北海道函館市の建築設計事務所 小山設計所

建築の設計のことやあれこれ

レクイエム その1

2022-08-26 22:47:47 | 日記

 

建築科の1年になった時、部活の同級生から、『小山君は、人畜無害・無味無臭だね。』と

言われてしまった、、、。その頃は『大学デビュー』なんて言葉もなくて、『陰キャ』も

『陽キャ』もない時代だった、、、。ある日の夕方、大学からの帰り、新宿駅西口の地下広場

(その頃は、まだ『地下通路』という呼び方は、通用していたような、していなかったような

、、、。)を、山手線から、実家に帰る京王線に乗り換えようと、一人で歩いていたら、、、

いきなり声を掛けられて『勧誘』されてしまった、、、。

 

 

 

 

『あの、すいません。僕たち合唱やっいて、今年の暮れに「レクイエム」ってのを歌うんです

けど、○○○フィルハーモニーと一緒にやるんです、凄いでしょ!でも団員が足りなくて困って

いるです!貴方!どうですか?僕たちと一緒に「レクイエム」を歌いませんか!?』

 

 

『歌いませんか!?』って、いきなり言われても、こっちは自慢じゃないけど、小学校で唐沢先生

って女性の先生から音楽を教わって以来、ずーっと2で、中学校でもやっぱり2で、高校に入って

本当は選択で美術を取りたかったけれども、2次募集の合格で美術は満員、あえなく、また音楽

で、やっぱり成績は2、、、。だいいち日本人の子供にとって、あの音楽室という空間は気持ち

が悪くて仕方がない、、、。三味線・都々逸・祭囃子ならいざ知らず、なんで変な白いカツラを

被った外人さんの写真が何枚も見下ろしている中で、歌いたくもない歌を、歌わされなきゃいけ

ないのよ、、、。

 

こちらは、令和の時代の、楽しそうな音楽室

 

クラスの中に必ず、同じ小学生なのにピアノが弾けて、モーツァルトでもヘンデルでも先刻承知で、

クラッシックなら何でもござれ、みたいな女の子が1人は居るって何なのさ、、!そして唐沢先生

は、何故か、その女の子がピアノを弾ける事を、最初っから知っているのです、、、。

 

『ところで、大学はどちらなんですか?』

 

『○○○○大学ですけど、、、』って答えたら、『えっ!凄いじゃないですか!』って言うから、

『いや、凄いのは道路の反対側の○○学部の人たちで、僕は△△学部の建築なんで、音楽は全然

ダメなんです、、、。』って言っても、『○○○フィルハーモニーと共演できるって凄いんです

よ!一緒に歌いましょうよ!』って感じ、、、。だけど、こっちは『○○○フィルハーモニー』

が、どんなに凄いのかもチンプンカンプン、、、。だいいち『レクイエム』って言われても、

もちろん何にも判らない。(後で判ったんだけど、『レクイエム』 Requiemって、キリスト教

の「鎮魂歌」とか「葬送曲」の事で、モーツァルトとヴェルディと、あともう1人の3っつある

みたいで、彼らが歌おうとしたいたのは、どうやらヴェルディの『レクイエム』らしかった。)

 

『このあと東口の喫茶店で、みんな集まるんですけど、指揮者の○○○さんも来るんで、一緒に

どうですか!』

 

『一緒にどうですか!』と言われると、当時の『人畜無害・無味無臭』だった自分は、情けない

ことに、すぐには断れない、、、。(あぁ、何てダメな人間だったんだろうか!!)結局、その

若い男子学生みたいな人と一緒に、東口の『ルノアール』だか『マイアミ』だったかの大型喫茶店

に、付いて行く事になってしまった、、、。

 

 

 

写真は、喫茶室ルノアール新宿西口ガード下店です。ルノアールさんは現在でも、東口も含めて

新宿にて数店舗営業中、、、。

 

 

 

                           レクイエム その2 につづく

 

 

追記 中学の音楽の先生は古賀先生(男性、高校の音楽の先生は今井先生(男性でした。

 

 

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