北海道函館市の建築設計事務所 小山設計所

建築の設計のことやあれこれ

若い大工さん

2014-09-30 15:19:45 | 日記
最近の30代くらいの若い大工さん「ひとり親方」が多い、、、。「棟梁」って言葉は死語

になるのかも、、、。音楽ユニットじゃないけど、現場毎に何人か友達同士か仲間同士で

ユニット組んで入ってくる、、、。たぶん手間賃も公平。誰と打ち合わせしたら良いか判

らない、、、。朝起きたら、アパートから軽の1BOXで現場にやってくる。作業場も下小屋

も何もない。現場に直接来て、現場からアパートに帰るだけ、、、。建築会社の監督さん

が資材会社から直接現場に搬入させた「建材」を手際良く取り付ける。「下拵え」とか、

そういうのは無い、、、。「手離れの良い」工事なり作業が好まれる、、、。レストラン

とかで言えば、私の地元の街にもある、大きな冷凍倉庫かかえた「食材会社」から、ある

程度調理済みの冷凍された「加工食品」を少し手を加えて(中には「チンっ」するだけだ

ったりして、、、)お客さんに出したりするのと、たいして変わらなかったりして、、。

建築現場がファミレスと変わらなくなってしまっている。これから家を建てようと考えて

いる若い建て主さん達、気が付いているんだろうか?マイホームセンターや住宅展示場を

見て廻っているだけじゃ判らない事って、たくさんあると思うんだけど、、、、、。

このブログの最初の写真の階段、多分、申し訳ないけど、今の大半の若い大工さんは工事

してくれるだろうか?(ハウスメーカーなどの住宅で、ちょとした廻り階段でも「すき間」

多数散見される事あり。中には「階段はこの中からだけお選び下さい。」ってハウスメー

カーもあるらしい、、、。)東京オリンピックの前くらいの古き良き時代に、住宅の設計

したかった。深川の三好町とか平野町には、まだ古くからの「材木屋さん」がたくさんあ

って(今は東京湾の新木場に移ってしまった、、。)、日本中から今では考えられないよ

うな良材が集まっていた。店の奥の居宅にはお嬢さんが居たりして、職人さんは半纏で、

白河町には鍛冶屋さんまであった、、、。(同潤会のアパートもあったけど、、、、。)

正月になると、材木屋さんは、立て掛けた材木に正月飾りして、、、。(今じゃ、本職の

大工さんが材木足りなくなったら軽トラでホームセンターに買いに走ったりして、、、)

世の中、変わってしまいました、、、、、。
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鶏と卵

2014-09-30 13:30:33 | 日記
さっき考え事をして、ふと気が付いた。予算が合わないと思ったのか、人工が読めないと

思ったのか、もしくは自社の大工だけでは手が足りなかったのか、木工事に自社の大工

を、わざわざ使わずに(普通は常傭の自社の大工の仕事が発生するので、建築会社はそう

しない、、、大工さんの仕事を作る為に営業して仕事を何とか取ろうとしている側面もあ

るので、、、大工さんを自社で抱えている建築会社は建築会社で大変なのです、、。)、

間に、聞いた事もない会社を挟んで、末端の大工さんに仕事を発注した会社があった。

(その聞いた事もない会社はお神酒だけ地鎮祭の祭壇に供えてあった、、、。)これは、孫

請けとか何次下請けなどと言って、してはいけない事になっている、、、。だけど、、、

してはいけないからと言って正直に自社で直接「仕事が今ないから、その非常識に安い賃

金でもしょうがないや」と言う大工さん達を何とか探し出して、仕事を発注したら、、、

たぶん後が大変だろう、、、、。現場が始まったら、その大工さん達は何かにつけて直接

その元請の会社に不平不満をぶつけるだろう、、、。(ごめんなさい、大工さん達、、、

でも人間だもの、、)賃金そのものは、約束だから言わないとしても、「こんな手間のか

かる、やり方は出来ない」だの「聞いてない」だの「やってられない」だの「もう、こ

の現場はやらない、他の大工探してくれ、おたくの仕事は二度としない」って事になりか

ねない。これじゃ現場はうまく行かなくなってしまう、どころか工期は間に合わなくなっ

てしまうわ、最後は元請の責任問題、、、、。ところが、間にもう一社挟まっていると、

元請は少なくとも、そのての金銭を含む「労務管理」からは解放される、、、。なにか

あっても、間に挟まった下請け会社に「おたくでけ穴(ケツ)持ってってくれよ」で済む。

「○次下請け」などと聞くと、単なる中間搾取の構造かと思うけど、人間社会ってタマゴ

とニワトリのように、どっちが先で、どっちが後だか判らないって事あるのかも、、、。

(要は、普通の賃金で、普通に直接に仕事を発注しないと、物事は上手く行かないので

す。人間だもの、、、。でも仮に設計士に、それをチェック可能な権限を与えたとすると

、中にはそれを逆手にとって悪さをする設計士が出てくるかもしれない、、設計士って、

悪さをしようと思えば、インサイダーでも何でも、いくらでも悪さの出来る立場だから。)



前に、このブログで紹介した函館の(株)N成田さんは、自社に棟梁格の50歳台のベテラン

の大工さんが何人もいて(社長の成田さんの昔からの職人仲間の大工さん達のようで

す。)、直接施工の優良工務店です。私の現場には、その棟梁格の大工さんを何人も入れ

てくれました。(これは最近では非常にめずらしい事なのです。)
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建築教育

2014-09-28 12:54:22 | 日記
僕が建築教育するとしたら、、、、まず、18才とか19才の大学生は、多分ダメ。色気づく

12才から13才くらいまでが限度。ありあわせの木材の端材(つまり「ブリコルール」

って奴ね)や大掃除(死語か?)の時の家具などで、いわゆる「秘密基地」を作らせる。出来

れば、樹上タイプと、穴倉タイプの2種類。樹上タイプは、上から見下ろす感覚を体験

してもらう。(宮崎駿さんのアニメね。)そして、迷路を作らせる。(最初は、平面迷路、

次は立体迷路、これはちょっと難しい。階段の階層タイプと、ドアによる縦層タイプの

2種類あって、後者は妹島女史の集合住宅参照。)最初から役に立つプラン作らせて、そ

のコンセプト?を説明させる建築教育なんて、まずダメと決まっているようなもの、、。

言葉のはじまりが、琉球の「おもろさうし」のように「なぞなぞ」から始まるように、

空間商売の設計は、空間の「なぞなぞ」である、「迷路」がよろしい。(くれぐれも、す

ぐに役に立つ事なんて、考えてはいけません。)工作と絵は大変よろしい。工作は割り箸

でも何でも可。絵は「色」をつけること、もしくは、色のついたものを白黒デッサン。

(18才とか19才で、素材とか色の感覚は、手遅れの公算が大。実は、自分がそう、、、。

やっぱり、子供の頃に手で触んないとダメ。泥団子でも何でも可。)

書道と囲碁を習う。書道は、半紙という空間の中で、書き始めに、書き終わりを予想しな

がら、全体の「納まり」や「バランス」の感覚を身につける。(ある程度の広さの敷地で

アプローチや入り口りの位置を正しく決められない設計士や建築家?はゴマンといる、、

正しい入り口の全体の敷地の中での位置、正しいアプローチの仕方が見つかったら、その

設計の半分は終わったようなもの、、、。これが難しいの、、、、。玄関とか入り口が

無かったらどんなに楽か、、、。この感覚も迷路で身につけて、、、。)





篠原一男さんの初期の住宅。玄関が無い。(これは別荘か

何かで土間だけど、「狛江の家」などは板の間のはず、、、。)





増沢洵さんの自宅。やはり玄関が無い。「9坪ハウス」は階段の

下に玄関作ったみたい、、、。




囲碁は、たぶん、これが一番役に立つ。名人や棋聖が打った半目勝負の棋譜などは、その

「バランス」が美しくて、すばらしい、、。(予算の「バランス」もデザインであり設計

です。)大勝などしなくて良いのです、半目勝ちは素人には難しくて(素人で半目勝ちは、

ほとんどの場合、ただの偶然でしかないかも、、、)、100点満点ではなくて、51点とか

52点でも、上出来という感覚を身につけて欲しい。建築の設計でも、敷地とか予算とか

工期とか、その時代の職人さんの腕とか、いろいろな技術や材料など「相手のある事」な

のです。形も悪く(いわゆる愚形)手も読めず、四隅に見知った「定石」を並べただけ、

「厚み」の全局の中での「生かし方」、その限度も判らないでは、いかがなものか?  

(なんでもかんでも、ただ拡げればいいってもんじゃない。建築でも、庭などの外部空間

と、室内などの内部空間との、ある限られた敷地の広さなどの条件の中でのバランスを探

し出すのが、どれほど難しい事か、判って欲しい、、、。)囲碁から学べる空間商売の極

意、バランスはおそらく無限大です。(ちなみに私は藤沢秀行さんのファンでした。書も

下手な坊さんなんかの書より、ずーっと良いと思います。)

大学の建築科などに進むのは、良い同級生や師(これは、今は相当難しそう、、、)に巡り

会うという意味では、大変良いと思います。(やっぱり、一人でなんでもかんでも出来る

ようになるわけではないので、、、お仲間は必要だと思います、、、、。)

あと、旅行して古い集落や古建築を見たり、民俗に関心を持ったり、散歩は各自で、、。

小さい子は、親や大人や教師達や文部科学省から逃げましょう!「鉛筆の芯の黒鉛の産地

として有名なドイツの都市の名前は?」なんて問題、解かなくていいの!小学校5年から英

語教育なんて、○○でないの?(○○はブログ使用禁止用語?)なんでもいいから、もっと遊

んでいいの!勉強なんかしてちゃダメ!(ある程度はしなきゃダメだけど、、、、、。)



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申請主義

2014-09-27 19:01:54 | 日記
恥ずかしながら、この商売、ウン十年もやっているのですが、、、初めて聞きました、

この言葉。建築確認申請にしても、道路位置指定の申請にしても、日本の役所は「申請

主義」なんだそうです。どう言う事かと言うと、日本の役所は申請者が正しい書類を提出

していると言う前提で、その書類を受け付けて処理しているのであり、本当に正しいかど

うかは判らないし、確認する事もない、これを「申請主義」と言うのだそうです。確かに

敷地の大きさ、長さ、地形などを、役所の係員の方が、いちいち現地にまで行って確かめ

たりしていたら大変です。それは判るんですけど、、、。例の、このブログの最初の住宅

の「つっこみ道路」。道路?の巾の一番狭い所は2m60cmしかない、両側ともブロック塀。

調べてみると、戦前(!)に道路位置指定を受けている。(当時だから尺間法で3m64cmくら

い)ですが、現在は法42条2項道路で、道路中心から2mずつ合計4mは、生垣や垣根ならとも

かく、ブロック塀のような強固な工作物はご法度のはず、、、。いくらなんでも、戦前

と敗戦後の5~6年の間にに異形鉄筋入りのブロック塀はないでしょうよ、、、。)で、建

て主さんからも、何とかならないの?と言われて、行って来ました市役所の建築行政課。

そこでいきなり言われたのが例の文言「日本の役所は申請主義なんです。」(他所の国は

どうなっているのか知らん?)「たとえ戦前だろうが、役所は関係する地権者の同意と、

申請図書の道路中心などを正しいと言う前提で指定しています。(なんせ申請主義ですか

ら、、、)しかし残念ながら役所としては、今現在の指定道路の道路中心の位置がどこか

は判りません。件のブロック塀が、道路中心から2mの中にあるかどうかは、役所として

は判りません。わからないものを是正勧告?したり行政指導?は出来ません。」「はぁ?」

いつから、この国はカフカの『城』になってしまったの?もうイヤ!もう、こんな国イヤ

。やっぱり、トボトボ家に帰りました。(ダメだ、こりゃ、、、、、。)



それでも工事を請け負ってくれた、函館の(株)N成田の成田社長さん本当にありがとう

御座いました。2m60cmを前にして、見積もりもしてくれなかった建築業者さんもありま

したので、、、、、。大工さん達も業者さん達もとても良くしてくれました。感謝。



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狐に、、、

2014-09-27 11:45:12 | 日記
つままれた、ような話。ある建て主さんから(ご商売をされている。)、「お店のお客さ

んなのだが、家を建てるようなので相談にのってあげて、、、」もちろんお会いします、

こちらも商売ですから、、、。ところが、何回か打ち合わせに行っても、居るのは奥さん

だけ、旦那さんも、一人居るという娘さんも、一度も現れず、、、。(いつもは家族全員

集合で、集中砲火のように、その家族の「集団的個別的欲望」に晒されるんですけど、、

、、)今現在お住まいの家とは別に、街中の便利そうなところに敷地は、すでに用意して

あるとの事。(やはり、15m×15mくらいの敷地。)ところが、敷地全面がすでにアスファル

トで覆われている、、、。「何年か前に購入したのだが、毎年、草刈などの手入れが大

変なので、業者に頼んでアスファルト舗装してもらった、、、。」 えっ、「でも、アス

ファルト剥がして撤去して、どこかに投げるだけでも費用かかるんじゃないですか?」

「その最初のアスファルト代と撤去の費用の両方でも結構な額で、その金額で住宅建てる

時には、あんな事やこんな事が出来るかも知れないんですけど、、、(経験上、建築工事

で予算が足りなくなる事はあっても、余る事はないように思います、、、、。)」確か

に、これからご近所さん同士のお付き合いが始まるであろう周囲の方々の手前、何年も手

入れもしないで、草がぼうぼうと言うのも具合が悪いのは判るんですが、全面アスファル

トってのは、あんまり見た事も聞いた事もない訳で、、、、。(番線のフェンスに囲まれ

て、駐車場に貸している訳でもないし、、、、、。収益は全くあがらないのです。、、)

紹介者の手前もあって、何度か伺って三つくらいプラン作りましたが、函館にも最近

進出してきた、何とかホームと言う全国展開のハウスメーカーの立派なパンフレットに、

坪50~55万で外壁総タイル張りとあるから、「今度、家を建てるなら、外壁はタイルにし

たい。」との事なので「私の函館での経験では、その坪単価で総タイルは自信ないの

で、そのハウスメーカーで話を進めては?」とお話したら、電話が一本かかってきて「も

う結構です。」結構ですはいいんですけど、そのあと何年経っても、その敷地の前を車で

走るのですが、アスファルトのまま、、、、。(もう5~6年は経ちます、、、、。)あれは

一体なんだったんでしょうか?




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