北海道函館市の建築設計事務所 小山設計所

建築の設計のことやあれこれ

「黄泉比良坂」(よもつひらさか)

2015-12-10 12:43:40 | 日記
こうなったら、「黄泉比良坂」(よもつひらさか)について書くしかあるまい、、、。


島根県松江市東出雲町揖屋(いや)の国道9号線から、すこし小さな沢に入ったところに

古事記や出雲神話に出てくる「黄泉比良坂」とされている「坂」がある。「坂」と言っても、今

となっては、沢から裏手の民家に抜ける、「こんもりした森のような小山」を越えるだけの

道のようなものか、、、。(道と言っても小高い「峠」のようになっている。その入口まで

の道は、こんもりとした森に沿っている「みの手」です。)









左上を斜めに走っているのが国道9号線。中海の南西、本当に小さな沢で、近くに普通の

民家も迫っていますし、堰堤と緑色に見えますが小さな溜池も見えます。




イザナギ(伊耶那岐)は死んでしまったイザナミ(伊耶那美)に逢いたくて黄泉の国に

行きます。(この時、イザナミが「な見たまいそ。」と懇願するのに、イザナミは我慢でき

ずに見てしまうのです。これが決定的、、、。)ですが、イザナミは既に死んでしまって

いるので、醜い姿「穢れ」を見られてしまった羞恥から、逆にイザナギを追いかけて復讐?

しようとします。逃げるイザナギは、来る時にはなかった坂「黄泉比良坂」を、転げ落ちる

ようにして逃げます。行きには「坂」はありません。「坂」が現れるのは帰りです。この時、

追手がそれ以上に追いかけてこないように、「千引の岩」という大きな岩を置いて、追手を

遮ります。




「みの手」からの入口にある標柱と注連縄。(後世の人為的なものか?)





これは小高い「峠」にさしかかる伊賦夜坂(いふやさか)? (どこまでが「黄泉比良坂」で、

どこからが「伊賦夜坂」か?は、ちょっと難しい、、、。)





「千引の岩」?(これも自然石などではなくて人為的なもの?)





ルース・ベネディクトの『菊と刀』に出てくる、日本人の「恥の文化」の原型が、この

神話の中にあるという人もいるようですが、設計士の僕にとっては、行きにはなかった

「坂」が帰りに現れる、というのが大問題なんです。つまり


   『通りゃんせ』


  通りゃんせ 通りゃんせ ここはどこの 細通じゃ

  天神様の 細道じゃ ちっと通して 下しゃんせ

  御用のないもの 通しゃせぬ

  この子の七つの お祝いに お札を納めに 参ります

  行きはよいよい 帰りはこわい

  こわいながらも 通りゃんせ 通りゃんせ

                
           作詞 野口雨情? 作曲 本居長世
 


『行きはよいよい、帰りはこわい』とは、どういう事か?なのです。




「ザ・フォーク・クルセダース」の北山修さんの『悲劇の発生論』にふれている藤崎康彦

さん(跡見学園女子大学)という方の、『ミソジニーの観点から見る日本文化の深層 -

SUCRA』という論文があります。


   https://ci.nii.ac.jp/els/contents110009605165.pdf?id=ART0010066734
  
  
  

「ミソジニー」とか「産屋」とか「母権制から父権制への移行」、木下順二さんの「夕鶴」なども

出てきて、難しい論文です。(「ミソジニー」は女性嫌悪?女性蔑視?女性賎視?内田樹さん

によると一時期のハリウッド映画のほとんどは「ミソジニー映画」なんだそうです、、。)




追記  不親切な記事で申し訳ない。「夢」と「黄泉比良坂」は、何か関係がありそう、、。

    「坂」は「境」で、行きと帰りで違うのは「一方通行路」や「非対称性」の問題とも関係

    がありそうな気がするのですが、まだまだ考えがまとまっていないのです、、。



追記の追記 イザナギとイザナミは兄妹相姦の話かも知れません、神話は難しい、、、。

       「異類婚姻譚」なんて言われると、ますますチンプンカンプン、、、。 



追記の追記の追記   どうも、行きの峠までの上りが「黄泉比良坂」で、峠の先の下りが

           「伊賦夜坂」のようです。だとすると青木繁の絵の「黄泉比良坂」は

           、「黄泉比良坂」ではなくて本当は「伊賦夜坂」になってまうのかも
      
           、、、、。




               ・





追記のよっつめ  沖縄では「ひら」(平?比良?)は「上り坂」で、「坂」は「下り坂」の

        ことなんだそうです、、、。「比良坂」は上りと下りのワンセット?









   
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早稲田麻雀大会

2015-12-10 09:03:46 | 日記








いつのまにか、30年以上前に住んでいた早稲田の木造アパート(例の無頼の生活をして

いた、、、)で麻雀大会をする話は進んでおり、麻雀さえ出来ればいいM野君やS君にKu田

君、今は横浜で中学校の美術教員をしているY津さん、中には函館の下請け協力会の電

気屋のS井さんまで集まり始めていて、総勢で2卓は囲める10人程が集まりだしていたの

であった、、、。S君が名付け親の『○○山房』のアパートは、2階に上がってみると玄

関の脇に「こんな横長の受付みたいな窓あったかなぁ?」という感じの窓があったけれども

、部屋数はあるので2卓は十分に囲める、、、。30年ぶりなのに、何故か雀卓と雀牌

は、すでに2卓分がアパート内に用意されており、奥の部屋では何人かが雀卓を組み立て

たりの準備をし始めている、、、。(みんな、こういうのはテキパキと早いのだ。)

奥の部屋は北側で、さすがに麻雀をするのには暗くて、牌の字が読みずらくてダメだとな

って、照明を点けようとしたが、点かない。電気屋のS井さんに頼んで、電源を切って貰

って僕が電球を調整する。S井さんは「あいよっ!」と手馴れたものだ。そのとき窓の外を

見たら、何だか外壁の色が違う、、、。赤いエンジ色なのだ。それに、だいいち3階建て

じゃなくて、木造なのに4階建てになっている、、、。屋根は桐生の織物工場のように

ノコギリ状のギザギザだ、、、。







「おかしいな?」と思って、外に出ようとしたら建物の中だったはずの階段が、建物の外に

突き出していて、華奢なアルミのササラ桁1本の両側に踏み板が交互に1枚ずつ出ている

のだか、肝心の手摺りが付いてないので、グラグラしているし落ちたら危なくてしょうが

ない造りなのだ。

それでも下に降りて、『○○山房』のあった『○○坂』の周辺を少し歩いてみたら、その

赤いエンジ色の4階建ての建物は、どう見ても『○○山房』じゃない、、。1階にあった

洋品店もラーメン屋も豚カツ屋もないし、向いのパン屋の3軒長屋もない。建っている場

所が200メートルくらいは、元の『○○山房』より坂の上じゃないか、、、!!!

「こりゃ大変だ。」と思って、件の華奢なアルミの階段をのぼってみると、もう麻雀の音は

ジャラジャラと始まってしまっている、、、。








みんなに「『○○山房』じゃないよっ!大変だよ!」と言っても、もう麻雀始めちゃってい

るから「だから何なの?もう麻雀始めちゃったよ。何とかならないの?何とかなるんでない

の?」モード。(麻雀始めちゃうと、すでに普段とは人格が変わってしまっている、、。)

そこに下の洋品店のおばさんらしき女性が上がってきて(店はもうないし、例の階段をど

うやって登ってきたのかが不思議。)、「あんたら、大きな音を出して冗談じゃないよ!

勘弁してよ!やめて頂戴!」と、怒鳴り込んできた。そこに、やはり例の階段を上がって

来た郵便局の男の人が、あて先がカタカナ名前の郵便物を僕に渡そうとする。「やっぱ

り、ここは『○○山房』じゃないんだ。ヤバイ、どうしょう、、、!」と、僕はますます

1人で焦る、、、。


それでも、みんなは麻雀をやめようともせず、「お前がなんとか対応しろ」モード。こっち

は「なるべく大きな音とか声を出さないように気をつけますし、なるべく早く終わらせる

ようにしますから。」とペコペコ。それでもカタカナ名前の本当に住んでいる人(人達)

が帰ってきたら大変な事になってしまう。ますます、僕だけが焦り続ける、、、。


そのうち、S君かM野君のどちらかが「下のラーメン屋か豚カツ屋にも気を遣って、店屋物

を人数分とってやればいいんじゃないの、、、?」とか言い出す始末。でも、それって僕に

「雀飯」の手配をしろって言う、体の良い口実じゃないか、なんて勝手な奴らなんだ!!!



と、言うところで夢から醒めた、、、。





    (夢の中なのに、あんなに麻雀の好きだった幸田君は出てきません、、、。)





追記  2階から建物の1階に降りようとした時に出てきた「華奢なアルミのササラ桁1

    本」の不思議な階段は、なんだか「黄泉比良坂(よもつひらさか)」のようです。



追記の追記 『2階に上がってみると玄関の脇に「こんな横長の受付みたいな窓あったか

      なぁ?」という感じの窓があったけれども』とあるのは、目白の吉村事務所の

      玄関を入ってすぐ左の受付事務の窓口なのかも知れない、、、。今は吉村

      順三ギャラリーの為に撤去されてしまっているけど、、、。




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