昨夜 10時過ぎかな・・・・。 流石にきつかったので 眠れなくても横になろうと思っていた時に
妹から電話があった。 「かいちゃん」43歳である。彼女は今北九州に住んでいる。
こんな時間に電話があるって事は またアレか???と薄々嫌な予感がしながら電話に出た。
「今、小倉っちゃけど・・・・。行ってもいい・・・?」 もろに凹んだ声である。
外は暴風で凄い事になってる夜。
「ええ?小倉?小倉のどこよ?」と聞くと
「バスの中・・・。」と言う。
すでにバスに乗って福岡に向かっているらしい。 いつもこうだ。
こうなると とりあえず来るしかない、イヤ、今更戻れない。高速バスに乗ってるのだから・・・・。
福岡に着いておすぎん家の最寄りの駅に着くころは12時ごろになるだろう。
ちなみに我が家は日曜日(つまり今日)はボランティアで海掃除の予定で朝の7時には家を出る予定だった。
台風で清掃活動は中止になったけど ボランティアはあるので9時半に出発時刻は変わったが、
かいちゃんが来るときには 7時には家を出る予定でいた時間。
電話を切った後、それを思い出し 夜夜中までえんえんと話を聞いてあげる事が出来ないので
メールで『朝 7時には用事で出るけど家で寝て待ってられる?』と送ると
『待っとく』と返事が来た。
実家には帰りたくないんだと言う。毎度のことだが・・・。
今、何時だと思ってるんだ!何時に着くと思ってるんだ!明日朝早いって言ってるのにそれでも来るって自己中な!
何も言わんで実家に帰ればいいのに・・・。とか 疲れて具合も悪いおすぎは 正直 歓迎どころではない。
家出の理由は想像つく。
パートナーともめたんだろう。
かいちゃんは喧嘩するとわりと簡単に家出をする。
唐突に勝手に 友人宅を泊まり歩いては 行く所が無い時はおすぎの所に来る。
おすぎは そんな時 少しかいちゃんが羨ましくなる。
実はおすぎは産まれて今まで生きてきて1度も家出をした事が無い。
お産で実家に里歩きさえした事ない。
友達の家にも長時間滞在できない。実にそんな性格だ。
自分の家が大好きってわけじゃ~決してない。
いちいち気を使うのが嫌だからよその家に行きたくないのだ。
気を許している数少ない友人は別だけど 行くより来てくれる方が格段に多い。
その方がゆったり出来る。
話がそれたが。
おすぎは今回のかいちゃんの家出を 昨夜は受け止める体力気力がなかった。
悩み事を聞くのはエネルギーがいる。
特に妹の性格を知っているばいる程、一方的に自分の主張を述べ続ける癖がある妹の話を聞き
すぐに卑屈になる彼女を傷つけない様に意見を求められても 言いようがないと思った。
おすぎもかなりの卑屈思考だがかいちゃんのそれとは性質が違うようだ。
とにかく12時ごろ「もうすぐ駅に着きます」とのメールを受け取り
本当はこんな夜中にしかも暴風の中 運転なんてしないのに駅まで迎えに出かけた。
一人じゃ~心もとないので 起きていた海〇が着いて来てくれた。
子ども等もかいちゃんの突撃襲来には慣れたもんで おすぎの不調を心配してついて来てくれた。
駅で待ってる間におすぎは ある事を決めた。
取りあえず今夜は実家に泊まってもらおう!
そうだ!居ないけどここはジョーカーを使おう!「旦那」と言うカードだ!
急に明日が早いからって旦那が来たから 実家に送るよと言ってみよう!
それほど「旦那」カードは威力がある。
車に乗ってきたかいちゃんは すっぴんだけどキチンとしたヒールをはいて品よくラメの入ったインナーを着て
馬のひづめみたいな形のダイヤのネックレスとピアスをして鎖のカチューシャをして身ぎれいな姿だった。
おすぎの想像する家でのスタイルとは全然違う。きれいなお姉さんが現れた。
外に出る時に着替える余裕があるってわけだ。
乗り込んでそうそう
「何も食べてないからコンビニに寄ってもいい?」
食欲もとりあえずはあるんだ・・・・。
今が何時だとか、こんな天気に悪かったなとか そこまで気が回らないらしい。昔からだけど。相変わらずだ。
おすぎは おそるおそる「旦那」カードを切り出した。
案外 すんなり
「じゃあ、家に行く」と言った。恐るべし、嫌われっぷりな旦那である。本当は居ないけど居なくても初めて役に立ったな!
それから する~~っと実家へ行こうとしたけど 車中たたみかけトークが始まったのである。
続きはまた パート2で!