北海道函館市の建築設計事務所 小山設計所

建築の設計のことやあれこれ

ADO16と吉村小住宅

2015-08-02 02:06:18 | 日記
ADO16は、1960年代から70年代の、イギリスの自動車会社BLMC(ブリティッシュ・レイ

ランド・モーター・コーポレーション)の生産した小型乗用車。ADOはAustin Drawing

Officeの略。ADO16は16番目に設計した車?こんな車です。





この車、小型の大衆車なのに足回りに、油圧式懸架装置の一種である「ハイドラスティッ

ク・サスペンション」を採用しています。(油圧と言っても、実際はゴムのかたまりの中に

不凍液のクーラント。)





左右別々に前後がつながっています。





これが「ディスプレッサー(代替物)」と呼ばれるゴムのかたまり。





このサスペンションを考案したのがアレックス・モールトン卿。




自転車はモールトン自転車。(ご本人は、19世紀型エンジニアの最後の生き残りと仰って

いました、、、。)


車そのものを設計したのはアレック・イシゴニス卿。




右の車が、やはりアレック・イシゴニス卿の設計した、ADO15こと通称ミニ。(最近では、

クラシック・ミニなと゜と呼ばれています。)


アレック・イシゴニス卿のスケッチ、、、。(なんか良い感じ、、、。)





小型大衆車なのに、トレーリング・アームとハイドラスティック・サスペンションの組み

合わせなので、大変乗り心地が良い。最近の小型車は、ほとんどゴルフ由来のトーション

ビーム・サスペンションとコイルスプリングの組み合わせになってしまいました、、、。

コストや生産性の為なのでしょうが、ローバー114を最後にハイドラスティック・サス

ペンションはローバー社とともに無くなってしまい残念です。


ADO16のような小型乗用車が100万台以上も売れて普通のおばさんが運転していたイギリス

という国は、とんでもない「エンスー(©渡辺和博さん)」の国です。


ADO16が、小型大衆車なのに床下の配管に不凍液のクーラントが走っていたように、吉村

先生の設計された多くの小住宅も床暖房がされて、不凍液のクーラントが走っていたよう

です、、、。どちらも、丁寧に造られていて、居住まいの良い、本来の意味での「サルー

ン(saloon)」なのではないでしょうか?



追記   どうやら、いろいろな写真からすると、吉村先生の車はベンツのようです。

     スミッソン夫妻の車は、前の記事の最後の写真からすると、どうやら、

     シトロエンDSのようです、、、。イギリスの人なのに、、、。 



追記その2   ハイドラスティックの不凍液の交換の様子。メタノールと不凍液の半々になっている

        みたい、、、。左右の前輪と後輪が、それぞれ繋がっているだけなので、途中、車体が

        傾いてしまっています、、、。


        


        ホイールアーチとタイヤの間隔で車高調整するのが、なんとも原始的というか実際的?








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