10月11日、12日、13日の三連休。
この三連休は骨董市出店の予定が無いので、作業場でストーブたちのメンテナンスです。
11日は、去年から川越骨董市に何度もストーブを見に来てくださっていたSさんが、
“次の冬はアラジンのある暮らしがしたい!”と、わざわざ作業場まで足を運んでくださり、
10数台ある全てのアラジンの在庫の中から、お気に入りの1台をお買い求めいただきました。
アラジンのある生活、ゆっくりと楽しんでください!
お店の準備も頑張ってくださいね。
さて連休二日目の今日12日。
ちょっとばかり大掛かりなメンテナンスをやりました。
どう大掛かりなのかを簡単に説明しますと、
まったく同じ型式のアラジンが2台ありまして、
1台はタンクの形状に少し不具合があり、タンクそのものを交換したほうがいい状態。
こちらをA。
もう1台は、芯を上下させるツマミの軸が曲がってしまっていて、これも要・交換。ただしタンクは正常。
こちらはBです。
大掛かりなメンテナンス、イコール、“移殖手術”とは、
Bの正常なタンクに、Aの正常な曲がっていない軸を移殖して、完全な状態のアラジンを1台作るというもの。
今回、手術台に上がった2台のアラジンたちです。 左がA、右がB。
アラジンのシリーズ39の対震消化装置は、
『揺れを感じたら、バネの力で芯を上下させる軸を強制的に芯を下げる方向に回して、
火を消してしまう』というもの。
そのためアラジンのタンクには、バネの力で動こうとする部品が必要以上に動かないようにするために
途中でガッチリと受け止めるための工夫がなされています。
ただ、何度も何度も受け止めていたら、さすがにその部分に負担がかかり、どんどん磨耗していきます。
次の写真は、まだ磨耗が少ないBのタンクの写真。
そして、磨耗が激しいAのタンクの写真。
Aのストーブは、磨耗の影響で、バネの力で戻ろうとする部品を受け止められないことがあるため、
対震消化装置がうまく働かない原因になっていました。
そして次に、ツマミの軸。
上の真っ直ぐな軸はAの物。 下の曲がった軸はBの物。
下の軸は、相当、強い力が加わって曲がってしまったようです。
いったいどんな状況だったのでしょうか?
というわけで、2台のアラジンから具合の悪い部品を外して、
調子のいい1台を仕上げていったのでした。
下の写真は、Aのタンクから軸を抜きとっている写真です。
移殖手術後、いつものように青い炎が出ることを確認して、作業終了です。
このところ、急に涼しくなってきたので、いつでも使い始められるように、
早速、Aのストーブを、オーナーの東松山のH様に届けてきました。
今年も、アラジンのある、あったかい冬を楽しんでくださいネ!
今回のブログは、久しぶりに長編でした。 最後までお付き合いいただき、感謝!