北海道函館市の建築設計事務所 小山設計所

建築の設計のことやあれこれ

レクイエム その3

2022-08-29 01:59:26 | 日記

 

指定された練習場所は、信濃町駅の北側の某巨大宗教教団の建物が密集している

一角の、すぐ近くのキリスト教の教会で、夕方も暗くなってから、子供たちの

日曜学校の教室のような部屋だった。

 

 

 

日本基督教団信濃町教会旧会堂(今は新しいのに建て替わっているみたい。)

 

         信濃町教会/信濃町教会の歴史 www.shinanomachi-c.j pより

 

 

階段の下の入り口から、入った記憶があるような、ないような、、、。

 

        『銀河放浪』さん http://www2s.biglobe.ne.jp/~ynisihir/html/X_MILKY_WAY.htm より

    (今回、調べてみたら、なんと設計は大学の大先輩の岡田信一郎先生でした。

 

その日曜学校の教室のような部屋に入ったら、いきなりピアノの前に立たされて

「ハイ!ピアノの音に合わせて、ア~ァア、アーアァ、アー」、こっちも小学校

以来の「ア~ァア、アーアァ、アー」、そしたら、こんなんでアルトも何も、あ

ったものじゃないはずなんだけど、、、。「ハイ!アルトね!次!」って、そりゃ

そうでしょよ、人畜無害・無味無臭・無色透明の僕が、テノールとかバリトンとか

バスとかって、ある訳ないですよね、、、。

 

アルトの人たちと並ばされて、楽譜(もちろん譜面なんて読めるわけはない、シャープ

とかフラットとかが、たくさんついている譜面って、僕にとっては宇宙人の言語、、、。

イタリア語かラテン語さえ判らない譜面に、カタカナで「ふりがな」が振ってあったよう

な、、、)を渡されて、いきなり『さあ、声を出して歌いましょう!』って言われても、

そんなの最初っから無理なんだってば、、、!!!(もちろん、向こうだって、そんな事

は、はなっから期待もしていなかったんでしょうけれども、、、)

 

1時間半くらいの練習時間は、何もかも、訳もわからないままにアッと言う間に終了。

こちらは唖然・呆然自失のまま、撃沈・意気消沈、、、。ため息だけで、トボトボと、

家に帰りました、、、。

 

 

                         

 

 

 

 

 

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レクイエム その2

2022-08-28 23:28:31 | 日記

 

たぶん ヴェルディの『レクイエム』だったはずで、、、

 

  

 

モーツァルトの『レクイエム』では、なかったと思う、、、。

 

 

 

とにかく、こっちは、小学校から高校まで、音楽はずーっと2で、3代前までは、両親とも、

東北の水呑み百姓の出で、ヴェルディとモーツァルトの区別もつかないんです、、、。

それなのに新宿西口の地下広場を歩いている若い男を、いきなり掴まえて『レクイエム』を、

半年後には大勢の前で歌わせようってのは、いくら何でも、あまりにも無謀過ぎませんか

、、、!!?? (女性の方が多くて、男性のパートが足りなくて、暇そうに歩いている、

『人畜無害』そうな感じの若い男なら、誰でも良かったのかも知れない、、、。)

 

東口の喫茶店に行ったら、すでに15~20人くらいの『お仲間』が集まっていた、、、。

指揮者のような中年の男性も居た。全員が,新宿で勧誘していたわけではなく、池袋や渋谷

や吉祥寺などでも、各班に分かれて勧誘していて、新宿はターミナルなので、活動後に集ま

って、その日の報告などをするのには、好都合だったのかも知れない、、、。

 

入ると、いきなりその指揮者の人の、直ぐ側に座らされて、『○○○○大学の学生さんです!』

なんて紹介されるもんだから、女性のメンバー達が『キャァー!スゴォーィ!』とかなるもん

だから、こっちは『違うんです、違うんです!それは道の反対側の人たちで、僕は道のこっち側

だから、音楽は全然ダメなんです!』と、必死になって説明しなけれはならない、、、。

 

そしたら、その指揮者のような人が、『ついさっき西口で勧誘されて、いきなり東口のこの場所

まで付いてくるような人なんて、この世の中に居るんか? そんなんで、この団員の勧誘活動、

上手く行くんだろうか?あんまり簡単にホイホイ付いて来られるのも考えものだ!!』とか言う

んです、、、。

 

勝手に他人を勧誘しておいて、『ホイホイ付いて来る』といわれても、『人畜無害』なもんだから

、自分は簡単に腹を立てたり怒ったりはしない、、、。住所と電話番号を聞かれて、ホイホイ教え

てしまう。(有田芳生さんによると、最初にそれを聞き出そうとするんだけど、絶対に教えては

いけないらしい、、、って、それは 某宗教教団の話、、、。)

 

後日、実家の電話に、僕を勧誘してくれた若い男性から、練習の日時と場所の連絡が来ました、、、。

 

 

                            レクイエム その3 につづく

 

 

 

 

 

 

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レクイエム その1

2022-08-26 22:47:47 | 日記

 

建築科の1年になった時、部活の同級生から、『小山君は、人畜無害・無味無臭だね。』と

言われてしまった、、、。その頃は『大学デビュー』なんて言葉もなくて、『陰キャ』も

『陽キャ』もない時代だった、、、。ある日の夕方、大学からの帰り、新宿駅西口の地下広場

(その頃は、まだ『地下通路』という呼び方は、通用していたような、していなかったような

、、、。)を、山手線から、実家に帰る京王線に乗り換えようと、一人で歩いていたら、、、

いきなり声を掛けられて『勧誘』されてしまった、、、。

 

 

 

 

『あの、すいません。僕たち合唱やっいて、今年の暮れに「レクイエム」ってのを歌うんです

けど、○○○フィルハーモニーと一緒にやるんです、凄いでしょ!でも団員が足りなくて困って

いるです!貴方!どうですか?僕たちと一緒に「レクイエム」を歌いませんか!?』

 

 

『歌いませんか!?』って、いきなり言われても、こっちは自慢じゃないけど、小学校で唐沢先生

って女性の先生から音楽を教わって以来、ずーっと2で、中学校でもやっぱり2で、高校に入って

本当は選択で美術を取りたかったけれども、2次募集の合格で美術は満員、あえなく、また音楽

で、やっぱり成績は2、、、。だいいち日本人の子供にとって、あの音楽室という空間は気持ち

が悪くて仕方がない、、、。三味線・都々逸・祭囃子ならいざ知らず、なんで変な白いカツラを

被った外人さんの写真が何枚も見下ろしている中で、歌いたくもない歌を、歌わされなきゃいけ

ないのよ、、、。

 

こちらは、令和の時代の、楽しそうな音楽室

 

クラスの中に必ず、同じ小学生なのにピアノが弾けて、モーツァルトでもヘンデルでも先刻承知で、

クラッシックなら何でもござれ、みたいな女の子が1人は居るって何なのさ、、!そして唐沢先生

は、何故か、その女の子がピアノを弾ける事を、最初っから知っているのです、、、。

 

『ところで、大学はどちらなんですか?』

 

『○○○○大学ですけど、、、』って答えたら、『えっ!凄いじゃないですか!』って言うから、

『いや、凄いのは道路の反対側の○○学部の人たちで、僕は△△学部の建築なんで、音楽は全然

ダメなんです、、、。』って言っても、『○○○フィルハーモニーと共演できるって凄いんです

よ!一緒に歌いましょうよ!』って感じ、、、。だけど、こっちは『○○○フィルハーモニー』

が、どんなに凄いのかもチンプンカンプン、、、。だいいち『レクイエム』って言われても、

もちろん何にも判らない。(後で判ったんだけど、『レクイエム』 Requiemって、キリスト教

の「鎮魂歌」とか「葬送曲」の事で、モーツァルトとヴェルディと、あともう1人の3っつある

みたいで、彼らが歌おうとしたいたのは、どうやらヴェルディの『レクイエム』らしかった。)

 

『このあと東口の喫茶店で、みんな集まるんですけど、指揮者の○○○さんも来るんで、一緒に

どうですか!』

 

『一緒にどうですか!』と言われると、当時の『人畜無害・無味無臭』だった自分は、情けない

ことに、すぐには断れない、、、。(あぁ、何てダメな人間だったんだろうか!!)結局、その

若い男子学生みたいな人と一緒に、東口の『ルノアール』だか『マイアミ』だったかの大型喫茶店

に、付いて行く事になってしまった、、、。

 

 

 

写真は、喫茶室ルノアール新宿西口ガード下店です。ルノアールさんは現在でも、東口も含めて

新宿にて数店舗営業中、、、。

 

 

 

                           レクイエム その2 につづく

 

 

追記 中学の音楽の先生は古賀先生(男性、高校の音楽の先生は今井先生(男性でした。

 

 

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TOPS

2022-08-01 10:46:48 | 日記

 

むかし新宿に、TOPSという喫茶店があった。紀伊国屋書店の裏側、靖国通りに

出る角に建っていた、、、。

 

 

どうも、今の建物は建て替わっているみたいで、建物の凹に木が1本植わっているのは同じ

(『株立ち』だったかな?)だけれど、昔は、もっと低層の3~4階建ての建物で、設計した

のは原田さんという、僕の卒業した建築科の大先輩で、大阪の村野森事務所に長く在籍して

いた方のはずで、新宿では紀伊国屋書店と並ぶ良い設計の建物でした。1階の店舗の内部設計

も、外部空間の緑の採り入れ方や、床の高低差や(横の道が靖国通りに向かって緩く傾斜して

いたはず、、。)客席の落ち着きのあるアルコーブなど、とても上手な設計で、紀伊国屋書店

の帰りなど暑くて喉が渇いていたりすると、一人でも利用しやすい喫茶店でした、、、。

 

ある時、例の木が1本植わっている凹の横の、TOPSでも特等席の場所でアイスコーヒー

か何かを飲んでいたら、入り口のドアとの間の、僕の目の前の2人掛けの席に、若い恋人

同士みたいなカップルが座ってきた、、、。2人とも大学生かな?と思ったら、どうやら

男の子の方は社会人らしい、、、。女の子の方は、後姿しか見えないけど、凄くカワイイ

感じで、いいところのお嬢さんの女子大生かも知れないのだけれど、ずーっと男の子の話

を聞いているというか、聞かされているのでした、、、。

 

さっきから、この男の子の方が一人で何を話しているかというと、なんと『コーキング』の

話なのです、、、!『コーキング』と言うのは、一般の方には判りずらいと思うのですが、

建築工事では『シーリング』とも言って、ガラスと金属の間とか、石材と金属の間とかの『溝

(みぞ)』を現場で充填すると、後から硬化する『ゴム』みたいな防水材料なのです、、、。

この男の子は、『シリコンコーキング』と『ウレタンコーキング』の違い、ガラスと金属の間に

『○○コーキング』は良いけど、石材と金属の間に『××コーキング』は駄目とか、彼女に延々

と説明しているのです、、、!つまり、この男の子は去年か一昨年の新卒で、最近、組織設計事務所

かどこかで働き始めた、どこかの、それなりの建築学科の卒業生か何かなんだ、、、!(たぶん)

だいいち、ついこの間『建築知識』という雑誌で『コーキング特集』をやってたばかりじゃないか、

雑誌の知識を、そのまま受け売りするの、、、カワイイ女子大生の彼女に、、、? こっちなんて、

いまだに屋根の板金の『捨てコーキング』に『ブチルコーキング』を打った方が良いかどうかさえ、

判らないでいるって言うのに、、、。

 

 

僕は、その時、思いました、、、。『あぁ、日本の建築の設計の世界は、もうダメだ、、、!

終わっている、、、!女の子を口説くのに、コーキングは無ぇーだろう、、、!!』

 

 

                                    おしまい

 

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