北海道函館市の建築設計事務所 小山設計所

建築の設計のことやあれこれ

沖縄の「神の道」

2014-11-29 18:04:13 | 日記
村武精一さんと言う方の『神・共同体・豊穣』(未来社)に、次のような図が載っていまし

た。沖縄本島名城というところ(「ひめゆりの塔」のすぐ近くです。)の民家の屋敷地の図

です。





図の右端(方位だと東側)に「神の道」とあります。ΦUN∫iとあるのは「屋敷神」の祠の

ようです。(この大きさだと「神アシャゲ」ではなさそうです。)この図を見たときは驚き

ました。この図の場合は東側で塀に囲まれて、実際には誰も歩かないような書き方です

が、仲松弥秀さんの『神と村ー沖縄の村落ー』には、祖先のお墓、または「御嶽(うた

ぎ)」からの道が、屋敷地の東側から南側をぐるっと周って、人の実際に日常に歩く道路

に「神の道」と書いてあって、祖霊なり神人が家に来る日には、「白い砂を撒く」と書い

てあったと思います。(海岸から白砂を持ってくるようです。前の記事の沖縄粟国島のハ

チウクシ行事前編にも海岸で砂を採っている人の写真があります。)


沖縄では、神様が日常の身近なものだったのです。


能がテープレコーダーよろしく、現代の私達に中世の人達の声を保存して聞かせてくれる

ように、沖縄は私達に古代の人々の暮らしぶりを今に伝えてくれる、大変ありがたい島々

です。


仲松弥秀さんの『神と村ー沖縄の村落ー』は家の中を探したのですが、出てきませんでし

た。なにせ、整理整頓がわるいものですから、、、。(部屋の中も、頭の中も、まるでこ

のブログのように、あちこち飛び散らかってグチャグチャです、、、。)見つかりました

ら、図版など、この記事に追加します。



すいません。『神と村』(伝統と現代社)探して見つけたんですけど、違ってました、、。

別の本だったようです、、。いくらブログとは云え、ダメですねー、、、。村武精一さん

の別の本だったかも知れません。また探してみます。




追記 名城

   







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沖縄粟国島のハチウクシ行事

2014-11-29 10:29:12 | 日記
富山県高岡市出身の写真家の方で、きはらもりおさんと言う方の沖縄粟国島のハチウクシ

行事の写真です。本職の写真家の方の写真なので勝手に載せられませんので、皆さん開け

てご覧になってください。中に「門付け」のシーンと思われる写真が何枚かありますが、

さすがに写真家の方の写真なので、非常に上手に撮られています。



沖縄粟国島のハチウクシ行事前編

  http://morio.main.jp/2013%20special%20album/2013.2.12.01.pdf


沖縄粟国島のハチウクシ行事後編

  http://morio.main.jp/2013%20special%20album/2013.2.12.02.pdf



きはらもりおさんのホームページはこちらです。

  http://morio.main.jp/


「ハチウクシ」は「初起こし」(または「初越し」?)の事で、旧暦の1月3日(2月12日)の

午前零時から行われるようです。










僕が下北半島で若者3人を車に乗せたのは、大晦日の深夜、、、。(だけど太陽暦、、。)







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尼僧物語

2014-11-28 16:29:16 | 日記
オードリー・ヘップバーン主演の映画です。





ベルギーの医師の娘(オードリー)が修道女になって、当時のベルギー領コンゴで医療に

携わりますが、帰国後ナチスには協力出来ないとして、修道院から離れて一般人に戻りま

す。その最後のシーンです。








修道院の一室で還俗?の手続きをして、平服に着替えて、いきなりドアから外の街に出ま

す。(映画はそこで終わります。)


修道院の中と言うのは一種のアジールのはずです。このドアはヨーロッパ版の「中門」と

は考えられないでしょうか?(それにしても、いきなりドア一枚で街に出てしまったので、

ビックリしたのを覚えています、、、。)


もちろん、このドアは修道院の正面入り口のドアではないはずです。おそらく、納入業者

さんなどの出入り口を兼ねた通用口のようなドアと思われます。武橋洞の辛氏家で言えば

「後門」もしくは「後戸」?でしょうか、、、。


でも、良く考えると、このドアの部屋は実際の修道院の一室ではなく、「いきなり世俗の

世界に還る」シーンを演出するために選ばれた、民間の建物の一室なのかも知れません。

(ドアの上の欄間?の十字架も撮影の時だけ取り付けられた、、、?)

最近のテレビドラマでも、学校のシーンは千葉県で、喫茶店のシーンは中野区で、橋のあ

る公園のシーンは八王子だったりして、継接ぎの映像を私達は見せられていて、頭の中に

イメージだけが刷り込まされていたりする事も無いことはないようですから、、、。)


昔、磯崎新さんが審査員で、スーパースターの家を設計しなさい、と言うコンペがありま

した。他の人は、一所懸命に個別のスーパースターの具体的の家のプランニングを提案し

たのですが、磯崎新さんが一等案に選んだのは、芸能雑誌などに載ったスーパースターの

家の断片的な写真をコラージュして、「スーパースターの家は、我々のイメージの中にし

かない」と喝破した案でした。


追記 今、函館にいる後輩のT君が教えてくれました。磯崎新さんが一等案に選んだ案の

   作者は、現在、某国立大学の美術学部建築科のトム・ヘネガン(Tom Heneghan )

   教授です。 
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『門付け』の風景

2014-11-27 11:21:25 | 日記
このブログの最初の方の「下北半島」でふれた、朴銓烈(パク・ジョンニョル)さんの

『「門付け」の構造ー韓日比較民俗学の視点から』で紹介されている、韓国の門付け

の写真です。





残念ながらこの写真からだけでは私には、この「門」が「中門」かどうかは判りません。

(「門」と言うよりは、柴垣?のような、「木戸」のようにも見えます。おそらく辛氏家

のような中人の邸宅ではなく、もう少し一般的な民家の庭先かとも思います、、、。)



日本の『門付け』の写真です。







(筆者撮影)とあるのは、著者の朴銓烈さんご自身です。おそらく、日本に留学中にご自身

で撮影されたものと思われます。

『「門付け」の構造ー韓日比較民俗学の視点から』は弘文堂から平成元年に出版されて

います。よろしかったら皆さんお買い求め下さい。当時6800円でした、、、。
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『中門』と女性原理

2014-11-26 18:55:10 | 日記
その、朱南哲さんの「韓国の伝統的住宅」の中に、次のような記述があります。


   女子は中門から外に出ることが出来ず、必要があって中門を出入り

   する時には、それに対する便法として被衣(かつぎ)をかぶるように

   した。


大門でも小門でもなく、「中門」なのです。日本でも絵巻物などを見ると、平安時代の

女の人は寝殿造りの庭で何か行われているのを見るときに、御簾(みす)越しに扇子で顔

を隠しながら見たようです。現代でも中東には女性は家の外では顔を隠さなければいけ

ない国があるようです。(女子サッカーか何かの競技でも特例があったようです。)


もう一度、辛氏家の平面図に戻ります






「内房」とあるのは「主屋」と呼ばれて、女性達の住んでいる部分で、囲われている庭は

「内庭」、付属する女性専用トイレは「内厠」と呼ばれているようです。

「舎廊房(サランバン)」とあるのは「舎廊棟(サランチェ)」呼ばれて、主人(男性)の住ん

でいる部分で、囲われている庭は「舎廊庭(サランマダン)」、付属する男性専用トイレは

「外厠」と呼ばれているようです。

(子供は数に入っていないのでしょうか?だいいち男の子と女の子の区別など無かったのか

もしれません。子供はどこでも出入り自由?この辺りは『子供の誕生』を参照か、、、?)


「中門」を入ると、そこは「内庭」で女性達の庭です。台所(釜屋)もあります。「キムチ

小屋」は「主屋」の後ろ側(後庭)でしょうか?(韓国では門付けの時、キムチの甕や味噌置

き場を御祓い?するようなのです。それにしても「後門」と言うのは何だか怪しい、、、

日本で言うと、西行法師の「北面の武士」の「北面」のような、、、。)


おそらく「内庭」に付属している「房」が女性の使用人などの部屋で、「中門」の手前の

「行廊庭」に付属している「房」が男性の使用人などの部屋と思われます。(女性の

「房」の数の方が多い、、、男はどこでも食べていけと言う事か、、、。)


このあたりは、朝鮮・韓国における儒教文化の強さの現れでしょうか?






追記  『内』の字は女性と関係があるのかも知れません。寝殿造りの中門の脇の『内侍所』

     は、女性の技芸者?の為の建物だったようですし、『内儀』は「おかみさん」の事

     でしょうし、『お姉さん』の「ねえ」も「ない」と似ていませんか、、、?






















 
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