昔、高階秀爾さんと言う方がいて、山階鳥類研究所じゃないけど、何となく高貴な感じの
する方で、確か音楽番組などに出演されて解説をされると、その喋り方と言うか喋り口調
も、もの凄く高貴な感じがしました。(私は音楽はチンプンカンプンで、内容はさっぱり
わからなかったのですが、、、お恥ずかしい話で、、、)そこへ行くと、ジャズの評論家
の人の喋り方なんて言うのは、まったく普通の、人によっては「べらんめえ調」だったり
して、「ずいぶん違うものだなぁー」なんて思っていましたが、NHKの「レオナルド・ダ
・ヴィンチの生涯」の案内役の「おっさん(と言っても若いんだけど、、)」の喋り方を、
2:30 頃から出てくるのが案内役の「おっさん」です。これは
元の英語版なので、日本語の吹き替えにはなっていません。
林達夫さんが褒めちゃったりした事もあったせいなのか、しばらくして美術番組に出る
ようになった各地の美術館などの学芸員の方の「喋り口調」が、何となく高階秀爾さんの
話し方に似ているように感じてしまったのです。「何で音楽と美術の人の喋り方が同じ
になってしまうんだろう?」と思ってしまったのです。だいたい、オペラのあらすじなど
には、浮気しただの、切ったの腫れたの惚れただのの話もあるわけで、警察の署長さんが
浮気をした話を、高貴な喋り方で説明されても困るんです、、、。学芸員さんは、死んで
しまっている作家さんを、「佐伯は、、」とか「靉光は、、」とか、呼び捨てにすると、
カッコいいと思っているみたいなんです、、、。(僕なんか、「靉」が苗字なのか「光」
が名前なのかさえ判らない、、、。知り合いは息子さんの名前を「日郎」ってつけたけ
ど、、、。)あと50年か100年もしたら、テレビに出てきた学芸員の人に、建築の設計を
していた建築家の人が、「○○は、、」とかって、呼び捨てにされたりする時代が来たり
するんだろうか?
(でも、だからと言って「さん」を付けまくるのも、しんぶん「赤旗」みたいで、丁寧す
ぎるのも如何なものか、、、?「日刊工業新聞」とか「繊研新聞」などの業界紙くらいが
ちょうど良いのかも、、、、。)
追記
youtubeで小林秀雄さんの喋っているのを見て、びっくりした。高校の時、筑摩の現代国
語の教科書で読んだ「無常といふ事」とは、だいぶ印象が違う。東京の下町の「べらんめ
え言葉」だったのです。ランボーのフランス語なんて思い浮かびもしない、口述と筆記は
別だったのです。松岡正剛さんや内田樹さんは、書き言葉を先に読んで、話し言葉を後か
ら聞いても、そんなには違和感はありませんでした。
追記の追記
確か、「無常といふ事」の中に「中将姫」が出てきたと思うんだけど、折口信夫の「死
者の書」の「中将姫」と同一人物なんだろうか?だとしたら、「死者の書」は昭和10年く
らいで、「無常といふ事」は敗戦後すぐのはずだから、小林秀雄さんは折口信夫の「死
者の書」を、かなり意識して「無常といふ事」を書いたんだろうか?高校の現国の先生は
何も触れなかったけれど、、、。だいいち、日本の高校では、歌人の釈超空としての折口
信夫は教えるけど、古代研究の国文学者、民俗学者としての折口信夫は教えない、、、。
あまりにも危険だからだろうか?
「死者の書」の人形アニメです。ヨルタモリの宮沢りえさんが南家郎女の声をしてます。
リンク切れのようです。こちらから御覧下さい。
http://static.hdslb.com/miniloader.swf?aid=2493442&page=1
追記の追記の追記
すいません。小林秀雄のほうは「玉依姫」でした。ダメですね、いいかげんな事を書いて
は、、、。
http://www2.biglobe.ne.jp/~naxos/tohoku/tamayori.htm
柳田国男の「清光館哀史」も、昔、教科書に載っていました。このお三方が生きていたら
「中将姫と玉依姫」という題か何かで、高校生向けの鼎談でもしてほしいです、、、。