岸田総理は秋葉復興相と杉田政務官を事実上更迭した。
秋葉大臣は疑惑がつぎつぎと浮上していた人物。これで4人もの大臣が相次いで事実上更迭されるという異常事態となった。
杉田政務官については、そもそも、差別的発言が指摘され続けていた人物なのになぜ任命したのだろうか。派閥の言いなりで政務官に任命した責任が国会でも厳しく指摘されてきた。遅すぎる当然の更迭だ。
杉田水脈の差別をあおる言動はあまりにも酷い。SOGIなどの性的少数者は「生産性がない」などとする月刊誌へ寄稿。「男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想」、「日本には命にかかわるひどい女性差別は存在しない」、女性への性暴力に「女性はいくらでもウソをつけますから」などの発言。国会での夫婦別姓質問に「だったら結婚しなくていい」とヤジ。チマ・チョゴリやアイヌの民族衣装への侮蔑など、本人が認めたものだけでも数々存在する。
これらの言動はヘイトスピーチそのもので、「多様性のある社会の実現」を掲げる岸田内閣の政策にまったく反しいる。
リベラルな政治理念の宏池会の系譜を継ぐ岸田総理。それだけに、水田政務官の起用は良識的な多くの国民をアッと驚かせた。
トップリーダーが政治理念でブレてしまったら、政権は求心力を失ってしまう。「更迭」がそのブレを修正する始まりになることを、それでも、まだ期待する。