半袖を着て過ごす年末は、まったく実感がわかない。
今日はクリスマスイブ。
インドでは、いつもと変わらない街の雰囲気。
よくみると、MERRY X'SMAS!と書いたキラキラした飾りやサンタクロースが店先に踊っているところもある。
ケーキ屋はそんなに目立たない。
今日は、ラッド先生のクリニックにアニーが診察に訪れる約束の日。
アニーの娘、アニータと軽い食事をして一緒に向かう。
アニーは2月のある朝突然からだが動かなくなった。
それから数週間昏睡状態で入院していたらしい。
西洋医学の治療とともに、近所のアーユルヴェーダドクターにかかっていた。
マッサージオイルなどを処方され、回復したものの、
右半身の手足が不自由なままだときいていた。
娘のアニーと息子の家を交互に滞在して、身の回りの世話を手伝ってもらっていることに、とても
気兼ねをしているという。
3年前よりもずいぶん、落ち込んだ様子のアニーだったが、椅子に腰掛けることもできるし、
左手を使うことができる。ゆっくりなら一人で歩くこともできる。
診察開始の時間には、待合室に並んでおきたかったが、アニーの動作はゆっくり。
食堂の準備も遅いので、あわてるのはやめて、ゆっくりすごす。
6時30分を回って、ようやく待合室についた。
案の定、10人くらい座っている。
この調子では2時間くらい待つことになるかもしれない。
私は、いつも通り診察室に入った。
日本人の女性がアメリカ人のだんなさんと女の子をつれて入ってきた。
彼らは今、インドネシアに住んでいるそうだ。
アメリカでラッド先生に会ったことがあるらしく、プーネにいるときいて
わざわざボンベイから診察に訪れた。
風邪のひき始めのような症状のある女の子に鼻水、咳などに良い薬をはちみつと一緒に服用するように処方された。
また、ラッド先生の占星術にも信頼を寄せている様子で、家族全員の占星術表をもってきていた。
女の子におすすめの宝石をたずねていた。
ラッド先生は16さいまでの子供には影響が強すぎるのですすめないという。
女の子はまだ7歳。
母親は、便秘気味で胃の左側が痛いと訴える。
彼女には、ピッタを緩和する薬と宝石がすすめられた。
父親も診察を受けて帰った。
次に入ってきたのは、近くの西洋医学の医学部の解剖学の教授。
彼女は、何度か診察に来ていて、見覚えがある。
今日は、友人のつきそいで来院。
何やら占星術表を出して、先生に相談している。
それから、橋本病と膝の痛みを訴え、マルマ療法を受けた。
数分間の施術後、とてもすっきりした表情で椅子にかけ、どれほどすばらしいか
笑顔で話す。
そんな、患者さん達は一人当たり最低でも15分はかかっている。
アニーとアニータの順番までに予想通り1時間半以上、かかった。
ようやく二人が診察室に入る。
アニーは糖尿病を持っていて、高血圧もある。
脈をきき、筋肉や反射能力をチェックする。
3ヶ月分の薬が処方された。
アニーも膝の痛みと肥満の薬を処方されて、診察室をでる。
なんとかよくなると良いなあ、と願いながら
メリークリスマス!といって彼女たちを見送った。
クリスチャンの彼女たちは、これから教会に行くそうだ。
すでに8時半をすぎていた。
ラッド先生の診察がすべて終わったのは9時半。
クラスメートの一人がMGロードのあたりでクリスマスのイベントがあるらしいから
行ってみないか、と誘ってくれたけれど、疲れたのでまっすぐ部屋に戻った。
明日は、プネー郊外のアーユルヴェーダ大学に行くため、朝早く支度をしなくてはならない。