ただ、この『 連続 正方 井桁アーチ構造 』Crossing-Arches Vaults は、かなり難しかった
構造のようで、、、
これは ハガルツィン Հաղարծին 修道院 から 北に25kmくらい、ジョージア国境近くの
かなり山の中の Deghdznut Monastery 修道院という、修道院の遺構なのですが、、、
夏場なら、何がなんだか、さっぱり判らない、、、
井桁アーチのアーチ部分( Rib Vault リブ・ヴォールト )の『骨』を残して、他の部分は
崩れ落ちてしまっています、、、。ヴォールト状 の 天井面の石材 は、想像していたよりも
はるかに薄く、まるで『膜 』のようで、 Catalan Vault カタラン・ヴォールト(注)みたい
です、、、。
( 注)の Catalan Vault カタラン(カタロニアン)・ヴォールト
なにかの事情で、修道院が放棄されて、何のメンテナンスも行われなくなり、木造下地の
瓦屋根が雨漏りを起こして、落下した雨漏りの水が、その下の ヴォールト状 の 天井面の
石材の目地に浸み込み、冬場に凍結融解を繰り返して、崩壊したのか、、、
それとも地震か何かで、一気に崩壊したのか 、、、
でも、こういうのを見ると、このブログの記事の『 金枝篇 』で紹介した、この話を思い出して
しまうんです、、、。
J・G・フレイザー と言えば「金枝篇」なのですが、、、、その中でいやな物語を
読んだ記憶があります。東欧のアルバニアだかどこだかの「建築家に影を売る男」
の話です。「金枝篇」自体は、王権交代の時の「王様殺しの話」かな?と思って
読んだのですが(それも、放っておけば病気で死ぬのに、わざわざ殺すみたいな、、
、)、建築家と呼ばれる人も、何かの事情で殺されるのは嫌ですから (どうしても、
そういうことが起こるんでしょうね、、、商売柄なんとなく判るんです、、、)
身代わりになって殺される「影」を、お金で買うし、その「影」を売るのを商売に
する男がいた、と言う話です。日本で言えば築城の時の「人柱」みたいな話なの
ですが、読んだ時に嫌な気持ちになったのを覚えています。
当時、アルメニア人の 建築家は、かなり優秀で、小アジア から バルカン半島、中近東、
コーカサス地方までの、かなりの広い範囲で活躍していたらしくて、イスタンブールの
アヤ・ソフィア Hagia・Sophia は、山川の世界史の教科書では、設計したのはギリシャ
人のイシドールって事になっているんですけど、建設途中に技術的な問題や 地震や 戦争
で何度も崩壊したらしくて、最終的に現在の姿のドームを 994年 に完成させた、Trdat と
いう建築家の人は、アルメニア人の 建築家 だったようなんです、、、。
10世紀の、アルメニア人の 建築家 Trdat ( トルダット ? )さん