北海道函館市の建築設計事務所 小山設計所

建築の設計のことやあれこれ

沖縄の「神の道」つづき

2014-12-01 14:37:18 | 日記
すいません、村武精一さんの『祭祀空間の構造ー社会人類学ノート』(東京大学出版会)

でした。しかも、沖縄ではなく奄美でした。そして、「祖先のお墓、または「御嶽(うた

ぎ)」からの道」ではなく、「ウントネ(一番地)からの道」でした。(「ウントネ」とは

「宗家」の事のようです、、、。)この図です。






図の中央の「ウントネ(一番地)」からカーブして海の方に続く道に「カミの道」とあります。

そして本文に次のような文章があります。


    宗家トネヤには、門がふたつある。一つは世俗の人びとのためのもの

    であり日常的門である。他はカン・ヌ・ミチ(神の道)に通じる門であ

    って、神霊のためのものである。つまり、非日常的門である。


この図は鹿児島県奄美市名瀬大字根瀬部ですから、方位は地図で確認すると、図の下の

海側が北と思われます。白い砂云々は、お盆の時に、ご先祖様をお迎えするのに、家の前

の道に白い砂を云々の別の記述が、私の中でゴッチャになっていたようです。「祖先のお

墓、または「御嶽(うたぎ)」からの道」云々も同様です。すいません。


それにしても普段はどんなに遠回りで不便でも「キシミチ」を歩いていたのでしょうか?


出入り口が二つ、と言うのは建築の設計の仕事をしていると凄く良く判ります。ビルの

地下の店舗などで、階段が1つしかなくて出入り口も1つしかないと、そこで左官屋さん

が床の仕事など始めてしまうと、他の職人さんは誰も出入りできなくなってしまいます。

工期がない時など非常に困ります。(でも現代のマンションはみんなそうです。かろうじ

て火災の時などバルコニーの、隣との仕切りのスレート板などを蹴破ると、行き来出来

るくらいです。ですから、仕切りのスレートは工事の最後の最後に取り付ける筈です。

住宅の設計でも、最後に棺桶を出す窓ー出来ればテラス戸ーの事を考えてしまいます。)


私は、神社の境内や寺院の伽藍、後で出てくると思う福井県若狭の「ニソの杜」などの

神域には、表の出入り口とは別の、「後戸」なり「烏(からす)道」などの、もう1つの

出入り口があるのではないかなと睨んでいます。




『神・共同体・豊穣』ー沖縄民俗論ー(未来社)は当時は2500円、『祭祀空間の構造ー社会

人類学ノート』(東京大学出版会)は当時は1800円でした。宜しかったら、お買い求め下さ

い。ありがとうございます。


追記  この図の「神の道」は「ニライカナイ」のような海からの「来訪神」の為の通路なの

    かも知れません。(つまり、山ではなく、海の方からやってくる、、、。)でも

    そうすると、お盆などに、山側の祖霊の墓地からやってくるご先祖様は、どう

    なっちゃうんでしょうか、、、、?



追記の追記  根瀬部の集落です。本文の図とは南北が逆です。


       























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