版画草子 All That Print Work

自作版画作品と日常の写真を日記形式で紹介してゆきます。
(画像の無断使用は固くお断りします。)

余震・原発・誘発地震

2011-04-24 12:15:36 | 作品 Works

強い余震がある度に ハッとするのは やはり頭のどこかに
「とうとう来たかっ」とか 「直下型かっ」とかの思いが咄嗟に浮かぶからなのでしょう。
その不安を裏付けるような記事が4月22日の読売新聞(ネット版)に出ていました。

「首都圏地盤に力、南関東のM7級誘発も…東大研
東日本大震災で起きた地殻変動の影響で、首都圏の地盤に力が加わり、
地震が起きやすい状態になっているとの解析結果を、東京大地震研究所のグループが22日、発表した。
震源が30キロよりも浅い地震は静岡県東部から神奈川県西部で、
30キロよりも深い地震は茨城県南西部、東京湾北部で起きやすくなっていることが判明した。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(引用終わり)

東大地震研ですから..... 何とも言えませんが......
しかし 関東・首都圏に住む私にとって
原発も良くなるのか もっと悪くなるのか どちらとも言えない状況ですし.....
その上誘発地震の不安も加わって...... 一体この先どうなるのか 気を揉む毎日です。 
だからと言って 何か行動する訳でもなく しっかり腹を括る事も出来ず 
なんとも落ち着かない昨今です。


そんな中途半端な気持ちの中でも 制作は妙に進んでいます。
以前完成させた「浦島太郎シリーズ」とはまた別に 浦島太郎を題材にした
「Planet Earth 太郎の時代」3部作を仕上げ
今またかぐや姫をテーマにした「かぐや幻想」に取り組んでいます。
その次は「牽牛と織り姫」など 続々と控えています。

不安を振り払いたい思いが 制作に集中させるのかもしれません。皮肉ですね....

(完成した作品はいずれブログで紹介したいと思います)

それと震災以来「心休まる絵を届けよう」と始めた「原画花シリーズ」も
身近に咲いている季節の花を描く事が 
私自身の大きな愉しみ いや心休まる制作となってきました。


そこで <今日の花>は 花だいこん



我が家の庭にもご近所にも 今盛りと咲き誇っています。
別名「諸葛菜」(しょかつさい)とも言うそうで
かつて諸葛孔明が戦地の先々で種を蒔いて食料の一部にした由来から付いた様ですが
しかし どう見てもこの花だいこん 食べられるとは思えません。
由来とは別物ではないかと かってに疑っています。





 



彫刻家 佐藤忠良さん

2011-04-03 12:13:51 | 作品 Works

先日 日本の代表的具象彫刻家 佐藤忠良さんの訃報が伝えられました。

忠良さんとはもちろん面識はありませんでしたが
ひょんな事で一度お葉書をいただいたことがありました。

忠良さんは2003年まで北海道の「全道展」に所属されていて
私が全道展東京支部長を務めていた時に 支部懇親会に出席していただけないか
お願いの連絡をしたことがありました。

早速 「残念ながら出席できない」 旨の自筆のお葉書をいただいたのです。

ただそれだけの事なのですが
私にとってはあの大彫刻家の葉書ということもありますが
あの女優佐藤オリエさんのお父さんの葉書!という方が 妙に感激した想い出があります。
(若い方は知らない人が多いかもしれませんね)

この2・3日必死にその葉書を探したのですが 結局見つかりませんでした。 残念です....

享年98歳 心よりご冥福をお祈りいたします。


「若い女(ひと)」 旭川買い物公園


そして <今日の花>は「チュウリップ」



例年ですと被災地でも もう直き咲き始めたことでしょう。
来年は多くの被災地で咲き誇るチュウリップを見たいものです。







新作「花シリーズ」その3「百合」Series of Flowers 3 Yuri(Lily)

2011-01-18 10:43:24 | 作品 Works
花シリーズの3作目です。


「百合」290×200mm ED 70  15色23回刷り 中金箔使用
Yuri 290x200mm ED70 15colors 23times impressions chu-kin leaf


百合の絵に「百合」のタイトルは あまりにまんまですが
「LiLy」にすると わたし的には 映画男はつらいよの「リリーさん」のイメージに引っ張られそうで
あえてストレートなタイトルにしました。

背景とほとんどのパーツ(花びら・茎)に グラデーションをかけたので
刷りは相当手間のかかったものになりました。

この花シリーズすべてに言える事なのですが 
刷りが複雑で 後日刷り増しをする時に悩みそうですが
しかし シルクスクリーン版画の魅力を充分出し得たのではないかと自負しています。

完成した花シリーズは今のところこの3点ですが 
引き続き「水仙」・「チュウリップ」・「コスモス」の制作を予定しています。
その前にお伽草子2点の制作もあって 年初から創作意欲が旺盛で 我ながらわくわくしています。

I titled it just Yuri in Japanese

If in English, it’s reminiscent of a heroin “Lily” in the movie “Tora-san..
It’s Tough Being a Man”
I used gradation printing for the background and most of the parts (petals, stems).
So, it took extra time and efforts to finish.
The process of printing is so complicated that I must be troubled with reprinting later.
But I could show enough the charm of silkscreen printing, I believe.

I’ll make Narcissus, Tulip and Cosmos continuously.
And I’ve already set about two folk tales.
Since the New Year has started, I’ve been full of drive and excited.


(余談ですが この百合の「鱗茎」ユリ根 は食用になるのですが
この調理法について相方とひと悶着ありました。 後日画像入りでお話します。)
Incidentally, some lilies’ cloves are edible.
We quarreled a little over how to cook them a couple of the days ago.
May be later about it.



<業務連絡>
「百合香ちゃん 気に入ってくれました?」



と云う所で 次回はNORIKO先生 総力取材の「ぶらり札幌 郷愁編 パート2」をお送りします。



新作「花シリーズ」その2「虞美人草」Series of Flowers 2       Field Poppies ”Gubijinso”

2011-01-06 11:50:02 | 作品 Works
花シリーズの2作目です。
the second flower of this series


「虞美人草」 290×205mm ED 70 
9色20回刷り 赤貝箔・中金箔使用
Gubijinnso 290x205mm ED70
9colors, 20 times impressions, red shell leaf and Chu-kin leaf


芥子の一種「ポピー」ですが 
この作品の雰囲気から和名の「ヒナゲシ」か「虞美人草」のどちらにするか迷いまして.....
ヒナゲシですと アグネスチャンを連想しそうで..... いや 悪くはないんですが.....
漱石の小説「虞美人草」 あるいは項羽の愛人「虞」のイメージの方が合いそうでこちらを選びました。

しかし 実際にサインの段階になって 画数の多さに気ずいて ちょっと後悔しています。

色数は多くはないのですが 花びら1枚1枚をグラデーション刷りしたので
刷り回数が増えて 刷りとしてはかなり手間のかかった作品になりました。


この作品もこのブログでの初公開です。

(関心のおありの方はこちら養清堂ギャラリーへ 
水落啓の「花シリーズ」と言ってお問い合わせ下さい)

This is a kind of poppy, but from the image of this work, I titled it in Japanese.
At first I was torn between “ Hinageshi” and “ Gubijinnso”.
If taking the one, you may associate it with Agnes Chan.. of course not bad though..
I chose the latter with “Gubijinso” by Soseki or Kohu’s lover “Gu” in mind.

Writing in the title, I regretted a little “How many strokes this Chinese character has!”
Used colors are not so many but it required time and great care because of gradation printing for each petal.

I’m also showing it for the first time.
If you are interested in it, please contact Yoseido Gallery




と云う所で 今年も漬け物シーズンになりました。

Now, the season of pickles!


毎年恒例の「沢庵漬け」と「白菜漬け」の他に 
今年は札幌の実家からいい身欠きニシンを送ってもらったので
久し振りに「鰊漬け」も漬けようと思っています。

ちょっと気温が気になりますが(もちろん 低い方がいいのです) 
果たして旨く漬かりますか どうか.....

食べごろはひと月後位ですかね 楽しみです。

I’m going to make Takuan and pickle Chinese cabbages.
In addition, I try to pickle herring and vegetables,
as I got good dried herrings from Sapporo.
I’m concerned about the temperature (the lower, the better of course)
I hope it will be done well.

新作「花シリーズ」その1「Calla」

2010-12-24 10:41:02 | 作品 Works

師走は何かと落ち着かず 更新が遅れてしまいました。

今年は特に第三の孫が今日か明日にも誕生という事態と重なって そわそわしています。
(現時点でまだ出てきていません)

しかし制作はなんとか順調に続けています。
暫く作品関係の話題が途切れていましたので 今日から数回に分けてお話します。

だいぶ前にゆで卵の殻に絵を描いたお話をしましたが こちら

その画像



この「たまご絵」に特にヒントを得た訳ではないのですが
「お伽噺」シリーズと同じ楕円の構図の中に いろいろな花を描き込んでみる事にしました。

「お伽噺」シリーズは現在ももちろん進行中ですが 構成と吟味にかなり時間がかかって
このシリーズばかりに取り組んでいると作品がちっとも溜まらないのが悩みでした。

そこでこの花シリーズの制作も並行して始める事にしました。

前置きが長くなりました。
早速その第一作目


「Calla」 ED 70部 290×220mm 15色28回刷り
(A3用紙より少し小さめのサイズです)

以前から何度か描いていた(たまご絵にもありますが)「カーラ」を最初に取り上げてみました。
形の面白さと優雅さが好きで だからこそか 得意な花の一つになっています。

シルクスクリーン版画の「グラデーション技法」の効果が良く出た作品に仕上がっていると思います。

この作品はこのブログ以外では まだ発表していません。
初公開です。

(関心のおありの方はこちら養清堂ギャラリーへお問い合わせ下さい)


現在まで他にもう2点完成しています。

順次公開してゆきます。




自画像

2010-11-08 10:38:40 | 作品 Works

前回は自分を素材にした おふざけ画像をお送りしましたが
この「自分を題材にする」という創作は昔から「自画像」として
多くの画家達によって描かれてきたのはご存知の事と思います。
(東京芸大の卒業制作の一部としての自画像なども良く知られていますね)

すぐに思い浮かぶ超名作も多いのですが
私自身はほとんど「自画像」には関心がありません。

自画像を描く動機としては 自分自身をどこまで客観視出来るか
あるいは自分の内面をどれだけ探求できるか というところでしょうが
私の場合 自分の内側などいくら探ってみても たいしたものは出てこない 
というのが結論なので ほとんど制作したことはありません。
(若い頃1~2点描いてみた事はありますが....)
 
しかし今回 私の所属する全道展の65周年記念企画として
「もうひとつの顔展」が来月12月9日から開かれることになりまして
この「もうひとつの顔」というテーマに引かれて 久し振りに私も制作してみようと思い立ちました。

前回のおふざけ画像もそんな事情もあって作ってみた訳です。

あの写真をそのまま出品できれば 面白いのですが
背景素材も加工技術も借り物なので 問題があります。

そこで 新たに制作してみたのが これです。



300×400mm デジタル出力・加工と手作業による転写と描画

昨今 版画の領域にもデジタル出力による作品が多くなりました。
私には大した技術が無いのですが 今回挑戦してみたものです。

でも 失敗です。
ちょっと お行儀が良すぎて 気取りも出てしまいました。
諧謔的な面でもインパクトでも 前回の「おふざけ」が勝っているようです。

さてどうしたものか.....




庭に咲いていた「ホトトギス」




秋刀魚の味

2010-10-08 10:52:54 | 作品 Works

いよいよ秋真っ盛りとなってきました。

いい季節です。
今年は特にしみじみと秋の良さを感じています。

 天高く 待ちわびたるや 鰯雲   啓



と云った所で 今回は 鰯 ではなく 秋刀魚 のお話

一般的には さんまの焼き方は下の画像のように焼くことが多いと思います。



レンジの大きさによって 頭と尾を切ったり 真ん中から切って焼いたりもしますが....

しかし最近 とんでもなく びっくりするような焼き方を 教わりました。

さんまを丸くして焼くのです!

それは 息子のお嫁さんの おばぁさんが好んで食べる焼き方だそうで
先日の「お宮参り」の折に伺ったお話です。

さっそく 我が家でもやってみました。 





ねっ すごいでしょ!
ほとんどの人は 初めて見たんじゃないでしょうか。

焼く前に尾をすぼめて目に通すと 通った後 尾が開いて焼けた後も外れません。

尾を目に突き通すのは ちょっと抵抗がありましたが.....

(いずれにせよ 食いしん坊は いや人間は 残酷ですから....)

かのおばぁさん さんまの「はらわた」が大好きなそうで この形だと良く焼けて美味しとのこと。




確かに良く焼けました。
私も 秋刀魚や鰯は 真っ先に内蔵から食べる方なので この焼き方 気に入りました。

身のほぐし方が従来とは少し勝手が違うので 戸惑いますが 美味しさはまったく変わりません。
今回はしませんでしたが 丸くなった真ん中に 大根おろしを盛るとVisual的にも もっと素敵なると思います。

一度 試してみませんか。




ごちそうさま!

(相変わらず 猫泣かせ です)






「桃太郎-誕生ー」その2

2010-04-13 12:35:39 | 作品 Works

桃太郎と言えば 昔話の最高峰 何かに付け例えられる様に 誰でも良く知っているお話ですが
「親孝行と云えど 乱暴狼藉を働いて 鬼から財宝を略奪してくるのはけしからん!」と
福沢諭吉も憤慨しているように 結構突っ込みどころの多い話しではあります。

(昔話はどれも 現代的な突っ込みを入れたくなるものが多いですが)

ここでそもそも「鬼」って 何か?
多分 得体の知れない怖いものの総称 異形に対する違和感の表現 現実世界と相対する魔性の世界
恐怖の具現ではあるけれど その中に偉大な能力を秘めている存在
 
そんな物がイメージされているように思います。

話しが長くなりましたが 今回の私の桃太郎は
「我が身に潜む鬼的な感性と 猿・犬・雉に象徴されるいい子的な感性の葛藤」と 捉えてみる事でした。





物語全体を
桃太郎自身の内的葛藤と捉えると 別な面の桃太郎が創れるのではないか という目論見です。

言うと簡単ですが それを画として創り出すのは..... 至難の業です.....
大変ではありますが 楽しみでもあります。

「桃太郎誕生」のつづきは もう少し先になりそうです。


最後に画集用にプロの撮った画像を


(そんなに変わりませんね... 箔があるので光加減が難しいようです)


次回はNORIKO先生のコラムです





4月11日の城山公園



「桃太郎-誕生ー」

2010-04-09 10:01:19 | 作品 Works

すっっかり更新が滞って申し訳ありません。

待ったなしにこなさなければならない仕事が重なって....

愚痴は止めて 今日は新作「桃太郎」のお話です。

このブログを始めた第一回目に「神話の始まりー渾沌ー」という作品を掲載しましたが
(こちら)
その頃からのテーマの延長として 今回の桃太郎があります。

昔話あるいは御伽草子は当時のお話をそのまま まともに読んでも さほど面白くはありません。
しかし解釈の仕方によってはかなり変わってきます。
その好例は太宰治の「御伽草子」でしょうか。
その中の「浦島太郎」なんかは かなり飛躍した話しになっていて感心したものです。

私もその様な昔話を私なりの解釈で絵にしたいと思ったのが動機です。


「桃太郎-誕生ー」 2010年制作 540×385mm ED 70部

この作品の構想は2年位かかったでしょうか。
原画も数十枚描いて やっと決まった最終原画では いぬ・猿・きじ も描き込まれていたのですが
どうも気に入らず 削って削って 最後に完成した時はこの様に 赤鬼・青鬼・桃太郎の三人になっていました。

数多くある絵本には 桃太郎はかなり細かく描き込んでありますが
鬼達は案外ぞんざいに 恐ろしさだけを強調して描かれています。

私は逆に鬼達をメインにしてみました。



青鬼


赤鬼

この鬼達の構想が決まった事で 私の桃太郎は俄然 充実したように思います。

つづく


<業務連絡>

恵ちゃん! 版画展に行っていただいてありがとうございました。
送って貰った写真 掲載させていただきます。



京都市立美術館は修学旅行の時に行っただけなので(古っ!) 
私もまた行ってみたいのですが....






和楽器製作 その2

2010-01-24 10:35:09 | 作品 Works

前回の和太鼓の完成品の画像が着きましたのでお見せします。


一寸二尺胴

なかなかいい感じに仕上がっています。
ちなみに 太鼓の横締めの縄の位置は お嫁さんの意見で
紋様がよく見える様に中心から少しずらしたそうです。やりますねぇ。


UP画像

この太鼓以前にもう一つ 大きめの太鼓も製作しています。


一尺六寸胴

天の川をイメージしたデザインにしました。



これで2つの太鼓が揃いました。

音の出具合はわかりませんが
もう少し木胴の仕上げを丁寧にすると 装飾的には完璧な太鼓になると思います。


この他には 三味線の「胴掛け」というのも製作しています。



梨地本金仕上げ

これは三味線の弾き手側の胴に被せて 三味線を保護するものです。




絵師として和楽器の製作に参加するのはなかなか面白くて気に入っています。
楽器の装飾は 西洋楽器にもあるようですが 
個人的な見聞ですが より和楽器に多く見られるのではないかと思います。
良し・悪し 好みにもよりますが 楽器に対する愛着の表現なんでしょうね。


では 次回はNORIKO先生のコラムをお送りいたします。


和楽器製作 その1

2010-01-20 10:14:25 | 作品 Works
版画作品は現在お伽草子シリーズとして 「桃太郎」の制作を進めているのですが
4月の日本版画協会展での発表の後 このブログで公開したいと思っています。

今回は版画制作の合間に篠笛に続いて作っている 「箔」を用いた和楽器の創作を見ていただきます。

(これらは皆息子からの依頼でサンプルとして作ったものですが
将来的には広く市販することを本人は考えているようです)

まず 和太鼓の胴です。



木工の職人さんが作った太鼓胴体に 月と雲をイメージしたデザインを金と銀の箔で貼付けてゆきます。

この様な曲面にもシルクスクリーン技法で印刷は可能なのですが 今回はステンシル技法をつかいました。

(曲面へのシルク印刷の解説はいずれお話いたします)



再剥離性ある薄いシートをカッティングして胴に貼付け 
くり抜いた部分に特殊なノリを塗って 箔を貼り付けてゆきます。



この後表面に箔保護のために厚く透明のクリアーを塗布して完成です。
完成品は次回で...

つづく


<業務連絡 完成品画像送って...>



<今日のお八つ>


紫芋の「芋羊羹」
最近紫芋づいていますが 解説は後ほど相方より

焼き芋にしたのを、甘い黒豆の煮汁で練って固めたものです。
真っ黒に見えますが、本物は濃い紫色です。
ぽつんと白く見えるのはうっかり入った黒豆君。




シルクスクリーン版画の出来るまで-補足5ーSilkscreen-Part2-5

2009-12-05 11:22:29 | 作品 Works
Managementの仕事もいよいよ最終段階に入って
来週あたりが山場となりそうです。

まっ 年内にはなんとか終わることが出来そうです。
いづれどんな仕事だったか 画像で紹介したいと思っています。

と云う所で つづきです。
As for the work I’m currently tackling, I’ll post it later.
Now, going on the party favor.



引き出物はこちらに決まりました。
This was picked.
明るい感じがいいという想いが私も2人も同じだったようです。

限定65部 21色31回刷り いよいよ本刷りです。
The light feeling was favorable to the couple and to me as well.
The edition number 65, 31 printings for 21 colors.
Now I’m starting to print.





完成品65枚を作るために 紙は75~80枚ほど用意しておきます。
大体5~6枚近くは 汚れや刷りずれがでますし 作家保存用(AP)も含めて多めに刷ります。

後は試し刷りの時と同じ刷り順ですすめます。
1色80枚刷るのに30分ほど(ぼかしはもっとかかりますが)
乾き待ちに1時間位

その間 篠笛を吹いたり パイプを吹かしたりして待っています。 

全行程が終わるのは4~5日 サイン・額裝に1日

はたして 貰っていただく方々に喜んでもらえるかどうか.... 一番気になる所です。


つづく (またも来週末になりそうですが....)
Prepare 75 to 80 sheets of paper for perfect 65 sheets.
Including AP, I print them more than designated in case of flaws.
By the same process as trial, I keep on printing.
It takes about 30minutes to finish 80 sheets per color.
(Gradation needs more time)
And it takes an hour to dry them, during then I play a bamboo flute or puff a pipe.
Four and five days for completion, and one day for sign and framing.
I've been wondering if the guests who receive it would be pleased, which is my most concern.





庭の枯れ木の中にぽっこり入り込んでいる 外猫の「ボク雄」君
Bokuo’s residence in our yard.
He is in a well-fitting hole and surrounded comfortably with fallen leaves and twigs.





シルクスクリーン版画の出来るまでー補足4ーSilkscreen-Part2-4

2009-11-29 10:46:55 | 作品 Works
相変わらず management の仕事が忙しく
更新がなかなか出来なくて
このブログを訪ねてくれる方には 本当に申し訳ありません。

途切れ途切れですが 再び シルク版画制作のつづきです。
I’m sorry I can hardly renew this.
Even if intermittently, I’m going to continue to talk about silkscreen printing.

 

息子の結婚式用引き出物の試作として 4種類制作します。
I made as trial four different prints for the party favor.


部分的にも「ぼかし」を沢山使います。
I used partly a lot of gradation.


だいぶ完成に近づきました。

それぞれ微妙におもむきが違って どれがいいか かなり迷います。
The finish was drawing near. Each had a subtle nuance.
I was undecided, which I should choose.



最終的にこの2種類から 本人達に選んでもらう事にしました。

テーマは 「収穫」あるいは「実り」

この構成 どこかで見た覚えはないでしょうか...
そう 5円硬貨に刻まれている絵柄を参考に使いました。
(ご縁がありますようにの気持ちも込めて)

版画制作全般にも言えることですが
特に記念品として 
強制的にもらっていただくような場合の作品は とても気を遣う難しい仕事です。
So, I left a choice of the final two to the young couple.
The theme is “Harvest “ or “ Fruition”
You may already notice something.
Yes, the image came from that of “five-yen coin”
(Five-yen is pronounced “go-en” and “go-en” sometimes means good relationship in Japanese.)
I feel another difficulty with making prints as a memento, because presentees have no free choice.


つづく




庭の日だまり
A sunny spot in our yard


次回はまた遅れて 週末の予定です。



シルクスクリーン版画の出来るまでー補足3ー

2009-11-14 10:06:56 | 作品 Works

やっと更新です。

バタバタ バタバタとしてあっという間に一週間が経ってしまいました。
毎朝早くに我が家を出て府中に車で通っていました。 あーーしんど

ところで オバマ大統領 日本では神戸牛とまぐろを食べたいと外務省に伝えたとか...
なんとなく ミーハーぽっい希望がいいですね。



ぼかし刷りのつづき


こね合わせたインクを版上に被せます。


スキージを約60°位傾けて インクを押し込む様に均一の力で手前に引きます。


刷り上がった状態


同じ様に3色のぼかしも出来ます。


版上に三つの色を少し重なる様に置きます。


二色のとき以上に丁寧に注意して混ぜ合わせます。


刷り上がった状態

理屈的には何色のぼかしでも可能です。
虹色なんかも綺麗に仕上がりますが かなり難しいです。

つづく


NORIKO先生の新着画像です。


晩秋の札幌豊平公園
冷たい空気まで感じられますね。

シルクスクリーン版画の出来るまで ー補足2ー

2009-11-08 11:22:12 | 作品 Works

明日からまた鬼の様なManagementの仕事が再開されて
今月一杯続きそうなので ブログ更新は土日に限られると思います。

どうぞ気楽にお付き合い下さい。


今回は「刷りグラデーション」別名「ぼかし」を少し詳しくお話します。


一つの枠には何色分もの版を詰め込んで作ります。
(黄色い部分がスクリーンを通してインクが刷られる所です)
今回は右下の赤線で囲んだベースとなる楕円をぼかし刷りにます。



刷りたい位置に絵柄がくるように紙を置いて ガイドを三カ所決めて固定します。
この「ガイド」は「アテ」とも言います。(紙を当てる場所という意味ですね)
木版画では「見当」と云っています。

ガイドは刷る紙とほぼ同じ厚みか薄い材料(紙・塩ビ等)を使用します。
厚いと刷るときスキージの障害となってうまくありません。



楕円以外の刷ってはまずいところは紙テープやセロテープで塞ぎ
二色のインクを矢印の様に少し重ねぎみに置きます。



出来るだけスキージを真っすぐ上下させて インクを混ぜ合わせてゆきます。
二色のインクの混じり合うところが滑らかに自然に解け合うようにコネます。
ぼかし刷りの一番肝心な作業です。

つづく


<おかきご飯 その後>


柿の種ご飯がさほど美味しくなかったので 思い切って「お粥」にしてみました。
それも砕いたおかきをのせて....
お粥なのか 湿ったおかきなのか 判らない味になりましたが
まっ 美味しかったですよ

多分もう おかきご飯は作らないと思います....