北海道函館市の建築設計事務所 小山設計所

建築の設計のことやあれこれ

メディチ家礼拝堂(Cappella mediceo) その6

2015-11-17 14:21:28 | 日記

彰国社の西洋建築史図集にはもうひとつ、「ミケランジェロのロレンツオ図書館前室」

Michelangelo Laurentian Libraryという不思議な階段の写真が、「メディチ家礼拝堂、

サン・ロレンツオ教会堂」の写真の下にあります。こんな階段です。







この階段がイタリアのどこの街の、どの建物の、どの場所にあるのか今まで僕は全然判っ

ていませんでした、、、。(お恥ずかしい限りでして、、、。)


これはローマにあるパラッツォ・ファルネーゼという建物なのですが





長い事、ミケランジェロの階段は、もしかしてこの建物の中にでもあるのかな? くらい

に考えていたのです。(ミケランジェロが設計に関与していたようですし、階段室の壁面

の窓の装飾と、パラッツォ・ファルネーゼの窓の上のペディメントが何となく似ているよ

うに感じていたものですから、、、。)



ミケランジェロの階段と階段室の平図面です。







同じく断面図です。







でも「ロレンツオ(Laurentian)」ってくらいですから、やっぱりサン・ロレンツオ教会堂

の中にあったんです、、、。


この図のどこだと思います?






正解は、この図を見るとわかります。






これが、図書館と階段室の平面図です。わかりますよね。





ブルネレスキの古聖器室の右の、もともとのサン・ロレンツオ教会堂が凹んでいた場所

に、囲碁で言う「あて込んだ」ように、無理くり作ったように僕には見えてしまいます。

この階段室の中にクロイスターcloister(中庭の回廊)以外の、どこからどうやったら

入れるのかさえ、僕には図面からは読み取れないくらいなんです。



階段の上から下を見た写真です。





右のドアはクロイスターに出れますが、左のドアはおそらく付属室か何かで行き止まりで

しょう。とにかく、こんなスケールアウトな階段を無理くり作ってしまって、降りて目の

前はいきなり壁ですから、これがJRの駅舎かホームなら人身事故必至です、、、。



 

 


                             メディチ家礼拝堂(Cappella mediceo)その7 につづきます。




追記  パラッツォ・ファルネーゼは、現在イタリアのローマにあるフランス大使館です

    ので(三色旗がさがっています。)警備は相当厳重になっているはずです。



追記の追記  囲碁の場合、「あて込みの手」は、一般的には「愚形」「愚手」とされ、指導碁

       などでは上手から指摘されてしまいそうです。ですがプロ同士の打碁では

       稀に「あて込みの手」が「妙手」となる事があり、「場合の妙手」などと言われ

       たりします。ミケランジェロの階段室と階段が「場合の妙手」かどうかは、

       難しいところです、、、。



       第15期本因坊リーグ戦 木谷(黒)--坂田(白) 白94手目でしょうか?

       http://www.kihuu.net/threadno/k00000021712


       クリックして白94手目を探してみて下さい。

















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