の予定でした)


つづく 






ドキュメント10.21 その2「大パトロン」

2013-02-04 11:11:15 | その他 Other



10月21日(日)午後1時過ぎ

酒田の本間家と云えば江戸期の豪商中の豪商
現在まで数十代続いている事を考えると 一代で終わった紀国屋文左衛門よりも遥かに大きな商家
そして代々文人・墨客の庇護者であった本間家を継ぐ人物が
私の作品を欲しいと言っているなんて...... 人生判らないものです。

そうこうしている内に その本間氏から
もうすぐ新宿駅から埼京線に乗り換えるとの連絡があり
私も急ぎ大宮へ向かう事にしました。

出かけ間際 相方に今回の経緯(いきさつ)を簡単に話すと

相方
「すごーいっ! 本間家が後ろ盾になってくれたら 万々歳じゃない!
 パトロンねっ 信じられない!
 頑張ってねっ! 今日はお祝いだわ!」


「まっ 取りあえず 行ってくる」



大宮駅中央改札前のコンコース


大宮駅の中央改札口に着いたのは午後2時頃
10~15分程でそれとおぼしき老紳士が黄色の事務封筒片手に現れました。


「あのう...... 本間さんでいらっしゃいますか?」

本間氏
「あっ どうも 私です。 水落先生ですね」


「初めまして 水落啓です。
 今日はどうも.... お忙しいところ ご足労いただきまして ありがとうございます」
「さて どうしましょう......
 今日は日曜でかなり混み合っていますが どこかレストランでも探してみましょうか」

本間氏
「どちらでも かまいませんよ 先生のほうがお詳しいでしょうから」


しかし 天気のいい昼過ぎの大宮はどこも満員
作品を広げられる程のスペースのある店は限られ 
ファミレスあたりでも人が並んでいる状態でした。
焦ってきた私は ふっと思い付いて
「どうでしょうか 大宮から少し離れますが
 上尾まで行きますと すぐ近くにホテルもありますし ここよりは人出も少ないと思います。
 また電車で移動ですが 10分位で行けます......」

本間氏
「先生にお任せします。 この辺りは初めてなので......
 では 行ってみましょうか」

私たちは急遽上尾に向かう事になりました。





本間氏は 私の見たところ いかにも裕福な会社役員の休日の装いといった
目立たないけれど 質のいい紺のブレザーに ノーネクタイのストライプシャツ
細身の体と白髪を短く切り込んだ様子は 快活な現役ビジネスマンを思わせるのに充分でした。
歳は70代前半 物腰にも話し方にも余裕があって 顔立ちも名家に多いと聞く面長
何十代目かの宗家の惣領をこなしてきた雰囲気をそこはかとなく感じました。

上尾までの車中の会話

本間氏
「いやー 先生 突然で申し訳ありませんでしたね。
 どうしても今日中にお会いしたかったものですから。
 明日から神戸へ行く予定でして.....」
「私 長くニューヨークで金融関係の仕事をしているんですが
 仕事関係の友人やお客から 日本の版画が欲しいと よく言われましてね。
 えぇ 向こうでは日本版画がすごく人気なんですよ。
 それで今回 お土産に版画を持って帰ろうと考えていました。
 そうしましたら Kさんの所で偶然先生の版画を見まして
 これはいいっ!と これだ!と 思いましてね」


「いや 恐縮です ありがとうございます」
「ええ Kさんとは結構長いお付き合いをしています」


「ところで.... Kさんから伺ったんですが
 失礼ですが 本間さんはあの酒田の豪商と言われる本間家の方で?」

本間氏
「ええ...... 私は小さい頃 分家に養子に出されましてね
 まぁ...... いろいろありましたが 結局は本家を継いだ訳です。
 本間といっても今ではもう大した事はありません」


「あぁ そうですかぁ
 あの「本間様とは言わないけれど せめてなりたや殿様に」と言われている本間家なんですね すごいですね!」
「で.... 今 日本ではどちらに滞在されているんですか?」

本間氏
「熱海です。あそこは気候もいいですし」


「それじゃぁ 今日は熱海から八王子へ そして大宮まで.....
 いやぁ 申し訳ありません」


多くの executive がそうであるように この本間氏もここぞという時には
労を厭わない行動力の持ち主なろだろうと 私はすっかり納得していました。


つづく










ドキュメント10.21 その1「山形酒田の本間宗家」

2013-01-30 11:21:23 | その他 Other



<このドキュメントはすべて事実に基づいて書いています。
 登場する人物・場所等はすべて実在するものです>


10月21日(日)午前11時過ぎ

友人の彫刻家Kさんからの電話
「あっ どうも ご無沙汰しています Kです
 実は今 うちにある啓さんの版画を見て 是非欲しいと言う人がいまして えぇ
 これから そちらへ伺いたいと言っているのですが.....」


「おやまぁ それは それは....
 でも 今から.... Kさんの八王子から電車でうちまで来るのは 大変でしょう
 その方へ私のカタログを近々送りますよ
 それにwebで私の名前を検索しても作品を見られますし.....」

Kさん
「いや 是非実物をいろいろ見たいし
 この際啓さんご本人にもお会いしたいという要望でして
 (小さな声で)
 場合によっては かなりの量を買い上げたいらしいです.....」


「本当ですか?
 でも私の所まで3時間以上はかかるでしょう
 それに駅から家まで遠いし...... どうしましょうかね.....」

Kさん
「その方本間さんと言ってかなりお忙しい方で
 今日しか時間が取れないそうなんですよ
 何でもすぐアメリカに戻らなければならないらしくて
 一端 電話を切って こちらで本間さんと相談してみます じゃぁ 後で」






数分後にまた電話
Kさん
「うちにある啓さんの作品をひどく気に入ったようでして
 やはり是非 今日中に会って版画を見たいそうです どうでしょう?」


「判りました それにしても うちに来ていただくのは時間がかかるので
 途中の大宮の駅あたりで待ち合わせて 駅近辺のレストランかなにかで
 作品を見ていただくというのは」

Kさん(そばにいると思われる本間さんと相談している様子)
「あっ それで結構だそうです
 これからすぐ行くそうです
 新宿駅で乗り換える時 啓さんの携帯へ連絡するそうです
 そうそう 黒っぽいスーツで 黄色の事務封筒を持った70歳位の方です」


「わかりました
 連絡お待ちします よろしくお伝え下さい」






突然入って来た願っても無い話しと 急な展開に 
私は興奮し 慌てて見せる作品をかき集め始めました。
でも かなりの量を買うといっても どれくらいか検討がつかないので 
取りあえず近作20~30点を用意する事にしました。

そこへまたKさんから電話
「たった今 本間さんがそちらへ向かいました」


「いやぁーー 大変結構なお話をいただいて ありがとうございます!
 ところで 本間さんって どういう方なの?」

Kさん
「本間さんって 酒田ゆかりの人で
 アメリカの銀行の役員を長く務めているているそうです」


「酒田の本間って 昔のあの豪商の 本間宗家の?
 へぇーー すごいじゃない!
 どうして 知り合いになったの?」

Kさん
「いやーー それがねぇ 
 かなり昔に本間さんが佐藤忠良さんの作品を買いに アトリエに行った時
 忠良さんが私の事を随分誉めていたのを想い出して
 突然訪ねてこられたそうなんですよ」
(だんだん 興奮気味に)
「それでですね 実はね 私の彫刻を1点300万で買ってくれたんですよ!
 山形の会社の玄関に飾るって!」
「だから 水落さんも 高く言って バンバン買ってもらったほうがいいですよ!
 これはチャンスですよ!」


つづく






<注釈>
ご存知の方も多いと思いますが
一昨年3月98歳で亡くなった佐藤忠良さんは
かつて 北海道の全道美術協会の彫刻部の会員でもありました。 
Kさんも同じく彫刻部の会員です。
このブログでも忠良さんのお話書いています。こちら

http://blog.goo.ne.jp/kei-print/e/af149ab27cd012c76b68533a1bdc9435 








版友歯科編(89)極寒の国から 2013 その2

2013-01-18 11:58:32 | その他 Other



前回に引き続き極寒の国から それも今回は稚内!
年末にNORIKO先生 稚内に行かれた様で その時の画像も送っていただきました。

ではどぞ


日本の最北、稚内の画像です。

日本の鉄道線路の端っこです。言われれば当然の事ですが。(以下のコメントはすべて先生談)



北海道遺産、防波堤ドームでこの形になっているのは珍しいそうです。この辺は海抜2mとかなり低い土地です。



電柱と歩行者マークの間は歩道なのですが、全く人の歩いた様子がないので、20~30cmの雪の中を歩きました。
稚内の人は歩かないのか?



参考までに当日の天気。年末はこの程度でさほど寒くなかったです。日没は早い!です。



日本最北端、宗谷岬。さすがに岬は風が強く吹雪でした。
それでも、こうやって行く物好きはどこにもいるものです。


(物好きって..... この写真を撮っている先生も物好きやねぇ それも年も押し迫った29日に.... 啓)

この私の感想に先生のメール返信がきました。

「稚内行きは周りの反応も「何故今?」「夏にすれば?」等々かなり変人扱い?でした(笑)」

先生結構変人だったんですね。
でも私もこういう酔狂 好きですね。
そして やはり 北海道の醍醐味は「真冬」です!


と言った所で イッキにUPしましたが 見ているだけで背中がぞくぞくしてきます。
これだけではないんです。
追加でもう1枚送っていただきました。


ちょうど今日小樽に行きましたら、とても立派な(?)ツララがありましたので、添付します。
さすがにこの建物の下は通行禁止になっていました。


私はすっかり忘れてしまいましたが
北国の「冬の風情」って やはり独特ですね。
悲しい位 厳しいというか 凄まじいというか 淋しいというか.....


ではここで おまけで内地の「雪風情」を


先日の雪で覆われた裏庭
内地の雪は現実的にも情緒的にもwetですね。
これくらいでしたら ちょっと「雪見酒」でも という気になりますな。


いやはや先生 お寒い所 ありがとうございました。
またよろしくお願いいたします。


次回は久し振りに 食べ物の話題 「漬け物づくし 2013」をお送りします。




 




版友歯科編(89)極寒の国から 2013 その1

2013-01-13 12:53:55 | その他 Other


相変わらず寒いですね。
私の住む埼玉中部でも ここんところ毎朝氷点下1~4℃まで下がります。
私の仕事場の床はコンクリ打ちっぱなしなので 冷える冷える ホッカイロは手放せません。

でも昨日届いたNORIKO先生の画像は そんな内地の寒さを吹っ飛ばす 厳しさでした。

では 「極寒の国から」のお便りです。



ガラスのドアに付いた氷が氷付いたものです 雪の結晶がイイ感じに模様を描いてくれました 先生談

(先生の病院の玄関ドアですかね 「しばれるぅ」 という感じですね 啓 )


ツララは真っすぐ下に伸びるだけじゃない事を初めて知りました

(写真のようなつららと雪が屋根から落ちて 毎年ケガをしたり亡くなったりする人が出るんですよね.... )


12月大雪の後です。除雪はしても排雪が遅れて、除雪で出来た高い雪山


一晩で埋もれた車。数年続けて越冬していた例の車は今年はありません(笑)

(例の車ね ありましたね 雪国の車は長持ちしないですな)


電車通り。電車線路と車道の幅が車一台分あるかないかで、大変な渋滞と交通障害を起こしました

(小学校4年の冬 山鼻小学校脇の石山道路で写真のような除雪の雪山と 狭くなった道を走ってきた車に挟まれて級友が死にました.....
 千佳子ちゃんと云う かわいい女の子でした.....  つい想い出してしまって......  雪国は危険もいっぱいです)


赤い実に雪帽子が可愛い

(ナナカマドですかね ホッとする写真です) 


で 次回はもっとしばれる画像がつづきます。









太鼓芸能集団 鼓童

2012-12-26 12:04:10 | その他 Other



やはり師走は何やかんやで忙しく すっかり更新が遅れてしまいました。

まず年賀状制作 毎年結構時間をかけて作っています。
7色170枚 来年の干支の巳はなかなか難しい絵柄で
下手をすると気持ち悪い蛇になったり それを避けるため漫画っぽくしたり....
そうならない様に独自の賀状作りに苦心しました。

次に 毎年恒例の沢庵漬けと鰊漬けの仕込み
例年ですと1月に漬けるのですが 今年は寒いので早めに漬けてみました。

もう一つ 暮れまでに「鮭の飯寿司」を作る予定です。
(食いもん ばっかり..... )

いずれご紹介します。



といった慌ただしい12月ですが 
そんな中 先週の21日に文京シビックホールで開かれた「鼓童」の和太鼓コンサートに行ってきました。



鼓童と云ってもご存じない方もいるかもしれませんが
佐渡を活動拠点に 国内はもとより 海外でも活躍している太鼓演奏の集団です。

上のパンフでは見ずらいですが 
お正月の1月1日 NHK Eテレ「饗宴!新春の伝統芸能」 10:00~12:00 に
トップバッターとして出演するそうです。
関心のある方 御覧なってはいかがですか。


今年から芸術監督に坂東玉三郎氏を迎えて 構成・演出に新たな魅力を創出しているとのこと。


鼓童のホームページより拝借 http://www.kodo.or.jp/news/index_ja.html

大太鼓に向かう圧倒的・驚異的な体力と技量 
鍛えられた肉体美
息つく暇のない数々の和太鼓の合奏
CDでは絶対伝わってこない太鼓の波動
聴衆を魅了させずにはおかない見事な演出でした。

玉三郎氏を起用したというのも
「魅せる」「聴かせる」という点で
あるいは「芸能」という点で 歌舞伎との共通点があるからなのでしょうね。

でも 最初の「かでん」という曲は 
現代音楽としても通じる 太鼓の「音」そのものを追求していけるのでは
と思わせる演目もあって 非常に充実したコンサートでした。

「伝統と芸能」 改めて感じ入った次第です。

(でも 「生玉」に会えなかったのはちょっと残念... )


さて 今年も押し迫ってきました。
このブログも正月開け5日ころまで お休みいたします。
新春は久し振りに新作紹介を予定しています。

では 皆様よいお年を!